◆ 打ち合わせ (2007/8/6) ◆
きょうは、Lさんと朝から長久手にでかけて、レッスンの引継ぎなどをやって、その帰りにラーメンを一緒に食って、さらに、スターバックスに行って、今後の仕事のことなど、ざっくばらんに打ち合わせをする。
Lさんとは、なんだかんだ15年以上(?)一緒に仕事をしていて、レッスンにしても、演奏活動にしても、Lさんはぼくのマネージャー的役割を請け負ってくれていて、最初は冗談で「マネージャー」と呼んでいたのだけれども、しかし、ここ最近のLさんのマネージャーとして仕事っぷりは、もうプロフェッショナルな域に達してしまっている感じだ。
で、この「マネージャー」としてのLさんと、ぼくの関係なのだけれども、よく考えてみると、かなり面白い。
「マネージャー」という言葉には、大きく分けて二通りの意味があるように思うけれども、まずひとつは、芸能人などの外部との交渉をとりしきったり、つまり、世話をする人であり、もうひとつは、ホテルの支配人や舞台監督など、物事を支配する人である。
で、Lさんはというと、(ぼくも、Lさん自身も、無自覚なままに)世話人と支配人の両方の役割を果たしている。
* * *
Lさん、いろいろな仕事を気ままに取ってきていて、知らない間にぼくのスケジュールを組んでいる。
・・いや、正確に言うと、知らない間に勝手にLさんがぼくのスケジュールを組んでいるわけではなくて、ぼくが、ひとつの演奏の仕事に取り掛かっている間は、それが終わるまで他の事に対してうわの空になっていて、「ああ、まかせる」とか、「適当に組んどいて~」とか、生返事をしているので、結果的にそうなってしまっている。
それで、後日、「しあさっては○○があるよ」とか、「来月は○○があるからちゃんと練習しといてよ」とか言われて、ひーひー言いながら仕事をこなすことになる。
Lさん、ぼくのことを買いかぶりすぎている。
Lさんは、ぼくが天才的なひらめきみたいなものを持っていて、なんでもぱっぱと取り出せるように見えるようなのだけれども、それは大きな誤解だ。
こちらは、毎回、しんどい産みの苦しみ味わっているのだ。
ところが、Lさん、最初から「天才的ひらめき」を織り込み済みで仕事をとってくることが多くて、最初は、「そんなの、現実問題無理だよ~!」と、ぶーぶー文句を言ったり、「だって、『まかせる』って言ったじゃない!」と反撃を食らったりしているのだけれども、いつの間にか、その難題をなんとか形にしようと夢中で走り回っている自分がいる。
(で、そんな最中に、Lさん、次の仕事の話を持ってきたりするのだけれども、こちらは産みの苦しみの真っ最中で、他の仕事のことを考える余裕などなく、「ああ、まかせる」、「適当に組んどいて~」となって、気がつくと、また新たな難題を含んだ仕事が「知らない間に」組まれていることになる。)
でも、結果的に、なんだかんだ毎回なんとか結果を出しているところをみると、Lさんの勘の精度はけっこう高そうだ。
Lさんの無理難題には、現実離れしたとんでもないものが多いのだけれども、でも、それは結果的に、いまだかつて見たこともないような新しいものを作り出すインスピレーションを与えてくれてくれることが多い。
ある意味、芸術なんていうのは、現実離れした夢のようなものに面白みがあって、Lさんのような現実問題無視の夢想のような無茶なアイデアがないと、なんとなく妥当で凡庸な線に落ち着いてしまってつまんないかもしれない。
まあ、モノを創る者としては、こんな面白いコンビはそうそうないと思う。
日本に帰ってから、はじめてのラーメン。
デジカメを手でもてあそびながら「マネージャー」のLさんと打ち合わせ。
Lさんもデジカメをいじり始める。
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