◆レコーダー (2014/8/1) ◆
レコーダー(録音機)を買ってしまった。
SONYのPCM-D100というリニアPCMレコーダー。
ポータブル・レコーダーを購入するのは、これで、歴代4台目である。
SONY PCM-D100
レコーダーは、メトロノームやチューナーに並んで、ふだんの練習にいつも使っている。
いつも、録音して聴いては直し、録音して聴いては直し・・・、という、地味な作業をくりかえしやっている。
録音では、全体の音楽の流れみたいなものもチェックしているが、それ以外にも、テンポ感や、リズムや、音程や、音色など、いろんな細かいこともチェックしている。
なので、録音する機械の性能に関しては、自分が実際に出している音色と、録音されている音色が、どこまで一致しているのか、というのは、いつも気になるところではある。
数ヶ月前、このレコーダーをネットで見かけて、『そうか~、ソニーの今のリニアPCMレコーダーは、こんなのなんだ。』などと思いつつ、外観の写真を見たり、製品の仕様を見たり、いろいろ見ていたら、なんともきれいな線をえがく内蔵マイクの周波数特性図が目にとまり、『このマイクは良さそうだなぁ~』 『これは、フルートの高音の倍音まで、出ている音がそのまま録れそうな気がするなぁ~』 『そういえば、マイクの外観からして、なんだかちゃんと作っていそうな雰囲気だしなぁ』 ・・・などと思いながら眺めているうちに、どんどん妄想は膨らみ、そしてとうとう、今回、購入に至ってしまったわけである。
PCM-D100の内蔵マイクの周波数特性。
20kHzまでほぼフラット。民生用のマイクで、こんなきれいな
特性をしているものは、いままで見たことがなかった。
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SONY WM-D6C (Walkman Professional.)
ちなみにこれは、ぼくが初めて買ったレコーダー。
歴代1台目のレコーダーは、高校1年生のときに、親戚からもらった高校入学祝のお金で買ったカセットテープレコーダー、SONYのWM-D6Cである。
このテープレコーダーは、自分のフルートの音を録るのにも使ったけど、ふだんの音楽鑑賞にも使ったし、音楽大学入試の聴音の練習のためにも使った。
本当によく使って、何度も修理にも出した。
なんだか、思い出がギュッと詰まったレコーダーである。
このテープレコーダーは、大学を卒業するころまで使った。
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SONY TCD-D7 (DAT Walkman.)
これは、大学を卒業したころに購入したレコーダー。
歴代2台目のレコーダーは、DAT(デジタル・オーディオ・テープ)ウォークマンのTCD-D7。
このころは、世の中デジタル化の嵐だった。
中学生のころから、小遣いで少しずつ買い集めていたレコードは、レコード店からだんだんと姿を消し始め、CDの棚が幅をきかすようになってきた。
レコードが消えて行くことに少し寂しさを感じる一方、CDやDATなどがキラキラとしてして見え、憧れたのも事実だった。
このころは、レコードがCDに変わっていくように、カセットテープはDATに変わっていくんじゃないかと思っていた。(実際は、そうはならなかったけれども。)
DATを使い始めて気がついたのは、良い音で録音するためにはレコーダーも重要だが、それよりもっと重要なのはマイクの方だと気付いた。
そこで、長さが30cmくらいある大きなマイクを買って、このDATとともに持ち歩いていた。
(その後、マイクアンプもかなり音に影響があることに気づき、このDATとマイクに加え、弁当箱ぐらいの大きさの自作のマイクアンプも一緒に持ち歩くようになった。)
この大荷物の録音機材とフルートを持って、リハーサルの録音もしたし、時にはコンサート本番の録音もしたし、発表会の録音なんかもした。
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SONY PCM-D50 (リニアPCMレコーダー.)
いつの頃からか、DATのカセットテープを、近くの電気店で扱わなくなってしまった。
その後もしばらく、遠方の大型電気店なのでテープを入手していたが、とうとうそこでも扱わなくなってしまい、ああ、そうか、DATの時代は終わったんだな・・・、と思った。
そこで、次に購入したレコーダーは、この、リニアPCMレコーダー、PCM-D50。
歴代3台目のレコーダーである。
リニアPCMレコーダーというのは、ICレコーダーの一種である。
いままではテープなどに音を記録していたが、ICレコーダーは、内部にあるICに電気的に音を記録する。
そのため、いままであった、テープを駆動するための精緻を極めたメカが、レコーダーの内部から姿を消した。
その結果、ICレコーダーの筐体の中にあるのは、薄っぺらい回路基板と電池ボックスくらいのものになってしまい、技術の粋を集めたかつてのSONYらしさとか、MADE
IN JAPANらしさとか、そういうものが内部にひしめいているような製品ではなくなってしまった。
そのあたり、ちょっと寂しくも思うのだけれども、でも、精密でもろいメカ部分がなくなることによって、どれだけ酷使しても壊れなくなった。
テープ代もかからなくなった。
おかげで、練習のチェックのために、毎日、気兼ねなく録音できるようになった。
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