◆ パリ20日目 (2006.10.9) ◆

きょう、・・・滞在許可書に必要な重要書類が足りないのに気がつき、シャルル・ド・ゴール空港からセントレアへの復路便にあわてて乗って引き返し、セントレアで必要な書類を手に入れる。しかし、再びシャルル・ド・ゴールに戻る航空券がなく、チェックインカウンターのお姉さんがわき見をした瞬間に、他の客に引っ付いてドサクサで香港経由便に乗り込む。香港空港では、フランスに密航しようとしている中国人に混じってパリ行き便に乗り込もうとするが、パリのポリスに発覚し、密航者とともに逃げるが、とうとう追い詰められて銃を向けられる・・・という、なんだかディティールが超リアルで、かなり寝覚めの悪い夢を見ていると、電話が鳴って目が覚める。

寝ぼけて、日本にいるのと錯覚し「はい、もしもし。」と言うと、フランス人が「ボンジュール、ムッシュー」。
きょうは間違い電話ではない。たぶんフランステレコムの人らしく、支払い手続きのことについてなにか言っているようだ。
けっきょくなにがなんやらわからず、片言でとんちんかんなやり取りをしていると、あきらめて電話を切ったようだ。（支払い手続きは完了しているはずなので、たぶんなにかの間違いだとは思うのだが・・・）

ここのところ、役所やら銀行やら電気会社やらから、連日のようにフランス語の手紙が届く。ちょっと読むのが面倒で、電気会社が何かを送れと言っているのを数日放置していたのだが、観念して電気会社宛の支払手続書を郵便局に出しに行く。

郵便局で、モーツァルト生誕250年の記念切手のポスターが貼ってあったので、思わず衝動買いする。シートはちょっとベタな感じだが、１枚１枚の切手は、それぞれのオペラの雰囲気をよく捕らえており、なかなか美しい。

だれかへのお土産にしよう。

ところで、フランスは恐ろしく「紙」が好きなようで、膨大な種類の書類の提出にうんざりなのだが、しかし、書類の管理能力は恐ろしく優れている。郵便局でも必要な書類や切手が、どこからかのファイルからさっと出てくる。
学校でもそうで、審査をしていたときの副学長の殴り書きのようなメモの紙切れまでが瞬時にどこからか出てくる。
ヨーロッパが全般的にそうなのかもしれないが、こんなふうだから何百年前のパッハやモーツァルトの楽譜や手紙やメモまでもが現代まで残っているのだろうなぁ・・・

今日は、その後、明日に備えて練習。その後にスーパー「MONOPRIX」へ。

では、家計簿コーナー。写真、左奥より順に、

・パン： 0.7EUR (\105)
・こんどこそ本当の塩。「海の塩 125g」： 0.59EUR (\89)
　（ちなみに先日買った「道化の塩」はとても食える味と匂いではなかった。）
・白こしょう。ミル付。（これは大丈夫そう）： 2.62EUR (\393)
・たぶん普通のオリーブオイル 250ml： 2.55EUR (\383)
・たぶん普通のバルサミコ酢 250ml： 2.43EUR (\365)
　（オリーブオイルも酢も恐ろしくたくさんの種類がありわけがわからない。）
・パスタソース／オリーブ： 1.9EUR (\285)
・パスタソース／ズッキーニ： 1.9EUR (\285)
・パスタソース／カルボナーラ： 1.49EUR (\224)
　（一昨日の成功に味をしめ、同じメーカーのものを３種類買ってくる。）
・ブリックパックのスープ２個いり（かぼちゃ）： 2.2EUR (\330)
　（これも一昨日の成功に味をしめ、同じメーカーの別のものを買ってくる。）
・ノルマンディのカマンベールチーズ （チーズ初挑戦）： 2.74EUR (\411)
・ハム２枚（家で訳してみると「白い七面鳥」と書いてある）： 1.05EUR (\158)
・よくわからんがハンバーグ状のもの２個： 2.9EUR (\435)
　（Haches au Veauと書いてある。絵から察するにフライパンでいためる物のようだ）
・でかいピーマン３色 （何色がうまいのか食い比べ）： 2.2EUR (\330)
・トマト ひと房： 2.23EUR (\335)
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合計：27.27EUR (\4090)　　（←きょうは予算オーバー）

おそろしくひどい盛り合わせだが、でも、ぼくは
日本では料理はそれなりに上手かった。
なにをどうやったら食えるのか、人体で実験中だ。

話はかわるが、頻繁に人に道を聞かれたり、写真を撮ってくれと頼まれたり、スーパーで何か聞かれたりする。
写真はまだいいけど、道を聞いたりするのは、近くにいっぱいフランス人がいるんだし、そっちに聞いてくれよ、と思う。
あまりにしょっちゅう聞かれるので、「申し訳ないけど、私はあんまりフランス語がうまくないんです。」という使い慣れたフレーズを、流暢なフランス語で答える。　

◆ パリ19日目 (2006.10.8) ◆

もう朝は寒くて、ベットから出たくないようなかんじ。でも昼間は温かい。
今日は家にこもって練習していたが、『でも、気候が温かいうちに公園に行っておこう。美術館は寒くなってからでもいいけど。』と思って、３時くらいから出かける。
行き先は、ここから歩いて行ける距離にあるリュクサンブール公園。

うわっ、すごい人。


うわっ、すごい彫刻。


建物の前の池（泉？）には、カモと舟がたくさん浮かんでいる。


子供たちがさおを持って、舟が岸に近づくのを待っている。


一画で自然保護のキャンペーンらしきものをやっている。
そっけないほどシンプルだが、訴えかけてくるものがある。


さっきのところで無料でもらった綿のトートバック。
「６千万人がやれば、それは小さくない行為です」と書いてある。
（注： ６千万人＝フランスの人口）


隅っこの方に、なにやらぞっとするほど美しいものが・・・
案内板に「メディチ家の泉（噴水？）」と書いてある。


案内板によると、上は「Polypheme」、下は「AcisとGalathees」のようだが、
後で辞典で調べても誰かわからず。　（追記： Ｎさんが教えてくれました。
リュリ作曲のオペラ「アシスとガラテ」(1686)の一場面のようです。10/13）


下の男は左手にパンフルートを持っている。
木漏れ日の光の中で、とても幻想的な光景だ。

◆ パリ18日目 (2006.10.7) ◆

きのう夜更かしをして、今日は昼まで寝ていて、電話の呼び鈴で目が覚める。
フランス人からの間違い電話だった。
おかげでパッチリ目が覚め、しばらく迷った末、室内楽の先生に電話してみる。
すると留守電に・・・
ああ、留守電の方がまだ気楽だな、と思って、用件を作文して、電話すると、こんどは留守電ではなくて、生の先生が・・・

ぶん：「ボンジュール。ぶんげんです。私は音楽院のあなたのクラスの生徒で・・・」
先生：「はいはい、よくわかっています。」
ぶん：「私の思い違いでなければ、私は昨日あなたとアポイントをとっていましたが・・・」
先生：「それで、あなたは来られなかった、ということなのですね？」
ぶん：「いえ、それがー、かくかくしかじか・・・」（←しだいにあやしいフランス語に・・・）

ともあれ、なんとかぎこちなくも一件落着・・・。ほっ。

明日は日曜日なので、急いでスーパーへ食料の調達へ。
先日のパスタ事件に懲り、今日は品揃えが多い「MONOPRIX」まで行く。

スーパーへの道すがら。近くのあやつり人形屋さん。
土曜日なのでたくさんの観光客。


大通りに面した花屋さん。


「MONOPRIX」で調達してきたもの。

今日の家計簿コーナー。写真左奥より順番に・・・

・いつもの牛乳３本：１本あたり1.09EUR (164円)
・もう一回シードルに兆戦：１本あたり0.68EUR (102円)
・たぶん今度こそ本物のパスタソース：1.9EUR (285円)
・オレンジジュース／小：1.5EUR (225円)
・ヨーグルト４個入り（今日はレモン）：1.6EUR (225円)
・スープのブリックパック２個入り：１個あたり0.99EUR (148円)
・バター／半塩 (「半塩」と「甘口」の２種類がある）：0.98EUR (147円)
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合計：13.94EUR (2,091円)

ジュース類より酒類のほうが安いこともしばしば。
酒に強い人にとっては天国だろうな。（・・・残念。）

滞在18日目にして、初めて晩飯らしい晩飯を食べる。
パスタソースは、オリーブやいろんなハーブの香りがする野菜のソース。
スープもけっこううまい。シードルはやはり色も味も濃いものだった。

◆ パリ17日目 (2006.10.6) ◆

今日、室内楽の登録のやり直しのために学校に行く。
しかし、D先生とはけっきょく会えず。電話で日にちか時間を聞き間違えたのだろうか？
日にちは聞きづらかったものの「では、あした」と言っていたので、たぶん今日だとは思うのだが・・・

帰ってから、また台本作りからはじまって電話するが、タイミングが悪かったようで、「いまとても忙しいので、○時から○時までにまた電話ください。」と、おそらくそういうようなことをいそいでおっしゃったのだが、よく聞きとれず。

うじうじ悩んでしまって、けっきょく今日は電話できず。
明日は休日だけど、仕事の話で電話していいんだろうか・・・と、またうじうじ。
客観的に見てべつに悩むようなことではないのだろうけど、なぜか今日はヘコんでしまう。

学校の掲示板


学校の中庭の隅


子供用の楽典の本