無邪気と言えば聞こえのいい子どもっぽさと、見るものによっては魔性に映る妖しい魅力とが混在する少年・正志(石田)は、自らの意識の及ばないところで、不本意にも男たちを惹き付けてしまう。
作品の出来やキャラではなく、「石田受け」という意味だけに限定して言えば、私がその虜になる原因となったのは、「ダブコ」や「お金がないっ」ではなく、実はこの「真夏の被害者」だったりする。確かに千堂やアヤちゃんも各レビューに記した通りメロメロだったのだけれど、どちらかと言えばシリーズが進むにつれ更によくなっていったそれらと比べ、始めからガツン、と殴られたような衝撃がこの作品にはあった、というか。
フリートークにもあるように、テーマは少年の成長にある。自分のことだけで手一杯で、人の気持ちを慮ることを知らなかった子どもが、他人に振り回されながらも己を知り、どう変化していくか、というところにあるのだ。そして、そういう話が私は大好きだし、自分の内面を一生懸命に見つめようとする実直な独白が大好きだ。そんな正志を成長させていくに充分すぎるほどの周囲の面々、これがまた素晴らしい。
まずリュウ(森川)。己の本能に忠実で、欲しいものを手に入れるためには躊躇しない唯我独尊の男。ただ、それを可能にする魅力をも兼ね備えた、野性的でいてハイソなリュウに森川氏の声はぴったりと填る。
次に優(真殿)だが。正志を盲愛するがゆえ、純情であるがゆえ、優等生であるがゆえ、自分を追い詰めていく様がせつない。嫉妬と焦燥にかられ、狂気に走る彼がとにかく悲しい。いや〜、それにしても、真殿氏は役柄の幅が本当に広い。今回のキレた演技はもの凄く怖かった。自分でも気を失いそうになった、というそれは本当に見事な熱演だった。
そして、正志の、葛藤が渦巻きながらの激しい拒絶は、今までにないくらいのイタさで、石田氏はやはりさすがであり。石田氏のキャラの把握力というのは、今更にずば抜けていると思う。いろんな意味で衝撃的です。
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