○『キャンドルは燃えているか』(初演)

   航空会社をクビになったばかりの元パイロット・伊丹(近江谷太朗)は、大手家電
  メーカー・ハリマの開発部社員と名乗る竜野(上川隆也)から、期間1年・報酬5000
  万の仕事を持ちかけられる。それはハリマの社運がかかった新製品の開発だという。
   同じ話をプログラマーの礼子(坂口理恵)とシステムエンジニアの神戸(西川浩幸)
  も聞かされていた。
   期間の間は工場から出ない、外部と連絡を取らない、仕事が終わったらその間の記
  憶は全部消す……といった不可解な条件があったが、3人は仕事を引き受ける。
 
   ……1年後。仕事は順調で、試作品が完成するところまでいったらしいが、記憶が
  ない三人には全く実感がない。
   そして約束の報酬が渡されるが……5000万を受け取ったのは神戸だけ。
   伊丹と礼子は、何の役にも立ちそうにない物ばかり……キャラメル、バスの回数券、
  安全ピン、マッチ、鍵、キャンドルが入った袋を報酬として渡される。開発部社員・
  瞳(大森美紀子)の説明によれば、それは彼ら自身が希望したことだという。そんな
  はずはないと伊丹は瞳に詰め寄るが、確かに彼らのサインが入った証明書があった。
   訳が分からないまま、三人は会社を後にする。
 
   会社を出たところで、刑事たち(篠田剛・岡田達也)が待ち構えていた。
   仕事の内容を聞き出そうとするが、三人には答えようがない。
   警察に連れていこうとする彼らから三人は逃げるが、神戸は捕まってしまう。礼子
  も危機一髪だったが、袋の中の安全ピンを刑事の腕に刺して逃れ、伊丹と一緒にバス
  に飛び乗った。回数券を使って。
   がらくただと思っていた袋の中身が役に立ったことに二人は気づく。
 
   警察から戻ってきた神戸の話によると、1年前にハリマの工場で起きた爆発事故に
  関して、ハリマに疑惑がかかっているらしかった。事故直後から行方不明になってい
  た開発部社員・加古川(菅野良一)を警察はようやく見つけ、事情聴取を始めたのだ
  が、突然現れた竜野に加古川を連れ帰られてしまったのだった。
 
   自分たちが作っていたのは何か危険なものだったのではないのか……三人は記憶を
  取り戻そうと行動を始める。そして神戸が、ひとつの可能性に思い当たる…………
 
 
 

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