豪華客船で恋は始まる
水上ルイ
ビブロス
★★★
子安武人×櫻井孝宏 石森達幸 若本規夫 中村秀利 高田べん
ストーリー自体はなんともバカっぽいお話。融資(借金)のカタにゲイの大富豪へ買われた高校生(もうここで既にありえない)が、その富豪の下へ豪華客船で向かうその船内で文字通り恋が始まっちゃうわけで、カップリングはその豪華客船の船長・エンツォ(子安)と高校生の湊(櫻井)。まあ、結論から言ってしまえば、受けがこういったシンデレラチックな話はダメなんだよね、好みじゃないというか。
更に「俺の初めて・・にもらってほしい」とか「一生の想い出にするよ」とか「捧げた純潔を守る」とか、半世紀前の処女喪失時かと思うようなセリフのクサさ加減がなんとも気色悪い。健気さをアピールするのに、ほかに手立てはなかったのか。しかもこのオチはあまりに酷すぎるというもの。ていうか両家のお父さんたち、頭の方はダイジョブデスカー?
ただ、この受け君、どうやらラッキーなだけのシンデレラではないっぽいんだよね、ニュアンス的には。この<ニュアンス的に>というのは、「それはなんとなくわかるんだけど今ひとつ伝わってこないから」で。人を魅了する外見と、おそらくとても純粋で真っ直ぐな性格を持ち合わせているのだと思うし、だからこそエンツォも惹かれていったのだろうけれど、如何せんやんちゃくさい印象が強すぎて無垢なキャラが立っておらず、とてももったいない印象。攻めキャラも同様で、桃缶の件りなどは可愛さも垣間見せるが、男前なだけでさほど面白みはなく、魅力には大いに欠ける。
しかし、これが全体を通すと、それほど悪い印象がないから不思議。バカっぽさの中にもちゃんとしたプロセスを踏んだラブがあり、それ自体は非常に大雑把ではあるのだが、とてもわかり易いエピソードと心理描写で、さくさくと飽きずに聴き進められるからだろうか。そして、なんと言ってもエロシーン。やんちゃ小僧はいきなりフェロモン出しやがるし、エンツォも男前路線を突っ走っているような声で、ソフトな意地悪さがM心をそそります。
そしてキャスト。櫻井くんは、どちらかというとやんちゃキャラよりクールビューティーな受けの方が好みだけれど、色っぽかったのでもうどうでもいいです。で、子安氏は、今回もすげーがんばっちゃっている二枚目声というか、とにかくいい声出しまくり。ただ、長い英語のセリフがあるのだけれど、上手いとか下手だとか言う前に、聴いている方がいつもこっ恥ずかしい気持ちになってしまうのは何故?ていうか、子安氏の英語って、常にアゴを突き出して喋っているような印象があるのだが、私だけだろうか。
まあ、全部がそこそこ、といった感じだが、ボーイズラブの王道っぽい作品で安心して聴けるとは思います。




豪華客船で恋は始まる 2
水上ルイ
ビブロス
★★★☆
子安武人×櫻井孝宏 石森達幸 若本規夫 千葉進歩 飯塚昭三
喜多川拓郎
既成カップルのその後を描いた作品の場合、よほど面白くない限り評価が下がるのが常だったりするのだが、そういった意味ではこの作品は特殊と言えるかもしれない。いや、面白かったんですよ、予想外に。しかも萌えだったんですよ、想定外に。1作目がちょっとバカっぽい内容だったし、キャラ的にも大きな魅力を感じていなかったので、それほど期待していなかったのだが思いのほか楽しめた。ていうか今回、キャラが化けました。それも、かなりいい感じに。
まず、子安氏がここまで正統派な二枚目を演るのは非常に珍しいことで。子安氏出演のBLCDを数えれば、ざっと100枚は聴いていると思うけれど、そのほとんどが歪んだカリスマやサディスティックなエゴイストだったりで、こういった男前キャラに出会えることは本当に少ない。シージャックという海の上ならではの事件に見舞われるわけだけれど、今回はたった一人でそれを解決してしまうスーパーマンを演じている。まさにプリンセスを命がけで救い出しにいく王子様、という感じ。その解決方法がかなり曖昧に誤魔化されている気はするけれど、もう、めちゃめちゃカッコよかったので許します。くどいようだが、子安氏の正統派な二枚目は稀少・・いや、貴重と言ってもいいと思うので、あまり耳に馴染みがない方は、この機会に一度試したらいいと思う。かなりイイです。
そして、なんといっても湊の魅力がずいぶん明確になったことが大きいだろう。ちょっと生意気でやんちゃな印象が強かった前回に比べると、彼の本来の優しさや強さや純粋さが非常に解り易いカタチで顕わになっている。ただ、如何せんモノローグを含め考えていることが幼稚っぽいというか、つまらない妄想に一喜一憂するのはちょっとウザイ。まあ、それもボーイズラブっぽいといえばボーイズラブっぽいわけだけれど。
で、やられたのがダンスシーンのダミーヘッド。いや、ダミーヘッドかどうかはわからないけれど、ヘッドフォン越しに右へ左へ子安氏の声が行ったり来たりするのは・・・・ほんと、たまりませんでした。そして停電後に演説?するエンツォがまためちゃくちゃカッコいいの〜〜〜
それ以降は前述のように、かなり強引であやふやな一件落着なわけだが、ていうか、クルーを含む乗客全員を野放しなんて、そんな甘いテロリストとかありえないから。でも、千葉くんのテロリストっぷりは好演でした。
そしてエロシーン。今回は本当にヤバイです、特に子安氏が。いや、いつもヤバイけど、普段が口頭注意なら今回は警告1、って感じ。
笑ったのは前回の鯨に続き今回のオーロラ。なんというミラクル、なんというボーイズラブ・イリュージョン。この上なくスペシャルでラッキー君な湊のありえなさがスゴイ。
ただ、見え透いた当て馬やすれ違いをネタにするよりも、こういった明確でわかり易いストーリー展開はむしろ新鮮とも言え、とにかく既存カップルの続編を描いた作品としては成功と言っていいと思う。些細な苦悩とつまらない心理描写をダラダラと聴かされるよりは、大胆で大雑把な娯楽劇に胸を弾ませたらよい。要は楽しめるか楽しめないか、なのだと思う。




豪華客船で恋は始まる 3
水上ルイ
ビブロス
★★★☆
子安武人×櫻井孝宏 檜山修之 岸尾大輔 内田直哉 石森達幸
小林由美子 望月久代
これはドッルィ〜ム(ドリーム)なのですよ、ドッルィ〜ム。(若本風・巻き舌で)
ありえなさでは既に前作・前々作を凌ぐ勢いでありえないわけだが、エンツォのカッコよさも前作・前々作を凌ぐのでもうどうでもいいです。エンツォーーーーーゥゥゥ いや、子安氏的にはね、タイトルコールからヤバかったです。「豪華客船で恋は始まる3」の「3(three)」がもう既にヤバイです。なんでそんな声なんだよ・・・・
テロリスト&シージャックのお次はなんと海賊ネタ。そして人質になるのはやっぱり湊。そして当然救助に向かうエンツォなわけだが、嵐の中を海賊船に単身でとかありえないから。ていうか、簡単に乗り込ませちゃう海賊船のセキュリティとか絶対にありえない。ああ、ありえないけどでももっとありえないのがエンツォのカッコよさで。もの凄くドリーム炸裂しているけど、ストーリー的にはどこまでもバカっぽいと思うけれど、それでも展開のテンポのよさと軽快なセリフ運び、そしてだんだんと顕わになってきたキャラの魅力で、すべてを相殺できてしまう。前作・前々作に引き続き、男に対して貞操だの純潔だのという言葉を使う気色の悪さや、誰からも姫君扱いされていることの当たり前さなど、そういう違和感にイラっとする部分もなくはないが、それを棚上げしてもいいかな、と思える面白さがこの作品にはあるのだと思う。
そしてこの作品のもうひとつの聴き所がやはりエロシーンで。もうね、累積しちゃっていることを知ってか知らずか(知るわけありません)反則しまくりなわけですよ。退場だ、退場!その切羽詰った声、禁止!!
ただ、オチが酷いのは相変わらずで、営利誘拐しておきながらその膝元で働きたいなどというジブラルの虫のよさにも呆れるが、それを許す比類無きお人好しカップルにも開いた口が塞がらないわけだが、これはもう別カップルのための慈善(not事前)イベントとして甘んじて受けよう・・・・
とにかく、どこまでもドリームと割り切ってしまえば、こんなに甘々でラブラブなカップルもいないだろう。前作の言葉を繰り返すようだが、既存カップルの雨降って地固まる的なエピソードにお腹いっぱいなこのご時世で、ここまで楽しめるエンタテイメントを提供できる続編作品は少ないと思う。聴き終えた後の満足感で言うならば、私は素直に面白かった、と言いたい。




豪華客船で恋は始まる 4
水上ルイ
リブレ出版
★★
子安武人×櫻井孝宏 岸尾大輔 宮田幸季 中村大樹 檜山修之
若本規夫 一条和矢 小林和矢 長門三照 河野裕 藤堂まり 他
なんだろーなー・・・・いくらドリームでも、ここまでバカっぽいと、もう弁護のしようがないというか。善と悪が明確なストーリーが得意なのか、とにかく悪者を倒すヒーロー・エンツォ、というのがひとつのお約束になっているのだろうけれど、あまりにご都合主義的なラストにはこれっぽっちの感慨も余韻もない。そうなってくると、当然エロの方もなんだかやっつけっぽくなってきてしまうというか、<とりあえず>という解釈なんだよね。船上という限られた空間ではもうネタ切れなのか、エピソードの方も前作までと比べるとかなり地味になっていて、いくら新キャラを登場させたところで埋まらないものは埋まらない。ストーリーもキャラも特別魅力的ではない中で、大雑把だけど大胆なエピソードを生かしたエンタテイメント性だけがこの作品のいいところだったのに、それすらなくなってしまい残念。
今回、悪役を背負って立ったゲストキャラのベリーニ@大樹さん。大樹さんはこの手のCDでは久しぶりな気がしたけれど、高圧的でヤーなヤツはやはり十八番、素敵でした。ただ、キャラの方は悪者としてはなんとも浅はか。すぐにバレる嘘をつき、自らの悪事を惜しげもなく暴露、更にその理由もただの逆恨み・・しかも最後のフォローも無しという、なんともお気の毒なキャラで。ていうか、一緒に逃げるために湊を拉致っておきながら、いや、拉致したからこそ暴露したにもかかわらず、何の根拠もなくすべてをギャンブルに賭けるとかありえない。そしてそのギャンブルだが、エンツォの手元に残ったチップは3枚。36倍の一枚賭けで108枚なわけだが、最後の賭けを前に相手の手元にあるチップが107枚とか、そんな計算尽くされた賭け方とかありえない。いや、仮にありえたとしても私が許さない。ドリームなのは嫌になるほどわかってはいるけれど、あまりのありえなさに笑ってしまう。
さて、新キャラと目されるホァンのヘリちゃんとリンの一条氏だが。ホァンはともかくリンの方は、今後に絡むならエピソードはまた広がりそうな気はするが事件性だけが高まっていくのもどうだろう。湊のラッキーのみに頼ってシリーズを進めていくには、それなにり危険が伴うと思うのだけれど。
最近めっきり聴かなくなったフリートークだが、面子が面子なので聴いてみた。大樹さんと一条氏、面白すぎ。ギャラドロボーと言われて軽くキレている一条氏に笑いました。
次回作が決まっているけれど、そろそろキビシくなってきたかなあ・・手を引くかどうか、ちょっと考え中です。