・『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』(再演)

    ある夏の日、高梨ほしみ(小川江利子)は交通事故に遭い、検査を兼ね
   て入院することになった。ほしみにひどく同情する看護婦(中村恵子)に、
   同室の患者たち(大森美紀子・青山千洋)は不審顔。家族と一緒に事故に
   遭ったというほしみだが、家族は入院していない。……彼女はその事故で
   家族5人を一度に失い、自分だけが生き残ったのだった。
    両親(近江谷太朗・坂口理恵)は仕事仕事の毎日、祖母(真柴あずき)・
   妹(中村亮子)・弟(藤岡宏美)も自分のやりたいことで頭がいっぱいで、
   全員が集まるのは夏休みの家族キャンプぐらいしかなかった。それも今年
   は、嫌がる母や妹を無理に説き伏せて、ようやく実現させたキャンプだっ
   たのに……
    しかし、ほしみは落ち込んでいるどころではなかった。ほしみを心配す
   る家族が全員、幽霊となって病室までついてきたのだ。彼らの姿はほしみ
   にしか見えない。そのため、看護婦も同室の患者たちも、ほしみのことを
   心配する。
 
    同じ頃、ほしみの叔父・鉄平(西川浩幸)は、ある事件に巻き込まれて
   警察に追われていた。妻・あやめ(岡田さつき)を呼び出した場所に彼女
   の同僚・菊川(木下政治・劇団M.O.P)が来たことから、鉄平は警察に
   見つかってしまい、肩を撃たれる。そのまま再び行方をくらます鉄平。
 
    ほしみにとって、鉄平はたった一人残った肉親である。事故のことを知
   れば必ず会いに来るはずだ。見舞いに来たあやめと菊川は、連絡があった
   らすぐに知らせてほしいと言いおいて、帰っていく。……警察のことは言
   い出せないままで。不安を覚えるほしみと家族。
 
    自分たちの通夜にも行かず、ほしみのそばにいようとする家族。やっと
   家族が一つになれても、ほしみは嬉しくなかった。「死んでからひとつに
   なったって、もう間に合わないよ!」ほしみは思わず、家族を責める。
 
    その日の夜中、病室の窓から鉄平が入ってきた。問い詰めるほしみたち
   に、鉄平は事件のことを話す。あやめがDJをやっている番組に送られて
   きた盗聴テープを調べていくうちに、調査を頼むつもりの刑事から追われ
   る羽目になったと言うのだった。その刑事の部下が、テープの声の主らし
   いと。ほしみたちはベッドの下に鉄平を匿うことにした。警察に知られず
   に、鉄平とあやめを会わせるために。
 
    次の日、ほしみの元に刑事(篠田剛・佐藤仁志)がやって来る。鉄平の
   話に出てきた刑事たちだと気づいたほしみは、彼らを追い返そうとする。
   ……しかしどうも話が、鉄平の言っていたことと違うような雰囲気だった。
    刑事たちの話を聞いたほしみは驚く。鉄平は浮気を脅迫されていて、取
   り引きのために会った男を、撃ってしまったというのだ。幸い男は命を取
   り留めたが、鉄平は銃を持ったまま逃走を続けているのだと……
 
    その夜、鉄平はほしみたちの前で、刑事の話が事実だと認める。撃った
   のはもみ合った際の不可抗力で、死んでしまったと思ってその場から逃げ
   出したのだった。
    鉄平は、とにかくあやめに会いたかった。そのあやめがようやく、病室
   にやって来る。ベッドの下の鉄平を呼ぶほしみ。
 
    その時、患者が寝ているはずのベッドから、刑事たちが!
    ほしみに会いに来るはずの鉄平を、待ち伏せていたのだった。
    ベッドの下に銃を向ける刑事。鉄平は観念して姿を現す。
    ………………ところが………………!
 
 
 

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