課長の恋
九州男児
マリンエンタテイメント
★★★☆
野島健児×置鮎龍太郎? 小西克幸 渋谷茂 神谷浩史 伊東みやこ
平川大輔 松本大 一田梨江 大畑伸太郎 高口公介 樫井笙人
ギャグ漫画のCD化。出生33年目にして己の性癖(つまりホモ)を自覚した、課長・大宝和彦(置鮎)の<非日常的な日常>を描いた作品。一応?リーマンもの。
こんなカタチでノジケンの攻めを聴こうとは・・・・いや、初めてじゃないけどさ。
原作を先に読むべきかどうか、もの凄く悩んだ挙句、とりあえず未読のまま聴いてみた。が、レビューったって、一体何を書けというのだ・・!?
まあなんというか、ギャグなわけだから<笑わせること>を一番の目的としているはずであり、だとすればその目的は間違いなく果たされていると思う。当然、キャストトークにもあるように、ギャグ漫画を音にするのは至難の業で、微妙に伝わらない部分は少なくないだろうし、原作先読みのもどかしさは想像に難くない。が、あえて未読の立場で感想を書くならば、私は充分に楽しめる作品だったと思う。
とにかくね、ボケが野放しなんですよ。一方がボケても一方が突っ込まないの。ていうか、ボケ×ボケなのね。非合理で現実を超えた様がしっかりと笑いに直結し、そのテンポと間(ま)も絶妙。ギャグを音にする場合、間の呼吸というのは絶対にはずしてはならない要素だと思うのだけれど、さすがに芸達者なキャストだけあって非常に見事。特に、白々しくもふてぶてしい天然さを炸裂させる課長が、むしろありえない爽やかさを帯びたナチュラルなトーンのオッキーであり、そのあまりに自然な変態っぷりがたまらない。そしてその彼と不自然なままに自然な対話ができる原田(野島)や、男前な声のオカマのママ(小西)、可愛いぬいぐるみの皮をかぶった?お茶目なセクサロイドのチャッピー(伊東)、そのセクサロイドすら師事を請うゲイの中のゲイ・熊谷(神谷)などなど、怪しくも魅力的なキャラとキャストが笑いをサポートしていく。個人的には隼人=大畑伸太郎と書かれたブックレットに目を疑った。あんな声も出すのね・・私のイメージでは九州男児こそ大畑くんなのだけれど。ちなみに、痴漢プレイのときに飛んでくる車掌さんも彼だと思います。(笑)
さらに、ナレーションを樫井さんが務めているのもすっごく嬉しかったりしたわけだが、彼ならば、もっと感情も抑揚もない声オンリーの方が良かったかな〜。
BLCDというよりはホモホモしいシュールリアリズムを極めたエンタテイメント。あくまでもギャグなので、もちろんストーリー性や色っぽさなど皆無だが、ある意味とてもドラマティックで、何より<楽しむこと>を前提にした作品としては確実に良作。原作と並行すれば更に楽しめるかもしれないけれど、未読でも充分満足できると思います。


マリンエンターテイメントCD課長の恋



神様の腕の中
ねこ田米蔵
ビブロス
★★★
(野島健児×)石川英郎×山口勝平 野島健児×森川智之 鈴木正和 神谷浩史
望月健一 江川大輔 吉野裕行
男子ばかりの修道学校、という、とても閉鎖的な空間を舞台にしたドラマなので、時代背景が今ひとつわからない。貴族と従者という関係が成立していることを考えれば今よりも過去なのだとは思うけれど、アイテムとして電話が普通に使われていることを考えると、もの凄く昔、というわけでもないようだ。<聖痕>などというモチーフがドラマの前提にあるので、ファンタジー色の濃い話なのかと思ったが、それを除けば実にリアルな心理描写をドラマ化した作品で、とても好感が持てた。
ストーリーは、その身体に<聖痕>を持つ少年・シオ(山口)と貴族の道楽息子・エミリオ(野島)、その従者である黄(石川)、そしてその心を神に捧げたはずの神父という4人の登場人物からなる2組のカップルの恋愛事情なのだが、それぞれのキャラを生かした上手い構成で、いい感じで惹き込まれた。
まず、とにかくシオが可愛い〜 心無い周囲の人間と様々な思惑の渦中で、一人孤独感に苛まれていた自分を唯一その暗闇から救ってくれる存在・黄と出会い、彼に懐いていくシオと、それを初めは鬱陶しく思いながらも、いつのまにか愛しく思っている自分に気付く黄。互いに惹かれていく過程の描き方が多少弱い気はするが、ドラマティックな展開を絡め、よくまとまっていたと思う。
もう一方のカップル、エミリオと神父にしても、サイドストーリー的な別カップル話を劇中に上手く練りこみながら、不自然さを感じさせない巧みさで最後まで引っ張っていく。
あと、個人的にはシュトラウスのキャラが非常にツボで。堅物でいて、それでも病床からシオの境遇を案じている優しさが印象的だった。
さて、私的には何よりこのキャスティングだったわけだが。この面子で、ヒエラルキーの頂点にノジケンがいるという意外性もさることながら、今回は神父を演じたモリモリ!もう、これに尽きたね。その動揺と葛藤は普遍的な神父像をかなり誇張デフォルメした印象ではあるけれど、それすら萌えだったからもうどうでもいいです。過去にも森川氏のメソメソ受けはあったけれど、聖職者というストイックさが萌えを煽るのか、とにかくメチャメチャ色っぽかった。やられた。で、その神父を攻める貴族のボンボンに野島弟。どうしようもない遊び人で、一見喰えないクソガキなのだけれど、聴き進むうちに意外にも等身大の少年が見えてくる。普段の意地悪っぽい声が一変、いきなり可愛くてこちらの方がおどおどしてしまいます。
そしてメインであるシオと黄のカップル。シオの勝平ちゃんは前述の通りひたすら可愛いし、石川氏はちょっと無骨で、でも自然体で優しい黄を、中間的なトーンで好演。絡みもソフトな感じだったので、基本的に勝平ちゃん受けの苦手な私も、それほど抵抗なく聴くことができた。
取り立てて凄く面白かった、というわけでもないが、しっとりとした良いドラマだと思う。<男子寮>と名の付くシチュエーションで、あまりバカっぽくない作品というのは、案外貴重かもしれませんね。




可愛いひと
紺野けい子
ムービック
★★★
神谷浩史×鈴村健一 飛田展男 高橋広樹
コミックスのCD化、原作既読。う〜ん・・・・・散々迷ったが、結局こんな評価をつけてみた。原作先読みだと評価が辛い、というのは、ここまで来るともう、私の感想の特長みたいなものだと思うが、今回はそれともちょっと違うような。いや、違わないかな?とにかく自分でもよくわかりません、すみません。
篠田は文句なしに可愛いの、それはわかるの。でも、池内だってもっと可愛いはず・・・だったのに・・・あれ?・・・・・あんまり可愛くない。ていうか、私にはそれに尽きました。神谷くんの声はとても好きだし、色気もあると思う。魅力的な役者さんだなあ、とも思う。もしかしたら、以前聴いた「セルロイドパラダイス」の印象が未だに鮮明で、個人的にすごく期待してしまっていたこともあるのかもしれない。
確かに、篠田に比べたら抑揚のない、クールなキャラだとは思う。でもなんだろう、テンポの速さに加え、池内の台詞のニュアンスやテンションが違いすぎて、終始淡々としてしまった、というか。高校生の等身大、要は、切羽詰った支離滅裂感が「可愛いひと」と変換されるのであって、残念ながら私が抱いていた池内のイメージとは大きく違ってしまった。ごめんよ、キャプテン。(←パクロミ声で)
それと、ほのぼのするべきところの余韻が残らず、ストーリーの展開のみ重視された印象。あそこまでエピソードをカットするなら、もう少し余裕のある作り方でもよかったのではないだろうか。もしくは、続編アリでもいいので、もっと忠実に作って欲しかったかも。というのも、省かれたエピソードの方が、返って私の印象に深いからかもしれない。一枚に詰め込んだ割りに、おいしいとこ取り、という感じではなかった。
しかし、だ。鈴村くんの篠田、彼がなんとも可愛いったらない。BLでは、私的に違和感を抱くことの少なくない鈴村くんなのだが、今回は文句なし、まさに、という感じだった。何より、飛田氏のシンが、めちゃビンゴ。キャスティングが発表された際、イメージが違ーう、などとほざいてごめんなさい、私がバカでした。
そして、ストーリー的には、不器用でいちいち可愛く、ヤりたい盛りな高校生の、ほのぼのとしたいい作品。変な先入観を持たずに聴くなら申し分なく楽しめるだろう。この評価は、ともすると辛過ぎかも知れない、とだけは言っておく。


ムービック(BE×BOYCDコレクション)☆可愛いひと☆