◆ No.176: 宿題 (2007.3.15) ◆
うわー、ふと気がつけば、明日はリコーダーのレッスンだ。
きょうもたくさんあるフルートの課題をあちこちかじって、いそいでリコーダーの練習をして、日が暮れる。
しかし、なんでこんなに宿題が片付かないか考えてみたのだけど・・・
フルートは、メソードが毎週1ページ+1課題、タファネルは毎週平均2ページ、エチュード2曲、ソナタかコンチェルト1楽章分、・・・これだけが、毎週、新規で出される宿題。
今週は、さらにもう1曲、「デゥヴィエンヌのコンチェルトも試しにやってきて」とかなんとか言われて、さらに宿題が多い。(つまり、今週はコンチェルト2曲!)
いまちょっと計算してみたら、これ、ノンストップで全部通して吹くだけでも2時間はかかる。(じつは、そのほかにも、試験のためにいつでも吹けるようにしておくように言われている曲が2曲あるのだけど、手が回らないので放置してある。)
それとは別に、今週は室内楽の新しい課題(ダマーズのソナタ)がある。
あと、これは自業自得なのだけど、ぼくの場合は、リコーダーの宿題(ヘンデルのソナタ)もある。
これ、普通に考えて全部こなせるわけないよね。
来週のレッスンは、「できませんでした」とか言って、どれかちょっと間引かせてもらちゃおう・・・などと後ろ向きなことを考えているうちに、渡仏前に謎だった疑問が解けてくる。
渡仏前、なんでフランスの学校はこんなに休みが多いのだろう。授業料払っているのに、もったいない・・・などと思っていたのだが、どうもこちら、(仕事でも勉強でも)やるときは思いっきり詰め込む主義のようだ。で、休むときには思いっきり休む。
それから、渡仏前、フランス人のメル友がいて、「パリのアパートの家賃は信じられないくらい高くて、まいってます。」というようなことを書いたら、「クリスマスを過ぎたあたりから、卒業をあきらめた学生が帰っていくので、そのころから家賃相場が安くなります。そのころに引越しをしたらいい。」という返事が返ってきて、(そのときは意味がわからなかったのだけど)最近その意味がわかってきた。
つまり、地方や外国からパリに出てきた学生は、授業についていけなくなり、卒業が絶望的になった時点で見切りをつけて、アパートを引き払って帰ってしまうようだ。そうやって物価の高いパリでの無駄な支出を節約して(さらにアルバイトなどで資金をためて)、次年度の再挑戦を目指して準備をはじめるらしい。
そういえば、入学時、あんなに混雑していた小さな音楽院が、最近、ちょっとひっそりしてきているような気もするなぁ・・・。
なんだか、こちらの学校、学年度ごとにどんどんふるいをかけていくシステムのようだが、日本みたいにほとんどが卒業できちゃうのもどうかという気もするし、フランスみたいに大多数が卒業できないというのもどうかという気もするし、どっちがいいのかわからない。
でも、入り口が広いという意味では、ある意味、フランスの方が平等なんだろうなぁ。
日本だと、門前払いだもんね・・・。
しかし、バレエなんかを見てもそう思うんだけど、フランスの芸術が圧倒的な強さを持っているのは、こういうシステムとも関係があるんだろうなぁ・・・。
たばこ、健康上の理由でなくて、経済的な理由でやめていたんだけど(こっちはひと箱800円!)、宿題&レッスンの重圧に耐えかねて、ついふらふらと買いに出かけてしまう。タバコは現金決済なので、お金を下ろしにいったら、いつものATMが動かなかったので、橋を渡って別のATMへ。
たばこを買った帰り、橋の上から。シテ島とサンルイ島と観光船。
一瞬なごんでから、また帰って練習。
おそらく若い人は知らないであろう、なつかしの茶色いフィルター。
日本と同じ銘柄でも、味も香りもコクがあって、どことなく古きよき時代の「煙草」の味(?)がして、こっちの方がずっとうまい気がする。
(高いから、そう思って納得しているだけか?)
ああ、でも、これひと箱すったら、またやめます。
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