錦秋カナトコルートのボルト整理
ボルトの整理に至る理由
 1.「錦秋カナトコルート」は、一部「山賊79黄昏ルート」の派生ルートと思われるラインと重なっている部分 があり、自分の「錦秋カナトコルート」の開拓以前にうたれた、今となっては不要なボルトがあった。
 2.核心のピッチ目のクラックには、木の根が張っていてプロテクションがセットできなかった為、フリーの可能性を考慮しつつ、ボルトラダーにより開拓した。その後フリー化した。(発表は5.10a。現在のグレードは5.10c)
 3.現在はクラック内の木の根は取り除かれ、カムがセットできる。また、再登者も通常フリーで登っている。
 4.2009年になって、雑誌やガイドブックに紹介されているので、より質の高いものにすべきであると考えた。

整理の内容

 1.1ピッチ目は、フレークから左上クラックを登りスラブに出るが、以前からそのスラブにRCCボルトが設置されていた。しかし5.8というグレードを考慮しても、その前後にカムをセットできるため不要であるので、撤去した。
 2.2ピッチ目は出だしのビレー点にハーケン1本(以前からあった)とRCCボルトを抜き、2本のリングボルトはそのまま残し、新たにペツルの8mmアルミハンガーを打って補強。
 3.2ピッチ目にはリングボルト5本とハーケン2本(私の打ったものではないものもある)が設置されていたが、ペツル8mmアルミハンガー2本のみにした。

ルートの概要
  1ピッチ目:左右2通りのラインがあるが、一般的な左ルートを紹介する。十一面左岩壁のテラスの左隅によく目立つフレークがある。そのフレークからそれに続く左上クラックを登ると、とぎれとぎれのクラックにプロテクションを決めながらスラブに這い上がる。スラブを数メートル登るとビレー点がある。(5.8 30m)
  2ピッチ目:正面のクラックを登りバンドに達したら、左上を目指す。小さなフレークを直上すると広々としたテラスに至る。(5.10c 20m)
  3ピッチ目:テラスから左に歩き、簡単な岩を2か所ほど乗り越し樹林帯に入る。そのまま登ると上部の岩壁に突き当たる。(2〜3級 50m)
  4ピッチ目左ルート:樹林帯の左よりの岩から一段上がると、気持ちの良いテラスに出る。左手のコーナークラックを登ると3mほどのダブルクラックがある。その上は傾斜の緩いコーナークラックになっている。(5.8 20m)
  5ピッチ目:左ルート:左上するジェードルからチムニーに入ると稜線に出る。(5.8 15m)
  
  4ピッチ目右ルート:樹林帯を真上に詰めると、出だしは大まかな岩の節理で、上のほうにきれいな水平クラックが見える。その水平クラックを手掛かりに右に出ると傾斜の緩いコーナークラックとなり、最後はチムニーを登って稜線に出る。(5.8 30m)

  最終ピッチ:左ルートから来れば6ピッチ目、右ルートから来れば5ピッチ目になる。稜線の左方向にあるカナトコ岩に、スラブを這い上がる。クラックを楽しみたければ、一旦稜線の右側に下りてハンドクラックを登ることもできる。(5.8 10m)