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文責・井上斑猫(へたれファンタジー置場管理人)
うっかりひょっこり投票中にいっとき公開してしまった事は貴方と私の秘密にしておいて下さい。ほんに野暮をしてしまいました。
これらの感想は井上が感じた事を好き勝手に綴ったものですので、ずれているなあ、と思われる方もいらっしゃることと思います。ご不快な個所がありましたらなんでも指摘して下さい。
(作品ナンバー順に掲載)
改行の仕方、あっさりとした言葉の運びに詩情を感じさせられます。夏空の青、雨雲の黒、長靴の黄。真っ赤な傘の良く似合う大輪のひまわりの鮮やかな色。爽やかでほのぼの。空を見に行きたくなる……そんな作品です。
とにかくはじめの3行がいいっ! その他にも「でも空気を見つめている」「世界からぽつんとかたぬきされた様・・・。」など、一人で居る部屋のそれこそ空気を「うわあっわかる!」と身悶えさせるほど表現している言葉のセンスに脱帽。
さ、さ、さ、砂糖………。すぱすぱと(……洒落ではありません)切れ味の良い文章のリズム、などについて言及しようと思ったのですが、とにかく、砂糖! このインパクトに頭がぐるぐるしています。でも、幸せそうだからいいか。……いやいいのか?! (私が料理人だったら暴れます。)
ラストまで「日常」を保ったままの語り手の静かな口調が読み手の足元を揺り動かしてくれます。行空けの効果も、夢の中のぱっぱっと切り替わる映像がディスプレイの前に浮かぶよう。
一行目でもう酒吹いたんですが。最後まで読む前に腹筋攣るかと思いました。時事ネタ合わせ技で一本。簡潔な文章の中さりげなく入る「ツユナシ」だの「雪祭りの氷像のごとく」だの、もうもう。
おおっSFショートショートが来たか?! と思ったら。思ったら。まさに対比の妙。博物館とピンクローター。文章が読みやすく、すらすらと読み進めていくといきなり「人妻女教師」が出てきて読み手はディスプレイに頭突きをかましてしまう、という。ああバカ話万歳。(念のため! バカ話は褒め言葉です!)
1000字以内とは思えない完成度。文字制限故に描写は抑え目ですが「広くなってしまった我が家」等短い言葉から背景、情景が喚起されます。そしてラストの鮮やかさ(要音読)。文句なしの締めです。同作者さんの「日常」はじわじわと来ましたがこちらはさっくり斬られる快感。手数多いなあ……。
とりあえず喫茶店でモンゴリアンチョップはやめとけ、と井上は思います。こういう短いヒトコマをまったり語る小品も良いですね。それにしても、縁ね、エンが無いのね……(肩が震えている)。極たま〜に出現して金融機関を悩ませる紫式部嬢もお忘れなく。
自作品。よって感想無し。(剣と魔法の世界を知らないと何のこっちゃ、な作品であったと反省はしきり)
タイトルを見て、これは自作とテーマかぶってしまったかなと思ったら案の定。偶然の神様の悪戯を少々恨みます。これと較べられるのは辛い! 戦場と回想の情景の対比と配分、残酷な心理の推移、お見事。「ただいま・・・」に思いきり落涙。(蛇足ながら。バカ話とシリアス、両極端なものを書いてみたくなるお気持ち非常に良くわかります。)
とにかく「民事」がツボに入りました。どうなるかどうなるかと思わせ、すとーんと足払いを決め、ラスト「最愛の人」で切ない余韻を残す。字数制限の中で見事にウェリス節が炸裂しています。「どうにも重くてね。」のさりげない一言がまた。タイトルも技あり。
「大丈夫」の言葉に癒されたのは"彼女"だけではなく読み手全ての方々でありましょう。大人になる時のみならず、いい大人になってもこの寄り添う手に縋りたい時はある。そして一時の安らぎを得てまた歩き出さなければいけない。そんな事を感じさせられました。
短い中に散りばめられた名台詞名調子の数々。徹底的に贅肉を削ぎ落とされ、全ての文が光っています。(一番好きなのは「猫にとって重要なのは温かさらしい。」)否応なしに引きずりこまれる世界。炎とネオン、闇に酔わされたかと思うと放り出されるのもまた快感。
うわあ、いいなあ。というのが第一印象。字数制限の中ほっこりと纏められたある意味お手本のような作品。エピソードの可愛らしさも、「じいちゃん博士」等言葉のセンスも、一字一字揺るぎ無くこの作品世界を構築しています。「名も無き兵士の詩」とは別の意味で落涙。いいなあ。
薔薇の絵が見下ろす夜の部屋、空洞の目をした兄、そして何より怖い何も語らぬ母。中心となる舞台は小さな部屋ですがそこは夜闇に、各人の心の闇に繋がる底の無い空間。私にも「待っているよ」の声が。とにかく雰囲気が素敵。
ぶは。吹きました。反論のしようが無い。会話どころか一人の台詞だけで最後までもたせるテクニック、見事です。オチにもう一度頭まで戻って読み返してしまいます。台詞といっても文章がくだけていないのがすっきりした読後感に繋がるのか。
なんと言いますか、青春! です。暮れかけた公園という場所選びといい言葉を交わす悠と誠の描写といい。「ある青春の一頁」という断片的な回想を各人に促すような独特の雰囲気は、これも厳しく削られた文ゆえ。文字数制限万歳。タイトル含め全て爽やか。
これまた青春。対照的にこちらは、「カステラの黒いとこ」「次の理科」等具体的な、そして誰しもが共感し得る文をさりげなく加える事で描ききっています。溌剌とした女の子達の笑い声が聞こえるような前半と、ラストとの対比が切ない。
ひ、ひえええ。タイトルと硬質な描写とのギャップに何事かと思えば。今まで誰も思いつかなかったであろう壮大である意味幻想的な犯行動機に乾杯。視点の主である「私」の心情が省かれていることでより恐怖といいますか、凄みが増しています。狂気が伝染しそう。
よくもこれだけバリエーションのある作品が集まったものです。読んでいて泣いたり笑ったりと目まぐるしくジェットコースターに乗っている気分で飽きる事がありませんでした。拙い、短い感想しか述べられなかったことをお詫びし、力作を投稿してくださった皆様と場を提供してくださった茶林さんに心から感謝します。
普段書き慣れていないと思われる方々の作品を読む事が出来たのが特に新鮮でした。文章や構成はこなれていなくとも、「こんな書き方があったのか」と井上の固くなってしまった頭を揺さぶられる作品ばかり。勉強になりました。
私(井上)の投票は、その時は感性の赴くままでしたが結果的には、個人的に再読したい再々読したいという作品へ、だったようです。そういう観点ではバカオチ(褒め言葉)は不利でした。申し訳ありません。
全作品へ投票してしまいたいとも思いましたが、このような感想ページを設けると予告した以上自分の票にも責任を持つべきと考え、高みに立って選ばせていただきました。
この感想ページへのご意見、ご感想は感想フォーム(別窓で開きます)までお願いします(自サイトの感想フォームと兼用になったままですいません)。
一日一度は投票ページを見に行き、一日一度は頭を掻き毟っておりました……。
愚痴吐き魔獣をご愛顧頂いたこと、本当に嬉しく思います。正直あの並ぶ力作を読んで「こらあかん」と思っていたのです。ちょこっと自信がつきました。頂いたコメントはフロッピーに大切に保存させて頂きます。
元々描写力に欠ける井上ですから字数制限はあまり苦にはならなかったのですが、ネタそのもののインパクトにも欠けていたと反省しています。(と言いますかこれはずっと私の頭痛の種なのです。)かえってアクの無さが票数に繋がったのかもしれません。
間違いなく、井上の作品キャラクター中で一番人気の魔獣君。彼もこれでうかばれ……いや喜んでいる事でしょう。皆様ありがとうございました。
そして最終結果発表を迎えて(3月13日付記)
井上ずっと踊っております。
我が家の雑種犬の毛を梳いてやりながら(こいつは女の子ですが)魔獣の愚痴を考え、一気に書き上げた作品でした。で、これだけではうちのサイトのお客様全員逃げるとシリアスな「戦の庭」も。
コンテスト参加など初めてでしたが思い切って挑戦してみて本当によかった。……掌編短編の呪いはかけられてしまいましたが。本当にありがとうございます。
入賞作品と似た傾向のものは今のところありませんが、「へたれファンタジー置場」の「雑文置場」にメインコンテンツ以外の短編、掌編を置いてありますので、もし井上の他の作品を読んでみたいという方がおられましたらそちらへどうぞ。呪いのおかげでえらい勢いで増えました。(バ)と書いてあるものがバカ話です。(宣伝で〆るかっ。)