◇ 雑記 ◇


ハイレゾ発売開始(2022/7/7)

「フランス・フルート名曲集」のハイレゾ・ダウンロード配信をはじめた。
「ハイレゾ」というと、ちょっとマニアックなお客さん像を想像してしまうが、「そういう楽しみ方もいいかも」と思って。


というわけで、今回は少しマニアックなハイレゾ音源制作の話。
プワソンルージュ音楽企画室では、2本のマイクだけでステレオ録音する「ワンポイント収音」を採用している。

「ワンポイント収音」の対義語は「マルチマイク収音」だ。フルート用マイク、ピアノ用マイク、両方の楽器を録るメインマイク、ホールの残響音を録る環境音マイクなど、たくさんのマイクを立てて、ミキサーでミックスしてL-Rのステレオ音源にまとめる。あとから各マイクの音の調合具合によって音質を調節できる利点があるため、こちらの録音が主流になっている。

プワソンルージュ音楽企画室の「ワンポイント収音」では、2本のマイクを、アナログ全盛期の80年代の技術で製作したマイクプリアンプに直結している。ミキサーは通していない。マイクプリアンプは、96kHz/24bitデジタル・マスターレコーダーに直結。これによって、ナチュラルで高音質の音源を録音している。
「ワンポイント収音」は自然な音が録れるにもかかわらずめったに採用されない。それは、良くも悪くも録音状態がそのまま録音されてしまうからだ。マイクをセットする位置が数cm狂っていただけで音質を損なってしまう。録音後に気が付いても修正はできない。

今回のハイレゾ配信は、96kHz/24bitでの配信。
つまり、96kHz/24bitのマスターレコーダーにダイレクトに録音した音が、そのままハイレゾ配信ファイルの音に反映されている。
市場にはなかなかない音源だと思っている。

この音のこだわりはどこからきているかというと、オーディオのこだわりからではない。演奏者としてこだわりである。フランス音楽は音のニュアンスがとても重要だ。たとえ「いい音」でも「音のニュアンス」が録れていなければ意味がない。
音のニュアンスは繊細で、マイクでとらえるのが難しい。うまくとらえることができても、ちょっと音をいじると損なわれてしまう。


― 下記の配信ストアなどでハイレゾ配信中 ―

    

    


通信障害(2022/7/3)

いま、auの大きな通信障害が起こって、たいへんな騒ぎになっている。

ぼくは、携帯を持ってない。持ったこともない。
持っているのはこれだけ。



ナンバーディスプレイ機能はない(液晶がない)。
子機も、留守電も、電話番号メモリーも、なんにもない。
子どものころにあったプッシュ式黒電話と同等の機能だ。
わざわざ苦労して探した。こういうの。
フランスメーカー製で、呼び出し音がとてもきれい。

ここまで来ると変人だが、でも、みんなスマホ依存症になっている気もする。


神戸に行く(2022/6/5)

神戸に1拍2日でうちの奥さんと行ってきた。

1日目は、レコーディング・CD製作をしているKOBERECSの善沢さんご夫婦にお会いした。
KOBERECSさんには、前回のCDに引き続き、今回のCDのマスタリングを依頼している。マイクで録音した音は、「マスタリング」という工程を経て、マスター音源になり、それをCDプレス工場に納品する。CDの音と品質を決める、最後の重要な工程だ。

最初にKOBERECSのオフィスに案内していただいた。オフィスにはチェンバロがあって、遊びで善沢さんとリコーダーのデュオを2曲合わせをした。そしたらもう遊びを超えた心地の良いアンサンブルで、「これ、なんかの演奏会でやってみたい!」とか、いろいろ妄想が湧いてきてしまった。





善沢さんと

この後、善沢さんのご自宅にお招きいただきいいただいた。ご自宅には善沢さんのご主人が作られた小型のパイプオルガンや、アンプがたくさん。
パイプオルガンのかわらしくてあたたかな音色なこと! パイプ1本1本、ふいごまで全部手作りとのこと。
アンプは真空管アンプで、筐体も手作り。美しい外観のデザインで、中を見せてもらうと、配線も美しくて、すみずみまでメンテナンスが行き届いていた。
お人柄が作品に表れているかのよう。
善沢さんとうちの奥さんをそっちのけで、アンプのマニアック談議に花が咲かせていまった。ご主人とはFacebookで友達になっていたのだけれど、リアル友達になれてうれしい。

手作りの夕食までご馳走いただいて、ご夫婦と、音楽の話から、今回作ろうとしているCDの話、録音の話・・・と、雑談から深い話まで、夜遅くまで楽しく過ごさせていただいた。

2日間は、三宮の雑貨屋さんを覗いて帰宅する予定だった。
行きの新神戸駅の新幹線改札を出たところに「神戸布引ハーブ園」直通のモノレールがあった。ハーブ・アロマオイル好きのうちの奥さんの意向でそちらに変更した。
ロープウェイで神戸市街や神戸港を一望しながら登っていくと、あっという間に美しく整備された大きな植物園に着いた。
すごくいいところだった。
うちの奥さん大喜び。
ぼくも、ずっと続いていた多忙状態から解放されて、木の葉がさわさわと立てる音や、野鳥たちの鳴き声に癒された。


新神戸駅から異世界に登っていくロープウェイ



子どもに戻っているうちの奥さん



死んだように癒されてます(笑)



用途不明のふしぎな小屋


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