恭王府花園

清代・恭親王の親王府だそうです。
もともとは家臣の邸宅だったそうですが、いずれにしても豪勢です。
今は住居部分は公開されていなくて、花園のみ見られます。
花園と言ってもちんまりお花が咲いてるわけではなくて、
回廊とか東屋とかお魚のいる池とかがある庭園です。
清朝様式の建築物や装飾が山ほどあるし、
清代の人の庭園の作り方みたいのがわかって面白いです。

      

故宮なんかは結構日本人多いんですが、
ここは中国人の団体さんがやたらめったら集まっていて
添乗員さんの話を盗み聞きしてもさっぱりわかりませんでした。
てゆーか道を塞がないでくれれば別にいーんだけもどさ…。

 

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  花園入り口前の建物

多分王府の建物だと思うんですが、別に名前書いてなかったし入れないのでよくわかりません。ただ建物の造りはあきらかに清朝風ですな。和敬公主府のところでもそうでしたが、2階の窓枠の形が一つずつ全部違うようになっています。そういうのが流行だったのかな。
     
  花園正門の装飾

これは驚き。西洋風です。まあこういうのも清朝の特長なんでしょうね。
ただ、フランスとかのばかっぴろい田園地帯にしずしず置いてあるならいいんですが、配置する物の間隔がやたらと狭い中国的な庭園にどんっと置いてあるのでなんとなく場違いな雰囲気がありました。すみません。
でも造りや装飾はちゃんとしたもので変色したり汚れていたりはしてても細部まできれいでした。
     
  益智斉の屋根

花園の南西隅のほうにある建物なんですが、何でこんな写真が撮れたかとゆーと、花園の南側は3メートルくらいの岩山が作ってあって、登れるようになってるのです。お散歩して楽しんだんでしょう。登るとちょうど他の建物の屋根の高さになるので普段見れない屋根の上が見えました。
屋根の基本形はモロ清朝風。瑠璃廠とか胡同のあちこちで見られる波のような屋根です。波を2つくっつけてあるのが面白かったんですが、屋根の谷間のところは水が溜まらないよう工夫してあります。写真ではよく見えませんね、すみません。
     
  湖心亭

花園の西側にある池に、ちょっと広めの東屋みたいな建物があります。池は50センチメートルくらいしか深さはないようですが、どういうわけか緑色の水と建物の朱色の対照がにくいです。
橋がついてて誰でも渡れるようになってるんですが、中はいかにも紅楼夢という感じの造りです。特に、ありとあらゆる梁に描きこまれた絵が圧巻でした。梁に絵を描くのは明清共通ですが、清のほうがずっと派手ですな。色が多い上に図柄が細かいわ具体的だわでめまいがしそうです。
どうでもいいんですが遠くの奥のほうに中国人の男性観光客が一人だけ写ってます。団体さんは目印にみんな赤い帽子かぶってました。……。
     
  明道斉

余談ですがこの写真はちょっとお気に入りです。やっぱり全体像が入らなくて樹の下の陰にまで下がって入るだけ写したんですが、樹の葉っぱと建物の朱がすごいいい雰囲気。
これでもかと言うくらい窓の桟に装飾がしてあって、ぜひ中を見てみたかったんですが、扉が閉まってて入れませんでした。
     
  荷花院

庭園の中でも建物が多い一角で、何と、中国服のおじさんを発見!
カメラ向けたらこっち向いて笑ってくれたのがうれしかったです。すぐ側に京劇をやる建物があるんですが、もしかしたら出演者さんかもしれません。
     
  書房

花園の東側隅のあたりにあるひっそりした建物です。団体さんはこんなところまでは来ないので、落ち着いてたのしめました。
で、あこがれの丸通路。何となく中国庭園と言うとこの丸くくり貫いた壁が思い浮かびます。木が伸び放題でちょっと鬱蒼としてますが、そんなことも気にならず、どきどきしながら通り抜けてみました。
他にこういうのは上海の豫園で見かけたきりだったのでちょっとうれしい。
     
  梧桐院の屋根瓦

花園の北東隅のほうにある梧桐院という建物の屋根です。名前のとおり建物の周りに梧桐の木が植えてあります。
建物自体は上の上の上の写真にある明道斉と同じような形式で、ただし隅っこの方なので痛んだまま放置されてました。
面白かったのは屋根の軒丸瓦の文様が梧桐の葉の形なんですね。影やなんかでよく見えなくて申し訳ないんですが。
誰も見に来ない分、静かで鳥の声とかも聞こえて、花園では余花さん一番のお気に入りの場所になりました。