| HELLO!!DOCTOR |
| 朝月美姫 |
| ビクター・エンタテイメント |
| ★★★☆ |
| 岩永哲哉×小杉十郎太 子安武人 置鮎龍太郎 田中秀幸 |
| すっごく前に聴いて、今回、レビューのために改めて聴いたのだが、私は大きな勘違いをしていたらしい。なぜか、直を賢雄さんだと思い込んでおり、突然小杉氏の声が聴こえてきて、びっくりした。 まずはじめに。ぜひ原作を読んでから聴くべきだと思う。私らしくないことを言うようだが、今回だけはちょっと事情が違う。これは完全な書き下ろし作品なので、予備知識無しに聴くと、なんだこれ?になってしまう。しかし、ただのイメージアルバム的ダイジェスト版にしてしまうにはあまりにもったいない。なぜなら、圭介(置鮎)と卓(子安)、二人のせつなさは、その歴史でしか語れないからだ。せっかくの美しいシーンも感動が半減、それどころか、意味さえわからない。あの苦悩を知らなければ、直もただのいやな奴で終わってしまうし、龍二(田中)の台詞も重みを失くす。私は最初、原作を読まずに聴いたので、ずっと胸の痞えが取れないでいたのだが、原作を読み、改めて聴けば、ピアノの旋律さえ、全く違って聴こえてくるわけであり。 あくまでも主役は祐也(岩永)なのだけれど、私的には完全に圭介と卓であった。置鮎氏も非常にいいのだが、やはり卓の子安氏であろう。あまりに奔放で理不尽で我儘で悲しい告白は、囁きでありながらも心の叫びであった。 ここまでモノローグが少ないにもかかわらず、作品全体に流れる痛いくらいの物悲しさは、音楽のすばらしさに他ならない。音楽が、見事に独白の代わりをこなしていて、そういった意味でも、独特な作品だと言えよう。 |