| 獣 〜ケダモノ〜 |
| 綺月陣 |
| マガジン・マガジン |
| ★☆ |
| 乃村健次×松本吉朗 飛田展男(×松本吉朗) 春田飛雄馬 中山大助 奥数馬 田中完 水木竜司 森和也 |
| 良くも悪くもシリアスなヤクザもの。初っ端に主題歌が入っていたり、ナレーションがあったりという、ひどく古臭いスタイル。わざとなのかそうでないのか、まるで90年代のはじめ頃に作られたような作品。今のBLCDに慣れた人間には、もしかしたら新鮮に映るか・・いや、多分それは無理だろう。ボーイズラブというよりはVシネチックなノリで、BLにファンタジーを求める乙女の趣味ではないはずだ。SMやスカトロっぽい表現からフィストファックまで、その妙に生々しいSEに吐き気がする。ハードな世界観を醸し出したかった思惑はわからないでもないが、成功しているかと言えば決してそうでもなく、セリフの一つ一つも、ヤクザ映画で散々使い古された耳障りの悪さで、とても退屈した。ストーリー的にも一切のオチがなく、何を伝えたかったのか、非常に理解に苦しむ。ていうか、CDを聴く限り耽美ですらないこの作品をどう捉えていいのか、何を狙ったリリースだったのか、マガマガさんの意図が全く読めない。まさかシリーズ化するつもりもなかったとは思うが、一部キャストのその下手さ加減にも、制作サイドの力の抜きようが窺える一方、主題歌を収録するなどという妙な方向への力の入れようが、見事に空回りしているそのアンバランスさに、嘗てないほど疑問符が激しく飛び交う。九堂(乃村)が言うほどの魅力とカリスマ性を廉(松本)が具えていたとして、しかし、これっぽっちもその情報が音として伝わってこなかったことが哀しくも悔やまれる。原作未読のため紙媒体ではどうかわからないが、CDというメディアではおそらく失敗だろう。原作ファンが、ファンディスクとして購入する以外、特別オススメする理由は、私には見つけられない。 |