愛していると言ってくれ。
藍川さとる
新書館
★★★
森久保祥太郎 千葉進歩 石田彰 森川智之 野島健児
鳥海浩輔 三石琴乃 矢島晶子 小松里賀 
原作既読。藍川さとる原作の「晴天なり。」シリーズから「愛していると言ってくれ。」のCD化。かなり原作に忠実に作られているとは思うが、こういったメンタルな部分に重点を置いた話というのは、そのテイストを変えずにCD化するのは本当に難しい。原作に忠実であればあるほど、細部が伝わってこないときの肩透かしが悲しい。それでも、森久保氏の静太郎と千葉氏の悠二は、キャスティングとしてはとても填っていたと思うし、一番の見せ場である、静太郎が言ってはいけないセリフを口にしてしまったことを悠二に謝罪する件りなど、真に迫っていてとてもよかったように思う。そして、脇の面々が魅力的なのがこの作品の大きな特徴でもあるのだが、吉峰家の皆さんがまた、非常に安定したキャスト陣であり、作品としての魅力にも一役買っている。ただ、原作ですら登場人物の多さに右往左往するのに、いきなりこれを聴いて人間関係の相関図を把握できるのかどうかは疑問だが。
たもつをノジケンが演っており、私としてはこのままのキャストで「さかなのf」なんかも聴きたかったところだが、まず無理だろうなあ。個人的には「サンクス ア ミリオン」が大好きなのだけれど、それだとBLですらないしな。ちなみに、原作キャラでは金守琴子が一番好きだ。
ところで、原作の中でも独特な雰囲気を放つ和希(石田)のあのプリチーな変人ぶりは、伝わっただろうか?(笑)



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ふたりのひとりごと
藍川さとる/南野ましろ
ウイングフェスティバル製作委員会
−−−−−
石田彰
2001年にアニメイトの<ウイングスフェスティバル>で発売された完全数量限定のCD。「メロディ♪ハレルヤ」の美紀と、「晴天なり。」シリーズ・「異性人交差点(エイリアン★クロスロード)」の和希を、石田彰氏一人のモノローグのみでCD化したもの。原作は両方とも既読。
まずは「晴天なり。」の方から。これは「愛している・・」でも述べたように、このシリーズ自体、とてもメンタルな部分に比重をおいた作品であり、そういった意味ではドラマ化された「愛している・・」よりも、和希のモノローグのみで構成されたこちらの作品の方が、返って伝わってくるものがあったかもしれない。当然、詳細な部分は原作先読みでない場合、理解するのは多少難しいだろうし、底抜けに変人な<和希>というキャラクターを理解するには、一人称では無理があるのは確かだが、ひとつのCD作品として見れば、とても聴き応えのある、完成度の高いものだと思う。
そして「メロディ♪ハレルヤ」の方だが。こちらは、「晴天なり。」よりも私自身の思い入れが少ない分、比較的気持ちよく聴くことができた。<美紀の日記>という設定の回想および独白で、文字通り石田氏の独壇場。作品前半の淡々とした和希のそれとは違い、喜怒哀楽がはっきりとした語り口調で、口語であることが更にそのメリハリを解り易くしている。雰囲気も明るく、非常に楽しい作品になっている。
石田氏の役の把握力と演じ分けが、一人舞台だからこそ臓腑に染み渡る一枚。その終始安定した演技の上手さは、もはや言うまでもないだろう。BL的な要素としては、絡みなどはもちろん皆無だが、あーさんファンなら是非聴いてみたい作品であるはず。最後に収録されているメッセージ集もオイシイです。




真綿の王国
南野ましろ
インターコミュニケーションズ
★★★★☆
子安武人×山口勝平 置鮎龍太郎 折笠愛
原作既読。今年度の大当たり作品、第1弾。いやー、よかったです♪
どちらかと言うと勝平ちゃん受けが苦手な私。しかし、ファンタジーで、且つ人間ではないキャラならば全然O.Kだということが今回明らかになった。もう、大発見。とにかく、めっちゃめちゃ可愛かったです。ぬいぐるみ麦太と人型?麦太の演じ分けが超絶上手くて、ビジュアルがなくてもここまで明確に再現できちゃう勝平ちゃんは、本当にスゴイ!と思う。原作では返って伝わりにくい、あの妙なイントネーションの関西弁が、音になったことで可愛さ倍増、そして無垢であるがゆえの可笑しさとせつなさが、これでもか、というくらいに伝わってきて、本当に聴き応えがありました。
更に子安氏。見た目の無骨さからは想像できない<可愛いモノ好き>な殿上を超好演。こういう純朴な?青年というのは、子安氏にはむしろ珍しく、非常に新鮮だったし、その普通っぽさがまた思い切りツボにきてしまい、新たな萌えポイントを確立。
「・・・切羽詰っててごめんな」
は、もう、キャ〜〜〜であり、完全にやられた。
その上、オッキーの岩近がまたサイコーであり、どうしてオッキーの脇キャラはこうもメインを喰ってしまうのか、全くもってさすが、のひとこと。この岩近と殿上のやり取りが非常に愉快。殿上の「どこの隣の馬の骨に教え込まれた」には大笑いした。
ストーリーもよし、キャラもキャストもよし、SEからBGMに至るまで、すべてのバランスが素晴らしく、文句のつけようがない。どこまでもメルヘンでありながら、登場人物たちのリアルなまでの心理描写は、せつなくもほのぼのとした、優しい余韻を残すだろう。これだけのファンタジーを違和感なく仕上げたのは本当に見事だと思う。聴かなきゃ損!の秀作ですよ。


インターコミュニケーションCD☆真綿の王国☆

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メロディ♪ハレルヤ
南野ましろ
新書館
★★☆
子安武人×石田彰 中井和哉×南央美 川澄綾子
瀧本富士子 置鮎龍太郎 緑川光×千葉進歩 
南野ましろ原作の「メロディ♪ハレルヤ」と「ラップトップハイキング」のCD化。原作既読。
南野作品はSEがすべてだと言っても過言ではなく、正直、この作品のCD化は難しいだろうなあ、とは思っていた。なのにミラクル!見事です。例えば、谷津倉(子安)の、台詞の抑揚だけでは絶対にわかるはずがない不気味な歓喜であったり、こやっくんであったり、ていうか、谷津倉関係のすべては、そのSE無しに語れない。しかし、難しいなりに上手くできていたな、とは思うが、原作を読んでいないと厳しい部分も多いことはやはり否めず、ただ、この世界観を音声のみで伝えるということは、それだけ難儀だということなのだろう。
キャストも、天然且つ屈託のない美紀に石田氏はイメージそのままだったし、子安氏の谷津倉も、あの怪しげな雰囲気を損なわない好演だったと思う。総は、もっと<ぬぼー>とした感じの印象だったので、中井氏はちょっと違うかな、と思ったが、聴いてみたら悪くなかったし、そして「真綿の王国」岩近同様、やはり置鮎氏の芸風は素晴らしいのひとこと。一番のお気に入りは巴なのだが、生活能力皆無、あの浮世離れした巴に千葉進歩ってどうなの!?と思っていたが、さすがは千葉氏、私的には大満足であった。
個人的には「オートマチック・フラワー」が一番好きなので、是非ともCD化して欲しいし、更に言えば、子安×石田という、ありそうで全然ない、かなりレアなカップリングキャストであり、そういった意味でもシリーズ化してくれたら嬉しい。
CDドラマに仕上げるには問題もそれなりにあるけれど、ほのぼのとした原作の雰囲気は終始に渡りちゃんと伝わっていてよかったと思う。BLとしてはかなりソフトだし、原作先読みなので評価は多少辛めだが、個人的にはとても好きな作品です。





Candy Quartz apartment あさ
甫刈はるひ/南野ましろ
Atis collection
★★★
鈴木千尋 三木眞一郎 小杉十郎太 千葉進歩 杉田智和 こおろぎさとみ
南野さんの作品というのは<メルヘンチックなBL>ではなくて、どれも<BLチックなメルヘン>という感じで、なのにすごく人間くさい部分に必ず触れていて、いつもほこほこしてとても心地がよい。





Candy Quartz apartment ひる
甫刈はるひ/南野ましろ
Atis collection
鈴木千尋 三木眞一郎 小杉十郎太 千葉進歩 杉田智和 こおろぎさとみ