金のひまわり
遠野春日
リーフ出版
★★★
小杉十郎太・花田光×櫻井孝宏
泉樹(櫻井)のもとに突然届けられた姫ひまわりの花束をきっかけに、恋人・朝比奈(花田)との関係がぎこちなくなっていく。そして、ずっと意識し続けていた同期の弁護士・白石(小杉)と再会する。
法曹界を舞台にした三角関係もの。私的にはあまり進んで買わないレーベルなのだが(笑)発売元のホームページを見て、すごく気になっていたので発売と同時に即購入。が、櫻井くんが32歳で小杉氏や花田さんと同期!?という辺りも極力ニュートラルに聴いてみたけれど、やはりちょっと無理があった印象。
背景が背景なので固いことは固いのだが、それほど難しいわけではなく、ストーリーはすんなりと理解できるものだった。しかも流れがいい。会話とモノローグのバランスが絶妙だし、テンポも悪くない。
しかし、キャラの魅力、という点で、どうしても今ひとつ。確かに白石の純愛といえば純愛なのだけれど、不器用な人なのか、執着はそれなりに感じてもそれは=でラブではない。
それに朝比奈。7年も付き合ってきた恋人同士というのに、なんか、拍子抜けするほどあっさりと身を引いてしまい、というか、むしろ、そう仕向けているようなふしもあり、疑問。恋人の気持ちを確かめるつもりが、墓穴、ということなのだろうか。よく言えば懐が深く、優しい、ということなのだろうけれど。
泉樹だけが、世間知らずで優しくて、おっとりしているようで芯が強く、色気もある・・・と、すごくいいキャラなようでいて、なのにどうしてだろう、作品中からはその魅力があまり感じられなかった。多分、愛情よりセックス、そう思わせる部分が強いからだろう。ただ、そういう部分さえも彼はちゃんと自覚しており、思うより大人だとは感じた。
それにしても櫻井くん・・・あまりに艶めかしく・・・ため息が出ます。


リーフ出版CD☆金のひまわり☆



ひそやかな情熱
遠野春日
ムービック
★★★★
小西克幸×置鮎龍太郎 小杉十郎太 遊佐浩二
ヤクザの親分に囲われていた身の佳人(置鮎)。親分の逆鱗に触れ、捨てられそうなところを、その場に居合わせた黒澤(小西)が身受けする。
久しぶりに、大人チックでいいドラマを聴いた気がする。アダルトな作品では、シリアスなだけで面白みの無いものが多い中、最初から最後までしっかりと引っ張ってくれる、貴重な作品だと言えるだろう。
小西くんといえば「DEAR BOYS」の土橋くらいしか思い浮かばなかったのだけれど、あまりにキャラが違い、びっくり。役が実年齢より上、っていうのがミソだよね。さすがにそういう役、はっきり言って年齢の高い役?が多いだけあって、落ち着き方が尋常じゃなく、余裕すら感じられた。抑えた演技の中でも感情の抑揚が感じられ、上手い、と思った。花見のシーンで聴かせてくれたあの息遣いは、本気でヤバイと思った。やるな、おやじ。「はめてやるっ!」はキャストがネックで未聴なのだが、聴く価値有りかな、と思ってみたり。
そして置鮎氏。フジミ以外は個人的に攻めキャラ派なのだが、いや、本音を言えば脇キャラ派なのだが、今回はこの受けっぷりによろめいたな〜。とにかく、攻めでも受けでも文句なし、という感じだ。今までに何度も何度も使ったフレーズを敢えて使うが、やはり私は、オッキーのモノローグが、めちゃくちゃ好きなのだと思う。容赦なく惹き込まれてしまうこの魅力はなんなのだろう。
脇の面々も、とても安定感のある配役ですばらしいし、特に遊佐さんには、あれだけで終わってほしくないわけであり。ぜひ、次回作も聴いてみたい。


ムービック(ドラマティックCDコレクション)☆ひそやかな情熱☆

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情熱のゆくえ
遠野春日
ムービック
★★★
小西克幸×置鮎龍太郎 小杉十郎太×野島裕史 保村真
逆恨みから、遥(小西)が拉致されてしまったことを知った佳人(置鮎)が、それを救出に向かう、という、事件もの。私的には、二作目でテンションが下がる、典型的なパターンだ。
桜や花火といった、情緒的な表現なども、特徴的だった前作。ゆえに、事件絡みのドラマティックさで関係を進展させることが、どうしても手抜きに思えてならない。いや、手抜きは言いすぎだとしても、非日常的な中で関係を深めてしまうことがあまりに安易に思えてしまう、と言うべきか。行き違いやためらいは、二人の極日常の中にあってこそ、その進展に身をよじるのではないか、これは私の勝手な希望だろうか。
事件としても、拉致る側のあまりの中途半端さに、なんとなくしらけてしまうし、それ以上にあの危機感のなさはどうよ?無人島で火なんか焚いちゃった日には、ここですよ〜、てなもんじゃないの?え、そこじゃない・・ああ、いつ敵が現れるかもしれないのにヤっちゃうとこね、そうでしょ?聴いてるこっちが、違う意味でハラハラしちゃうよね。
とにかく、だ。前作で、あれだけ「絶対に好きと言わない」と決めていた佳人が、あんなにもあっさりと?陥落してしまい、残念。
あと、別カップルの話だが。どちらのキャラにも思い入れがないので、正直蛇足でした。これだけの情報で楽しめと言うならば、執行をもっと魅力的に描くべき。原作先読みなら別かもしれないが、キャストのファンでもない限り余計、もしくは、如何せん短すぎ。
面白くなかった、とまでは言わないし、キャストの良さも変わらないのだが、小西くんの「あのヤバイ息遣い」も身悶えるまではいかず、オッキーのモノローグすら、作品的に響くものはなかった。BGMも、まるで初期のムービックさんのようなへんてこりんなもので、やはり前作に比べてしまうと、どうしても秀作とは言い難い。期待されていた作品なだけに、評価は少し辛めに付けておく。


ムービック(ドラマティックCDコレクション)☆情熱のゆくえ ひそやかな情熱2☆



じれったい口唇
遠野春日
インターコミュニケーションズ
★★★☆
子安武人×野島健児 平川大輔
いや、話自体はね、ものすごーくシンプルな、もっと言えば、結構ありきたりなすれ違いラブなのだけれど、なんだろう、やっぱり私って、基本的にモノローグスキーなんだね、うん。と、自分自身で納得してしまうほど、萩@野島弟のモノローグがいイイ!相手の気持ちを量りかねて思い悩むせつなさが、これでもか、というほどに伝わってきたし、そのモノローグ自体も、卑屈になり過ぎない程々さがまた、非常に共感できるものだったと思う。いつも言っていることなのだが、こういうシンプルなストーリーを描くににあたっては、やはりモノローグの優劣がそのまま作品の優劣に繋がることが多いということだ。そういった意味でまず、私的には及第点をあげてしまおう、な感じで。
しかし、私の心を虜にしたのは、なんといっても攻めキャラの沢渡@子安で。も〜、この男、どこまでも天然でおバカな可愛い男。性格も口調も俺様なくせに、やることなすこと、全部が子供。ニセの恋人まで用意するあたりなど、あまりに解り易すぎるその浅はかさに、むしろせつなくなったほど。自分勝手で強引で横暴で、でも不器用で、いや、こういうキャラは正直、これまでにも飽きるほど子安声で聴いてきたわけなのだけれど、なんかもう、格段に可愛いキャラなんだよね。自分で事態をややこしくさせておいて、自分の真意に気付かない、と相手に腹を立てる沢渡、萌え〜 最後の沢渡の告白からはもう、私的には爆笑の嵐で、その言葉、そっくりお前に返す、と受けが突っ込まないのが不思議なほどに、自分のことを棚上げした沢渡の可愛いこと可愛いこと。ほんと、アホだなー、コイツ・・・・と思いつつも、なんともたまらないわけで。
一方、受けキャラの萩なわけだが、真面目で結構考え込んでしまうタイプの男、おまけに意地っ張り。まあ、特別魅力的、というほどでもないのだけれど、これはもう、キャラがどうの、というよりは、バランスがいいのだろうと思う。こういった俺様攻めの場合、主従関係チックになるか、受けが妙にお姫様チックに、ただただ守られる存在になっちゃうことがあるのだけれど、そうなってくると途端に萎えてしまう。ゆえに、攻めが受けをどう思っているにせよ、受けが対等である自分を見失わない、そういうバランスが最後までリスナーを引っ張っていってくれるのではないだろうか。
あと、キャストだが、やはりノジケンの受けは上手いっ、と思う。これは「ねじれた・・」でも感じたことだが、息遣いがとてもリアルで、しかもあまり高音にならないのがいい。で、今回は子安氏の方も、とても気持ちよさそうで(笑)久しぶりに子宮に来た。最後の「うるさい口だな」と「もういい加減堕ちて来い」に、完全に堕ちました〜


インターコミュニケーションCD☆じれったい口唇☆



秘めた恋情を貴方に
遠野春日
インターコミュニケーションズ
★★☆
子安武人×武内健 諏訪部順一 野島浩史
臆病であるがゆえか、お互いの気持ちを確かめられないままに17年もの月日が経ってしまった幼馴染の恒(武内)と矩篤(子安)だったが、ちょっとした?横槍が入ったことをきっかけに二人の仲が急激に進展していく、というオハナシ。
外交官と能楽師という、一見、単に奇をてらっただけの設定に思えたが、恒が然る国の皇太子を接遇することになり、外国からの賓客と日本の伝統芸能、なるほど、上手いな〜、と思った。が、感心したのはそこまでで、あとは特別魅力的といえるエピソードもオチもなく、終始淡々としていてあまり面白くなかった。シンプルなストーリーに<これでもか>というモノローグは、良くも悪くも遠野さんぽいとは思うけれど、そのどれもがあまり心揺さぶられるものでなく、そうなってくるとその長いモノローグが返ってつまらなく思えてくる。そして、そのつまらなさの原因はなんといってもキャラの弱さ。カップルの二人ともが多少の臆病さを抱えた、どちらかというと優等生キャラで。別に、そのどちらかが歪んでいたらいい、というわけではないけれど、双方ともがあまりに生真面目でお上品で、なんだかちょっと鼻につくんだよね。特に矩篤だが、どれほど眉目秀麗で、どれほどその舞が美しかろうが、それだけでは魅力的たり得ない。最後にちょっとだけ大人の<ずるさ>みたいなものが垣間見えるのだけれど、それもあまり追い風にはならない感じの微風。せめてもう少し<熱さ>が感じられたらな〜。惜しいです。
で、キャストだが。珍しく子安氏が人格者です。(笑)声は理性的な感じの二枚目声なのだけれど、キャラに面白みがないので少し残念。武内くんもいいとこのお坊ちゃま、という感じではっちゃけたところがないのだけれど、決してクールビューティーという感じではなく、やっぱり今ひとつ。このカップリングは「有栖川家の花嫁」で聴いているが、あのバランスは妙によかったんだけどな〜。Hシーンは1回だけで、それもずいぶんとあっさり目。
唯一、当て馬のラウルがチャーミングなキューピッド、という感じでナイスなキャラなのだけれど、でもそれも<他に比べれば>程度。しかも、やってることはただのセクハラなので、諏訪部さんじゃなかったらここまでチャーミングじゃなかったかも。嫌味なくさらっと可愛く思えるのは諏訪部さんだからだろうな。秋保の野島兄だが、<いい声>の役なので、ていうか、恒と矩篤に「いい声ですね」と言われるシーンがあるだけに(笑)終始落ち着いた美声です。キャラはそこそこいいキャラだったので、もっとストーリーに絡んでもよかったのにな〜。
作品としては、どこがどう悪い、というわけではないけれど、決して良くもない、そんな印象。