智化寺

明代初期の建築物ということで、
ものすごくマイナーながら実は結構重要なところです。
正統9年(1444年)建立とか。
あの宦官王振の家廟だそうで、
明代の建築物で現存するもののうち、北京では最大規模だそうです。
「最大」といわれて身構えるほど広くはないんですが、
(何しろ故宮とか見ちゃってるから)
冷静になって、個人で持つものと考えると確かに贅沢なもんです。

あと「京音楽」というこれまた中国最古の仏教音楽が
代々伝わるところでもあるんだそうですが、
これはその場で聴けるもんでもないのでCDでも買いましょう。

古観象台の次に見ようと思ったので地下鉄「建国門」駅から行きました。
場所が「建国門」駅と「朝陽門」駅の中間にあって、
胡同をうねうね行った中にあるっぽかったので、とことこ歩いてこうと思ったんですが、
1キロくらいある上に大変暑い日だったので、ちょっと贅沢してチャリタクシーに乗ってみました。
何となく恥ずかしかったけど乗り心地はよかったです。
偉い人気分。

 

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  智化寺全盛図

見取り図のようなものです。
中へ入ると大智殿とか智化殿(手前のほうの建物)とかが展示室になってるんですが(比較的マトモ)、その中にあったのを撮影させていただきました。別に怒られなかったので禁止ではなかったもよう。
ただ、智化殿から奥への入り方が分からず(入れなかったのかな?)、如来殿(中央の大きな建物)は見れませんでしたが、智化殿より手前の建物群だけでも充分興味深かったです。
     
  山門(正面入り口)

こっから入ります。そんなに大きな門ではないので、大人が三人並んで入るのがやっとなくらいです。
日本人の感覚として、あんまりお寺という感じはしないです。じゃあなにさ、って言われても困るんですが。
見えづらいですがアーチのすぐ上のところに「勅賜智化寺」と刻まれています。
     
  山門の屋根

レンガが結構痛んでますが、造りはしっかりしてる感じなので風格があります。
走獣(屋根の四隅にちょこちょこ乗ってる人形のようなもの。魔除けらしい)や軒丸瓦(屋根瓦の先端に来る丸い瓦。そのまんまの名前だよ)の文様もきれいに残ってるのが嬉しいです。意外に高さがあるので難しいんですが、もちょっと近くで見たかったです。
     
  智化門

山門を入ってすぐ正面にある建物です。
門の前に石碑をしょった亀さんが2匹いるのがわかりますでしょうか。石碑には「勅賜智化禅寺之記」という智化寺の縁起などが刻まれています。日付は「大明正統九年九月初九日」でした。九好きですな。
     
  鐘楼

何と鐘楼と鼓楼があるんです。山門を入って右手が鐘楼、左手が鼓楼。2階建てくらいですが中は見られませんでした。
全盛図を見て頂ければわかると思いますが、ここも左右対称シンメトリイにできてますので、鐘楼と鼓楼は見た目ほとんど一緒です。軒下にかかってる扁額に「鐘楼」と書いてあるか「鼓楼」と書いてあるかの違いくらいです。
     
  鼓楼の軒先

こちらは鼓楼です。梁などに描かれた装飾模様が故宮などで見かけるのと同じのようです。扁額も故宮にかかってるのと同じ感じです。やっぱり真似てるんでしょうか。「勅賜」だし。
あと軒丸瓦の文様が違うものが混じってるんですが、修復か何かしたのかもしれません。
     
  智化殿の天井

何かいろいろ展示してあったんですがあんまり興味のあるものがなかったので、こういうとこばっか見てました。
城壁シリーズの北京城東南角楼にもありましたが、屋根を支える木組みが建物の中にも見えていて、それがまたなかなか装飾的なので美しいです。形は。何となく汚れて見えるのは、以前は色がついていたのがはがれてしまったという感じです。
     
  智化門奥の中庭(左隅が智化殿)

わりと広くて、しかもとても静かでした。あちこちにベンチなんかも置いてあるのでのどか〜。公園のようでした。先祖をこういうところに祀れるというのは確かにすごい名誉な事だと思います。出世したいなあ。
     
  外から塀越しに見た鐘楼(の裏)

鐘楼の裏はすぐ胡同になっていて、鐘楼の2階部分が塀越しに見えています。皆さんが暮らしてる中に自然と建物があるって感じで、道端には自転車直してるおじさんとかがいました。
塀の朱塗りも痛んでますがよく残ってます。