毎日晴天!
菅野彰
ムービック
★★★
楠大典×金丸淳一 内藤玲 私市淳 岩田光央 竹内順子
私は基本的に原作を先に読まないタイプなので、いきなり大人数の登場人物に、ブックレットを見ながら四苦八苦。ストーリーに集中できるまでに、ちょっと時間がかかってしまった。が、だんだんそのキャラが理解できてくると、それぞれ魅力的で、案外すんなりと聴くことができた。それぞれの会話が、どれも印象的で、いい感じで耳に残る。家族モノは、個人的にはリーマンモノに続いてツボである。細かく言うと、いきすぎな家族愛よりは、さりげない家族愛の方が、ハマると、より涙腺が弛むタイプであり、好みだ。そういった意味では、とてもいい雰囲気でストーリーが進んでいき、ほのぼのとして、好感は持てるのだが、エピソードがイマイチ軽くて、心に響く、とまではいかなかった。と、いうのも、メインキャラがわきキャラに比べて弱いからではないだろうか。それだけわきキャラが魅力的だ、とも言えるのだろうけれど。


ムービック(キャラCDコレクション)☆毎日晴天!☆

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毎日晴天!2 〜子どもは止まらない〜
菅野彰
ムービック
★★★☆
内藤玲×福山潤 私市淳 楠大典 金丸淳一 岩田光央
上田祐司 八戸優
これ、いい作品だよね〜、好きです〜。
いきなり核心に触れてしまうけれど、小さくて弱くて幼いはずの真弓(福山)を、ずっと守っていたつもりで、実はその真弓に守られていたのは大河(楠)の方だった、という件り。こういう健気なオハナシはほんとにツボで、涙腺がゆるみます。本当の自分をひた隠し、二つの顔を演じ続ける真弓。そんな真弓を逸早く見抜き、釈然としないものを感じる勇太(内藤)。どうにもならない過去を後悔とともに引きずり続ける大河を、支えようとする秀(金丸)や、真弓の思いになんとなく気付いていながら敢えて見ないふりをしてきた明信(私市)、単純だが必死に真弓を庇おうとする丈(岩田)、と、互いが互いを思いあうあまりのすれ違いがせつなく、そして温かい。
勇太を演じる玲くんだが、関西出身者の関西弁は、安心して聴けるので(笑)非常にマル。その勇太@玲くん、終始クールな姿勢を崩さないのだが、その彼がまた、大人で男っぽくて、めちゃカッコイイ。彼の語る、真弓の「凛とした後姿」は、目に浮かぶようであった。真弓の福山くんだけれど、可愛い声なのに飄々とした口調がすっごくいいの!そして、前作から気になって気になって(メガネ、っていうだけじゃなく)しょうがない明信が、私的にはたまりません。温厚でしっかり者で優しいキャラを、私市くんが好演。ただ、キャラではなく、家族としての立ち位置が、微妙に秀とかぶってしまっており、今回、ちょっと影が薄めだとは思うが。そしてそして、なにかとちょっかいを出してはいるが、自分なりのスタンスで真弓と勇太を見守る魚達@上田氏が、やはり彼なりの個性で、いい味を出しています。
CP的にもストーリー的にも、前作をはるかに上回る面白さでした。


ムービック(キャラCDコレクション)☆子供は止まらない 毎日晴天!(2)☆

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毎日晴天!3 〜花屋の二階で〜
菅野彰
ムービック
★★★☆
一条和矢×私市淳 楠大典 金丸淳一 岩田光央 内藤玲
福山潤
帯刀家で、私的に一番気になっていた次男・明信メインのラブストーリーということで、しかも、私は私市あっくんが好きで好きで好きで(うるさい)好きなので、とにかく心待ちにしていた作品であり。更に、恋のお相手・龍を演じるのが一条氏と聞いた瞬間から、期待は高まるばかりだったのだけれど、まったく期待を裏切らない、とてもいい作品だったと思う。それというのもまず、一にも二にもキャラクターのよさだろう。多少デフォルメとも思える個性だが、それがひとつの家族になったとき、妙なリアルさを感じさせてくれるのだ。
このシリーズの面白さというのは、それぞれがそれぞれの方法で家族を思うあまり、返って自分の内面を押し込めて暮らしている帯刀家の人々が、恋、または恋人の存在によって、その内に秘めたものを露呈していく様にあると思う。大河、真弓に続き、明信もまた、龍によって優しく暴かれ、自らを開放させていく。
幼馴染なわりには、始まり方がちょっと唐突だった気もしたが、龍だけには何故か甘えられる明信の、ともするとイライラするほど後ろ向きで間怠こしい、でも誠実で優しい性格が伝わってくるような冒頭だった。
家族の前では常識人のそれから極力気丈に振舞おうとする健気さを見せてきた明信だったが、龍の存在がその内面を露わにさせていく。そして、昔の過ちに囚われ、自分を戒めながら生きてきた龍もまた、明信によってその呪縛から解き放たれていく。
そんな帯刀家を、家族でありながら、一歩引いたところ(家族の盲目さに一歩引かざるを得ない、と言うべきか)から見つめる秀と勇太が、見えない部分の核心に触れ、家族をなだめ、諭す、という、大きな役割を果たしつつ、家族が家族として、個々が個々として成長していくわけだが、そういった彼らの成長していく様が、ひどく心地よい。
そして、キャストだが、「ちゃんと強い」明信を、私市くんが超好演。弱く女々しい明信、でも、強く優しくあろうとする明信、そのどれもに胸を揺さぶられっぱなしだった。また、龍@一条氏だが、私の場合、BLCDのちょっと(いや、かなり)エロティックなキャラ以上に、朴訥としたキャラクターの一条氏をより多く聴いているので、今回の龍にもまったく違和感はなく、むしろとても役にはまっていた印象。しかし時折、あまりに色っぽく変貌するので、油断するとうっかり妊娠させられそうになる。やはり一条ボイスは非常に危険。
そして前回同様、勇太@玲くんがまた、非常に大人でカッコイイ。
直情的で、一見わがままにも思える家族のドタバタだが、その誰もが優しく、一途に家族を愛している。今回もそういった根底の温かさが伝わってくる、とてもいい作品だったと思う。大好きです。


ムービック(キャラCDコレクション)☆花屋の二階で 毎日晴天!3☆

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毎日晴天!4 〜子供の言い分〜
菅野彰
ムービック
★★★
内藤玲×福山潤 楠大典 金丸淳一 私市淳 岩田光央 一条和矢
うえだゆうじ
ひとことで言ったら・・・・日本語って、難しいよね♪というお話。
まず、お決まりの「家族愛」というテーマに関してだが。うーん・・・・いい話はいい話だと思うのだけれど、なんだか、少しとってつけたような印象で。もちろん、言葉の行き違いや誤解はただのきっかけに過ぎず、実はそうではない部分、今回の場合は勇太の自分への嫌悪だったり生い立ちへの憎悪だったりという、そういったものが核心になっている・・ということは解るのだが、それが、もう二度と家へ帰らないほどの決意を勇太にさせたのだとしたら、原因としてはちょっと安易な気がした。それゆえか、これまでの、いちいち胸にくるような熱さが感じられず、特に、前作の「花屋の二階で」が、とても印象的だっただけに、残念。
ただ、とにかくこのシリーズのすばらしさは、なんと言ってもキャラであり。その魅力は、今回の作品でも遺憾なく発揮されていて、ストーリー自体に対する一抹の違和感など、吹き飛ばすほどの存在感なんだよね。なんて言うかね、ほっとするの。BLCD数あれど、こういう作風の作品てね、すごく貴重だと思うのね。
例えば冒頭。貼り紙を貼って歩くほどの深刻な家出なのに、ふっ・・って笑っちゃう、言ってみれば、そういう些細なことなのだと思うのだけれど、そういう些細なことが、とても大切なことで、キャラが生きているからこそ、込み上げてくる可笑しさだったりすると思うんだよね。
そういった意味で、今回はキャラに助けられた感も否めないのだが、問題は勇太と真弓の初絡みシーン。実は、私的には、ものすごーーーく微妙。これが他の作品だったならば、もしかしたらさらりと聴き流せるようなセリフだったのかもしれないのだけれど、このシリーズに限ってなのか、セリフがひどく陳腐な気がした。聴いてる方が恥ずかしい、と言うか。こういう有りがちなセリフは、有りがちな作風の作品で聴く分には全然気にならないんだけどね・・・・
でも、それはきっと、私がそれだけこのシリーズが好きだからなのだと思う。ネタ的には、帯刀家&阿蘇芳親子&花屋(+魚屋)という登場人物たちの、家族愛と恋愛と成長(と友情)を描く、という、ある意味非常にパターン化された話の繰り返しなのだけれど、それすら、各カップルのバランスのよさ、というのかな?とにかくお互いの支え方がいつも絶妙で、結局はほのぼのとさせられてしまう。
今回も、ドタバタの挙句の大団円、という感じだったのだが、最後の最後、丈兄の「第二の人生」にやられました。いろんな意味で、さすが「アニキ」な感じです。(笑)


ムービック(キャラCDコレクション)☆子供の言い分 毎日晴天!4☆

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毎日晴天!<番外編> 〜君が段取りをする時間〜
菅野彰
全プレ
★★★☆
楠大典 金丸淳一 私市淳 岩田光央 内藤玲 福山潤 一条和矢
うえだゆうじ
全プレでの<番外編>なのだけれど、これまでリリースされてきた作品と比べても、収録時間以外は何の遜色も無い素晴らしい作品。誰かのちょっとした思い付きだったり、そういったものをきっかけに帯刀家の日常をいつもどおりドタバタと描いているもの・・なのだが。
いや〜、上手い!ほんと上手いな〜。もちろん、オチに持っていくシナリオ自体の上手さもあるのだろうけれど、それにはやはり、一人一人のキャラクターと、その一つ一つがいちいち吟味されたのであろうセリフであり。キャラのセリフ一つ一つをパズルのピースとして組み立てていく過程は、あまりに思い思いで、一見、そのピースひとつだけでは計れない身勝手さがあり、なのに、その身勝手なピースたちを繋ぎながら完成されるそれは、いつも温かなカタチに形成されている。どのピースが一つ抜けていても完成し得ない、だからこそ最後の最後に、改めてそのセリフ一つ一つの重要性を再認識させられてしまう、というか。なのに、そのセリフがやり取りされる背景があまりに騒々しくもナチュラルなので、その心地よいテンポのよさとともに、ついうっかり作者の思惑に乗せられてしまい、そしてラストも近くなった頃、やられた!と気付くのだ。しかしそのやられた感すら、なんだか嬉しいい気持ちにさせられてしまうから不思議。
そして今回、声優のフリートークが収録されているのもひとつの目玉と言っていいだろう。もちろん、このメンバーでCDにフリートークが収録されているのは初めてであり、そのアットホームさ?がにじみ出ているような非常に楽しいもので、シリーズが始まってから4年、そのちょっとした軌跡が窺えるのもよい。あっくんのボケボケぶりもたまらないが、個人的には、りょうくんのナチュラルな声があまりにセクシーで、なんだかもうメロメロです〜。


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毎日晴天!5 〜竜頭町三丁目帯刀家の迷惑な日常〜
菅野彰
ムービック
★★★★
楠大典 金丸淳一 私市淳 岩田光央 内藤玲 福山潤 一条和矢
うえだゆうじ 斎賀みつき
もう、最初から声を上げて笑いっぱなし。なんだこれ、なんなの、この面白さは!?腹いてー!!!
今回は短編3話からなる完全なシチュエーションドラマであり、勇太の不幸話以外はほとんど回想も独白もない、ただただ会話のみで構成された作品。しかし、であるにもかかわらず、情景が目に浮かぶほどの巧みさは、もう上手い!としか言いようがない。一見、筋という筋のない、ドタバタとしたコメディに見えて、とても一貫した「愛」が根底にあり、それが時に複雑に、時にものすっごく解り易く、めまぐるしく、且つ、騒々しく展開していく。ただ、この騒々しさすら、キャラクターがキャラクターとして独立・浸透しているからであって、一朝一夕にここまでのドラマを作れるものではないはずだ。これまでにも、キャラのすばらしさについては語ってきたわけだけれど、それを余すところなく生かしつつ、更に魅力的に仕上げているあたり、本当に見事だと思う。一人一人の個性を、丁寧に丁寧に、大切に大切に育て上げてきた作者の努力の賜物だろう。そしてやはり、キャスティングが絶妙だと思うし、それをリアルなまでに再現しているその演者の力量がまた秀逸。
確かに、BLとしては多少毛色の違う作品かもしれないが、昨今のくだらないリリースの数々を思えば、心が洗われるようである。
2話目で、かなり早い段階にオチが見えてしまったのが惜しいところだが、それを差し引いても、とにかく楽しく、そして、いつもながら、ちゃんとした「愛」を感じさせてくれる貴重な作品。「BL」に、こういう感動があってもいいと思う。私は大好きです。


新譜☆竜頭町三丁目 帯刀家の迷惑な日常 毎日晴天!5☆



毎日晴天!6 〜子供たちの長い夜〜
菅野彰
ムービック
★★★★★
内藤玲 福山潤 楠大典 金丸淳一 私市淳 岩田光央 一条和矢
うえだゆうじ 木内秀信 秋元洋介 平野俊隆
星5つなどという評価を付けるのも丸々2年ぶりだ。でも、嬉しい。本当に、嬉しい。CD化は6作目、番外編を入れれば7作、最初のリリースから既に5年の月日が流れているが、ここまで聴き進めてこられて本当によかったと思う。丁寧に、丁寧に作ってあることが、すごく、すごく、嬉しい。
シリーズ中、ここまで徹底的にシリアスだったことはおそらくないだろう。これまでも、彼らの心の成長、中でも真弓の自立というのはひとつの大きなテーマだったと思うが、そこにはいつでも立ち返れる家があって、見守ってくれている家族がいて、常にゆるぎないベースがあった。泣くのも怒るのも、悩むのも傷つくのも、間違ったり躓いたりすることさえ、その礎があればこそだった彼ら。純粋ゆえに愚かで、未熟ゆえに懸命な少年たちを、一方では諭し、一方では黙って見守り、一方では己の愚かさをさらけ出しながら取り巻いていく周囲の人間たち。しかし、それぞれが抱える様々な問題を、今までならば家の中で解決してきた子供たちが、傷つきながらも今回は家の外で、すれ違いまたは関わり合う他人の中で、何より自分たちの力で、それを乗り越えていく。そこにいつもの大団円はなく、ほのぼのとした日常もドタバタもなく、ただ、ただ、子供たちの長い夜と、本当の自立があった。
もうね、とにかく子供たちに対する周囲の人たちの距離感というかスタンスが絶妙なのね。中でもしびれたのは花屋と魚屋。特に今回の魚達はスゴイ。自分が生まれたときから持っているもの、勇太は持っていないのか、と問う真弓に、勇太は持ち慣れていないだけ、落っことしたりもするんだ、と答える魚達のセリフにはほんと、まんまと涙腺を壊されてしまう。惚れます。
しかし、しつこいほどに繰り返すようだが、すべてはここまでに育て上げたキャラクターと、それを完璧なまでに演じ上げているキャストの、決して一朝一夕ではない積み重ねがあってのことなのだ。帯刀家の、更には竜頭町三丁目の空気や匂い、温度までも手にとるように体感できてしまうのも、作品に対する愛情の賜物ではないだろうか。既にBLのクオリティーを超えてしまったであろう、どこまでも誠実で真摯な作品作りとその姿勢には素直に賞賛を送りたい。こういう作品を薦められること自体、レビュアー冥利に尽きるというものだ。
ブックレットの作者コメントではないが、私も自信を持って言ってみたい。是非、聴いてください、と。





おおいぬ荘の人々
菅野彰&月夜野亮
新書館
★★★☆
福山潤 かわのをとや 宮田幸季 井上和彦 岸尾大輔 中井和哉 寺杣昌紀
ストーリーの発端は、レトリバー似の雑種犬・チカラ君をめぐる諍い。しかし、その実はもっと人間の心の奥の奥、その核心を突くひどくシリアスな内情を秘めている。この作品、そんなものすごくメンタル色の強い話であるにもかかわらず、シチュエーションがいちいち日常的。しかし、そのとても生活感あふれる背景があるからこそ、ややもすればシリアスになりすぎるであろうメインカップルの恋愛事情を、軽快なセリフとテンポで、小気味よくラストまで引っ張って行ってくれる。
とにかく、こういった日常的な会話のやり取りは作者の十八番とも言ったところで、やはりキャラ設定とその立ち位置、更にその立ち位置から身勝手に放られるセリフは、どれもが決して相手の手元に届くそれではなく、一見暴投も暴投、時にあさっての方向へ飛んでいくように見えて、なのに気付くと彼らはしっかりと胸元で捕球しており、その守備範囲の広さが何とも可笑しく、そして微笑ましい。その形容しがたい温度の心地よさは、これまでにも「毎日晴天」シリーズで「これでもか」というほど味わわせてもらっており、当然比較してしまうわけなのだが、家族ならではの絆、または長く続いているシリーズの中で培ってきたキャラへの愛着、といった要素を欠くハンデをものともしないのは、なんといってもそれを補っても余りある、アキ(宮田)の存在だろう。そのアキ、これが何とも快活でパワフル、言うこともやることもどこか間が抜けているにもかかわらず、なぜか逆らえない妙な正しさがあり、その身勝手な正論に誰もが勝てない。今回も自分でばらまいた種、自らが発端のトラブルに、周囲の人間を否応なく巻き込みながら、結果的には自らが刈り取るカタチで強引に収拾させていく。けれど、ハッピーエンドを望んで止まないその純粋なトラブルメーカーと、そのために四苦八苦する「おおいぬ荘」の住人たち(全員ホモ)がまた、甚だ魅力的なわけだ。確かに、裕幸(岸尾)が「晴天」シリーズの明信とどっかぶりな感はあるにせよ、そのキャラクターたちを寄せ集めた際の巧みなバランスはやはり秀逸、メインはあくまでも柏原(かわの)×ユキ(福山)なのだけれど、主役、という意味では間違いなくアキ、更にはそれを取り巻く「おおいぬ荘」の住人たちの方だろう。
キャストだが、ヘリちゃんのクルクルとその表情を変えるお茶目っぷりな演技も素晴らしいが、穏やかな物腰と物言いが魅力的なアシュレイの和彦さん、物静かな美人声に徹した裕幸のダイサク、ぼやきがいちいち尤もで可笑しい征雄の中井氏、そして「SAMURAI7」のカンベエなどとはあまりに違うはっちゃけっぷりを聴かせてくれた寺杣氏など、そのキャスティングがまた絶妙なわけだ。
そして、一手にシリアス部分を背負っているメインカップルだが、これも決して悪くない。多少行き過ぎにも見えるユキの行動の裏にある柏原への思いと、柏原の無骨で不器用な一方、ナイーブで一途なユキへの思い、そのひたむきさは、きっとリスナーをある種のせつなさへ導いてくれるだろう。
BLにエロがなければダメ、という一貫したポリシーをもっている方ならともかく、そうでないのであれば、この菅野ワールドに一度触れてみたらよいと思う。特に、「毎日晴天」シリーズなど、シリーズモノに手を出すのはちょっと・・と考えるのであれば、これを聴いてからでもいいだろう。昨今の、心理描写などを無視したBLCDの中にあって、必ずその温度が伝わってくる作品が、稀にでもあることを知っていただければ幸いだ。


新書館CD●ドラマCD おおいぬ荘の人々●