・『エトランゼ』東京公演の感想。
3/17の夜の回を観てきました。
７列４番（左サイド端近く）席での観劇。
………………うーん。
結論から言うと、神戸で観た時よりはマシになっていました。
でもそれだけかな。
しかも「成長」でなくて「マシ」と表現してしまうあたりが…… (^^;
やっぱり、まず作品そのものに問題があるんでしょうか。
（問題、と言ってしまうと、この作品を大好きな人には失礼ですが）
キャラメルが賛否両論あるのはいつものことですけれど、今回はその
傾向が激しい、というか「否」の意見が結構あるんですよね。私の周辺
には「基本的にキャラメル好き」な人が多いので、批判的な感想を聞く
ことはあまり無いんですが、今回は少なくとも聞いたうちの半分は「否」
だったかな……かく言う私もそちらに偏っていますが。
個人的に分析（？）してみると、『エトランゼ』が好きっていう人は、
自分自身の現状と重ね合わせて観ている人の割合が多いようです。別に
そういう見方自体が悪いってことではありません。ただ、今回の感想を
各所で見ていると、そういう人が多いかなと思います。
ヒロイン「ななえ」がカメラマンという夢を目指して、結婚や実力の
無さという現実を突きつけられながらも、自分の目標に向かっていく姿。
そういうものがきっと、いま実際に様々なことで迷いや悩みがある人
たち（特に「ななえ」と同年代、30歳前後の人）が、自分もこんなふう
に頑張れたら、いや頑張ろうか、と思うんでしょうね。
私自身、いまだに就職も決まらず、自分のやりたいこともはっきりと
分からなくて、もがくことがしょっちゅうあります。……でも「ななえ」
の姿を見ても特に感銘を受けませんでした。
なぜだろう？ と考えてみました。
思うに、「かっこよすぎる」んでしょうか。良く言えば。
もっとはっきり言えば、私には「ななえ」が「悩んでいる」ようには
見えませんでした。「八木沢」との結婚のことも、仕事がなかなか来な
くて、あげくに「檜原」に「才能がない」と言われてしまっても。
落ち込んでも外に出さないクールな性格、となのかも知れない。
でもそれにしたって……彼女が努力している、現実の厳しさに対して
奮闘している、という空気が見えなさすぎる。それどころか、姉の家庭
の問題を「あっさりとまとめて」しまって、その部分の「かっこよさ」
だけが表面に出ている感じ。
ヒロインのはずなのに、彼女自身の問題が、根本的な意味で見ていて
分かる表現をされていない。いつも姉の問題や、同僚たちの動きの後ろ
に隠れている感じがする。……だから、神戸初日の感想にも書いたよう
に、「狂言回し」っぽく見えてしまうんですよ。
私が嫌だなぁと思うのは、「ななえ」の「八木沢」に対する態度。
あからさまにプロポーズの返事をしたがらないところ。
１ヶ月ぶりに帰ってきて訪ねてきた「八木沢」に、いくら引っ越しの
当日で忙しいとはいえ、全然話をせずにさっさと追い返そうとしたり、
「まだいたの？」とか言っちゃったりするのはあんまりなんじゃないか
と思う。だって「小名浜」が「ななえ」の写真が載った雑誌を出した時、
作業をほうり出して全員で見てるじゃない。５分ぐらい落ち着いて話を
する時間はあるでしょう。
それさえもしたくないっていうのは、要するに結婚について考えたく
ない、頭を使いたくないということですよね。しかし「他のことで頭が
いっぱいだから」プロポーズの返事ができない、というのは理由になる
んだろうか……？ それも疑問。返事ぐらいできないか？ 今はしたく
ないなら「したくない」でいいんじゃないんでしょうかね。
……結局、「ななえ」は「八木沢」に甘えてるんだろうな。嫌われる
という不安が少ないから、あれだけ冷たくできる。勝手なことが言える。
……そう考えると「ななえ」もそれなりに「八木沢」が好きなのかな、
と思えなくもありませんが。でも「八木沢」が優しいのを結果的に利用
しているようにも見えてしまうし……そういう点も、私が「ななえ」に
ヒロインとしての魅力を感じない理由のひとつなんだろうと思います。
神戸の際にかなり酷評した「里奈」＝岡内さん。
東京で観た時には若干マシだったかな。多少は「怒る」以外の言い方
も感じられたし（多少、ですけどね）
……でもスタジオのアルバイト中に失敗した時の謝り方が、ちょっと
納得いかなかったな。悪かったと思って謝ってるというより、怒られて
拗ねながら謝ってるという感じがした。「自分はちゃんと気をつけたの
に、どうしてそんなに怒られなきゃいけないの」みたいな。
その他は……まぁあまり変わらずでしょうか。
そういえば、ダンスシーン。
大内さんだけが違う振りをする箇所があるんですが、あれの必然性が
めちゃくちゃ不明です……他の方が違う振りの時もありますが、それは
まだなんとなく想像できなくもないんです。でも、大内さんのあの部分
だけは……大内さんがダンス得意だから、という理由だけで踊らせてる
みたいに見えました……
今回も全曲オリジナルなので、サウンドトラックＣＤが出ていました。
神戸公演ではまだ発売されてなくて、予約は受け付けていたんですが、
音楽に関しては前に書いたような感想だったので申し込みませんでした。
ですが印象に残らなければ残らないで気になってしまうようで、東京
行った時に結局買いました (^^;
……ＣＤで聞いた方が、印象に残る曲に聞こえました。なんだそりゃ。
あるボーカルさんの英語がかなりカタカナっぽいのと、別のボーカル
が低い音と高い音を出す際に明確に違う声なのが、結構気になりました
けどね（どちらも女性）……特に後者。どうして高い音域になると裏声
なんだか。全然違う人の声に聞こえる。ちゃんとボイストレーニングを
してれば、もとが低い声の人でも、本人の声だと分かるような高い音域
の声が出せるのではないのでしょうか？ あれじゃすごく素人くさい。
（01.3.21）
神戸初日の感想に戻る→こちら。（ややネタばれあり）（01.2.19）
神戸公演全体の感想に戻る→こちら。（ネタばれあり）（01.3.7）
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