・『キャンドルは燃えているか』(再演)神戸公演終了後の感想。

          (・・・あんまりネタばれじゃないかも知れないです (^_^;)

        *あらすじを知りたい方はこちら。(ラストまでは書いていません。)

    さて今回は、結果的には4回観ました。
    前売で取ったステージが3回、+当日で行ったステージが1回。
    どのステージも比較的良いところで観ました。……あ、当日券の時は、2階席
   で観ましたが。3階席の経験はあるけど2階席はまだだったので、どんな感じか
   一度観てみたかったのです。……私はやっぱり1階席の方が好きかな〜。舞台が
   目線より下になると、どうもいまいちなんですよね。個人的には。
    (まぁ、カーテンコールでは結構お得かも知れませんけど。退場真際の役者さ
   んは大抵、2・3階席の方を向いてくださるので、目が合いやすいのです。特定
   の役者さんファンの方は、狙い目?(笑))
 
    初演はビデオでしか観ていませんが、持っているビデオの中ではかなりの回数
   観ている作品です。劇中曲も好きなものがたくさんあります。
    そういうわけで、生で観られる機会に恵まれたのは嬉しいですし、台本の改訂
   がかなりされるという前情報があったので「あまりされてほしくないな……」と
   思っていたらほとんど初演と変わりはなかったし、劇中曲も特に好きな曲が大半
   そのままだったので、初めて観た時はかなり楽しめたものです。
 
    ところが。
    2回目を、私にしてはめずらしく(苦笑)一週間あけて観に行ったんですが、
   …………なんだかちがう。初日みたいにドキドキしない。
    もちろん初見とそれ以降ではドキドキの具合が違って当然なんですが……
    でもそれだけじゃない感じ。
    …………なんだか、物足りない。
 
    思えば、初日にも感じていたことでした。
    私は結構、初日でもひとつの「完成形」として観ているので、初日でも不満が
   残るということはあまりないんですね。キャラメルの場合は特に。
    別にキャラメルを贔屓目に観ているというわけではなく(その傾向が全くない
   とは言いませんけど)私の中での「いい舞台の水準」にほとんどの場合は達して
   いるのだと思います。
    でも今回は……「おもしろかったんだけど、まだまだ成長の余地があるなぁ」
   と思ったんですね。いつもは「おぉ!」という気持ちが大きいのに。
    ……その、「成長の余地がある」と初日に漠然と感じた点が、一週間経っても
   変わりなく見えたので、「物足りない」と感じてしまったようです。
 
    ???なんで物足りないんだろう???
 
    ひとつには、「再演に際して、いろんな部分が整えられた(と思われる)」と
   いうことがあるでしょうか?
    初演時は、台本の完成が遅かったこともあって、いろんなことがかなり切羽詰
   まった状況だったと思われます。……確かに、作者の成井さん的には、「もっと
   じっくり書きたかった……」と思うでしょうし、役者さん方ももっと時間をかけ
   て作りたかった部分があったでしょう。
    作る側からすると「荒削り」な部分があったことは心残りなんでしょうね。
    でも観る側は……少なくとも私は、その「荒削り」なところが、かえって舞台
   に良い作用を及ぼしていたんじゃないかな、とか思うんです。
    観る者を問答無用に引っぱっていくようなパワーが、初演には満ちていたよう
   に感じます。そのパワーが再演では、なんとなく大人しくなってしまったみたい
   な…………もうひとつ、観る者を引きつけきらないというか。
    初演のイメージが強いだけ、と言われたらそれまでなんですが。
    …………でもそう言ったら、つまりは舞台のパワーが初演負けしてるってこと
   ですよね。あくまで神戸公演で観た限りでは、ですけど。
 
    この作品でキーパーソンといえば、「悪役」に位置する(一概には言い切れな
   い部分もありますけど)「竜野」と彼に想いを寄せている「泉」(初演時の役名
   は「瞳」)だろうと思いますが……メインの3人は別としまして。
    観る前、個人的に、今回この2役のキャスティングに不満を感じていました。
    「竜野」の大内さん……は、不満と言ってしまうと大げさなんですが、「まだ
   荷が重いんじゃないかなぁ……」というか。初演で上川さんの役だったので余計
   にそう思っちゃったところはあります。実際、イメージが強く残っていましたし
   (今年度の上川さんの出演作品は絶対これ! ……と当初は思ったくらいです)。
   最近の成長は認めるものの、この役をやるには早いように感じまして。
    「泉」のミラノさん。これはかなり明確に不満だったんです。……そもそも、
   メインに近い役を客演の人がやるのもちょっと頷けないところでしたし、ミラノ
   さんがピスタチオ退団後、余りにもキャラメルに偏りすぎていることが、とても
   気になっていたのです。今のキャラメルに客演の必要があるのかと思うし(劇団
   員は人数的には十分なはず)、仮にも「フリー」なのにキャラメル系の舞台にば
   かり出ていては意味がないのではないか、とも思いますし(なしくずしに劇団員
   化するのは避けてほしいところ)。
 
    ……で。
    実際に観た感じでは、「心配していたほど悪くはなかった」というところ。
    …………でもなんだか「気持ち」が感じられない。
 
    初演はどっちかというと「恋人の一歩か二歩は手前」みたいな関係だった二人
   が、今回はかなり「カップル」ぽくなっています。……けど、そういうのが仕草
   「だけ」に近い感じで。お互いへの「気持ち」が、仕草にまだ十分こめられてい
   ないように思えました。そのせいでもう一つ、彼らへの感情移入ができなかった。
    結構極限状態な二人だと思うんですけどね……でもどことなく「足りなくて」。
 
    ただいま東京公演中ですが、聞くところによれば、この二役を含めてお芝居が
   相当良い方へ変わってきているようなので、千秋楽を楽しみにしている私です。
    ……もっともっと、「パワー」と「気持ち」のある舞台が観たい!
 
 
    その他いろいろ……
    えーと、メインの3人。
    だいぶ「カップル役」が定着しつつある(?)岡田達也さん・岡田さつきさん。
    「無難に」こなしている印象ですね。その分、強烈なインパクトも無しですが。
    ……そもそもこの作品って、あんまりメインの印象が強くない気がするんです
   が、いかがですか?>お読みの皆さま
    初演と役が変わらず、の西川さん。……この方はまぁ、「そのまんま」ですね
   (笑)安定した「神戸」さんで観る側を安心させてくださいます。(安定しすぎ
   てかえっていまいち……という声も聞きますが)
 
    初演でかなり好きだった「神戸」さん一家。
    真柴さんは「舞子」で初演と変わってませんが、「須磨子」さんが坂口さん、
   「ひよ子」が中村亮子さんと岡内さんのダブルキャストになってます。
    坂口さん・真柴さんのコンビはわりと好きなんですが、坂口さんの「須磨子」
   さん自体はちょっとはしゃぎすぎかも……主婦・母親にしては。
    「ひよ子」はどちらかというと中村亮子さんの方が私は好きかな。岡内さんは
   なんとなく、中学生っていうのが合わない感じがして。偏見???
 
    初演で「瞳」だった大森さんは悪役その2(?)「姫路部長」。
    「瞳」さんが好きだったので「変わってほしくないな〜」と思ってたんですけ
   どね。でも今回は今回で、有無を言わせぬ説得力みたいなものがあります。初演
   の遠藤さんの「部長」よりも、冷酷な感じになってますかね。ヒロインもやれば
   子供の役もやるし、「おばあちゃん」も悪役ポジションもこなせる……大森さん
   の演技の幅広さにはいつも驚かされます。
 
    初演時菅野さんの役だった「加古川」は、今年入団の新人さんコンビ。
    佐藤仁志さんは元ソニーの社員だとか。安達祐実似だのジャニーズ系だの言わ
   れてます(笑)。成瀬優和さんは私と同じ大学の出身(私の方が一学年上です)。
   うーむ、これで私と同じ学校の出身者がキャラメルに3人か(細見さん・小川さ
   ん+成瀬さん)……20数人中3人だから、結構すごい確率。
    佐藤さんは「そこそこ」。成瀬さんは「台詞の言い回しが菅野さんに似てる」。
    ……どういう判断があったかは知りませんが、東京公演では、成瀬さんは週に
   2・3ステージの不定期出演になったようです。うーむ。
 
    そういえば、細見さんは当初この公演に出演予定でしたが、事情で出演なしに
   なってしまいました。その代わりに出ることになったのが篠田さん。初演で今井
   さんがやっていた「明石」くん。再演されたら細見さんの役になるだろうな〜と
   じつは密かに思っていました(笑)
    …………今井さんと篠田さんじゃ全然イメージが違うからな〜。どっちがどう
   とも言えない。まぁ篠田さんがこういう軽い(?)感じの役をやるのって珍しい
   ですから(……書きながら、そうでもないかも知れないと思っちゃいましたが)、
   そのへんが楽しめるでしょうか。キャラクターとしては、「静香」ちゃん(初演
   では岡田さつきさん、今回は小川さんと前田さんのダブルキャスト)と二人セッ
   トで、作品全体のある種の「清涼剤」と言えるかも。
 
    初演で岡田達也さんだった「西宮刑事」は南塚さん、篠田さんだった「尼崎警
   部」は近江谷さん。「尼崎警部」は篠田さんの当たり役でしたので、再演でも同
   じであってほしいと思っていた人は結構いたようです。私もできれば生で観てみ
   たいと思ってました(笑)
    ……加えて、久しぶりのキャラメルでの近江谷さんなのに、ちょっと役が小さ
   いな〜と残念に思って……ましたが、さすが近江谷さん、出演シーンではその場
   のおいしいところを全部持っていっちゃう勢いでした(爆笑)
    南塚さんは、ギャグがほとんどない役なのでずいぶんと真面目な感じですね。
   衣装なども「いいとこのおぼっちゃん」的ですし。あるいはファンの方は嬉しい
   かも知れませんね、こういう南塚さんも (^o^;
 
 
    今回の神戸公演の千秋楽も行きました。
    クリスマス公演千秋楽恒例キャラメル配りでは、大森さんからいただきました。
    これで4連続女優さんからです(一昨年は坂口さん、去年はミラノさん(神戸)
   ・石川さん(東京))。そろそろ男優さんからもらってみたいなとちょっと思い
   ました(笑)
    ……ちなみに、2階席は岡田達也さん・大内さんがいらしたので、黄色い声が
   飛び交っておりました……
 
    そうそう。神戸公演中の11/17は、岡内さんのお誕生日でした。
    たまたまその日の夜の回を観に行ったので、なにかお祝いするかな〜とすこし
   期待していました。最近は、以前のように毎回やるわけではないみたいだったの
   で半分はあきらめてましたが。
    そしたら、カーテンコールで岡田さつきさんが、「今日は岡内美喜子の誕生日
   です。一緒に歌ってくださいますか?」とおっしゃられました。
    もちろん、客席は大合唱。スポットライトを当てられた岡内さんはびっくり顔
   で、でもやっぱりすごく嬉しそうでした (*^^*)
 
 
    12/8の夜の回から、ラストシーンがちょっと変わったそうです。
    どこがどう、とは情報源の加藤さんの日記にも書いてないので、「一体どんな
   ふうに変わったの〜〜〜!?」と気になってる方も多いでしょう。もうビデオにな
   るまでは観られない人もいるでしょうし。
    (ちなみに私はパソコン通信の知人に、どう変わったかを運良く教えてもらえ
   ました。……なんかいい感じに変わっています (^o^))
    しかし今回は、12/19にオリエンタル劇場で「クローズド・サーキット」(要
   するに舞台の生中継)をやることが決まっているので、神戸まで来られる人なら、
   東京の『キャンドルは燃えているか』の様子が観られるわけです(今回の場合は
   シアター・テレビジョンとの合同企画なので、CSを受信している人なら自宅の
   テレビでもOK)。そこで舞台の成長具合や、噂のラストシーンが観られるんで
   すね〜。…………私は行けないので、千秋楽までおあずけですけど(←生を観に
   行ける方がぜーたく? ……ごもっとも……でも「クローズド」も経験してみた
   いんですよぅ〜)
 
 
    …………長々と書いてきたわりには、あんまりネタばれになってないですね。
    しかも大して「感想」じゃないし…………すみません。
                                (99.12.11)
 
    東京公演千秋楽の感想は、こちらになります。
    ……ミラノさんファンの方には不愉快な内容かも知れません。
                                (00.2.16)
 
 


  キャラメルな話のページに戻る

  趣味の舞台のページに戻る

  趣味のページに戻る

  トップページに戻る

  掲示板「観たものネタばれ話の部屋」に行く

 


トップ更新プロフィール日記/趣味/リンク掲示板