国子監

 

科挙を受験しようという皆さんが通ったところです。
内城の北のはずれのほうにあって、とても静かです。
お勉強するのに向いてるでしょう。
孔廟と隣り合ってることもあって、周り全体が落ち着いた雰囲気に包まれていました。

これといって見ものがあるわけでもないんですが、
今でも子供の塾?(児童図書館とかって書いてあった)として使われているだけあって、
当時の雰囲気が何となく残っている感じがしました。
一緒に勉強してみたいなぁ…、ちょっとだけでいいけど。

 

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  集賢門

国子監の正面入り口です。監生(国子監の生徒)のみなさんはこっから入るわけです。「集賢門」とはよく言ったもんです。
朱塗りがつやつやと鮮やかなのは何度も塗り替えてるんだと思いますが、梁やなんかはそれなりに汚かったので建てかえたわけではないのかな。
     
  辟雍

国子監の中心となる建物です。何でも皇帝が勉強したとかいうことですが、それ以外のときは何に使ったんでしょうか。
非常に大きな建物で、どこから見ても木が邪魔で全体像を撮影する事はできませんでした。それはそれで雰囲気があるんですが。周りを距圜池という堀でぐるっと囲まれているのがまたいい感じでした。
今は例によっていろいろな物の展示してあります。さすがに皇帝とお勉強関係のものが多かったです。
     
  牌坊

瑠璃牌坊というんだそうです。緑と茶色なんてゆーと唐三彩を思い出してしまうんですが、それに朱が加わって(ちょっと褪せてますが)実に鮮やかです。
もっとすごいのは何種類もの文様装飾が至るところに施してあって、それがまたよく残ってるので本当に美しいです。
ただ、これもまた周りじゅう木に囲まれているので全体を一気に撮影できないのが残念。(てゆーか大きすぎ)
     
  牌坊の基段

瑠璃牌坊の足元です。この部分は特に彩色はしてなかったんですが石の浮き彫りだけでも充分美しいです。他ではあんまり見かけたことがない文様が特徴的です。
雨ざらしの割にはかなりよく残ってると思うんですが、石の質でしょうか。
周りに草とか生えまくってるのもまた一興。
     
  排水溝…。

もうライフワーク、排水溝です。これは珍しい獅子を象った彫刻になっています。両脇上にも排水溝があるんですが、これは歩道からの排水で、この獅子さんの口はどこか地下とつながってる感じです。どういう仕組みになってるんでしょう。それにしても怖い顔です。これが水吐くんですよ。
     
  修道堂と羅鍋槐

左の建物が国子監の東西に3つずつ並ぶ教室・東西六堂の一つ、修道堂です。中級クラスの教室だったそうです。不思議な空気があります。
右にずんぐりした木があるんですが、これが羅鍋槐というえんじゅの木です。確か何とかいういわれのある木なんですが、ちょっと忘れてしまいました。すみません。
     
  正義堂と修道堂

真ん中で仕切られている、左が正義堂、右が修道堂です。正義堂は初級クラスの教室でした。初級でも中級でも造りは同じのようです。
右側にチェス駒のように擬宝珠が並んでますが、全て距圜池を囲む手すりです。地面には形を整えた石畳が敷いてあります。
     
  辟雍を囲む回廊の欄間

欄間、と呼んでいいのかわかりませんが。そんな感じの装飾です。大分痛んでるので余花さんの心も痛みました。
色使いは赤と緑を基調としたよくあるやつなんですが、文様なんかが独特です。完璧に様式化された植物の形がとても完成度が高くて、綺麗だった頃を見てみたいです。
あと、梁のところの色が右と左では緑と藍が逆に使われてるんですね。左右対称が多いところではちょっと珍しいです。
     
  敬一亭の門の装飾

敬一亭というのは皇帝が監生にうんちくを垂れるために使われたところなんですが、さすがに門がついてます。国子監でも一番奥にある建物なんですが、それにしてもこの装飾はかなりいい加減みたいです。全体的に処理が荒いし。あとからとってつけたんでしょうか。