このところの跡部人気により、非常に露出の高くなった諏訪部氏だが、BLでも出演作品が急激に増えているようだ。ただ、この作品を現在の段階でBLと括るにはかなり語弊があり、しかしあまりにヒットだったので、レビューは書いてみることにした。
ジャンルはSFに分類されるだろうか。とにかく、台詞のセンスには感動さえ覚える。キャラクターのひとりひとりが、それぞれ素晴らしいジョークの才能を持っており、しかも本人達はジョークではなく、本気で言っているらしいところがあまりに恐ろしい。会話であれモノローグであれ、テンポも間も言うこと無しの面白さで、爆笑ではないものの、思わず噴出してしまう。
そして、キャラクター!いくらSFとは言え、ここまで個性的なキャラにはなかなかお目にかかれないだろう。きわめて優秀でありながら、非常に問題も多く、辺境惑星に左遷されてきた銀河連邦宇宙軍大尉・ルシファード(諏訪部)。長く美しい黒髪を持ち、その外見からは考えられないようなピー音入りまくりの下品な暴言を吐く反面、すごく優しく、お茶目で可愛い男。もう、とにかく最初から最後まで、彼の魅力が炸裂。それを演じる諏訪部氏の男前なこと、色っぽいこと、本当にしびれます。
さらに、そんな彼を虜にしてしまうほど美しい、軍病院の外科主任、サラディン(三木)。彼もまた、その見かけからは想像もできないマッドでサイコで変態なドクターであり。あまりに妖しいそのドクターを演じる三木氏が、これまたひどく妖艶。この二人、絡みらしい絡みは現段階ではほとんどないのだけれど、会話が妙に色っぽい。年の差、なんと200歳のこのカップルは、一方ではひどく謎めいた背景を抱えている。
そして、脇キャラも言い尽くせないほどの個性でぶつかり合っており、その誰も彼もが魅力的なのだ。タフなライラをはじめ、カジャ、ワルターと、本当に楽しませてくれる。
更にもうひとつ付け加えるなら、SE、音楽のいずれもが見事。特に音楽は、さすがの高野氏であり、シーンごとの雰囲気作りに大いに貢献している。また、ジャケットの形状はともかく、表に描かれている藍川さとる改め古張乃莉さんのイラストが、なんとも言えず美しい。
ここまで手放しで褒めていいものかどうか、多少の懸念はあるけれど、とにかく丁寧に作られた作品であり、私のツボにはまった、ということを理解していただけたら幸いだ。
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