牧草にも浅漬けの素
牛舎の周りに無造作に並べられたドラム缶の群れ。
この中には「ギ酸」が入っています。
牧草のサイロ詰めに去年から使うようになりました。
言わば牧草の浅漬けの素。
牧草用に調整されたものですが、中身はほぼ原液で、
素手で触るとやけどしてしまう、
デンジャラスな浅漬けの素です。
そもそもなぜ、ギ酸なんか使うのか?
それは、牧草をサイロで良い状態で醗酵させるため、
充分に天日で干すことが出来るのなら、自然発酵も可能なのですが、
猿払の冷涼な気候ではそれは難しく、
原料のPHを充分に下げることによって、
いい醗酵がしやすくするためです。
そうして加工した牧草を、
配合飼料と混ぜ合わせて与えている。
私のやっているような酪農に、
冷淡なイメージを持たれる方も少なくないでしょうね。
でもそれは、牛達に腹いっぱい牧草を食べて欲しいと願ってのこと。
酪農家にもいろいろあります。
でも、それぞれの思うところの原点は、
そう変わらないと思う。