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No.284: 演奏会 (2007.7.1)

きょうは、音楽院のK先生門下生の無料の演奏会がモンパルナス駅のすぐ近くであって、
YさんとHさんも出演するようなので、聴きに行ってきた。
YさんとHさんの演奏、ほんとうに素直にいいなぁー、と感激してしまうような音楽を作っていて、本当によかった。

演奏会を聴きに行って間接的に気がついたのだけど、きょうは、なんだか、言葉で表現できないような、自分にとって大切なものに気がついてしまったような・・・、きょうは、そんな記念日。



モンパルナス駅周辺とモンパルナス・タワー。

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No.283: 濃い毎日 (2007.6.30)

帰国間際になって、きょうも濃い充実感のする一日だった。
なんだか、いままで練習に追われて体験できなかったようなパリを、ここ数日で一気に体験しているような気分。

きょうは、3時ごろに、Hさんと一緒に、また、一昨日行った楽器店に行ってきた。
店主が次々と出してくれくれる歴史的な名器のフルートには驚くばかり。
まるで、博物館に展示されているようなフルートを、手にとって試奏させてくれるのだ。
バッハの時代のフルート、ロマン派の時代のフルート、ドビュッシーの時代のフルート・・・
そういったフルートで、それが制作された国の、その時代の音楽を吹くと、まるでその時代の音楽がよみがえったような息遣いとか、音楽が感じられる。
ルイ・ロットなどのフランスの名器は、大戦をへだてて激しく損傷しているものが多いようだが、そういった楽器を、店主が一点一点時間をかけて修復しているようだ。
どうやらこの店、トラヴェルソの名手の有田さんも着ていたようで、彼が書き残して言ったメモなどを出して見せてくれたりした。

店主は、日本の笛にも興味を持っているようで、尺八などことなど、前回いろいろ質問されたので、今日、ぼくは、しの笛や、しの笛の譜面を持っていって見せてきた。
そしたら、しの笛の漆塗りの仕上げの美しさにえらく感激して、そのほか、独特の音色の表現や、特殊な記譜法に強く興味を興味を持ってくれたようで、記譜法や、日本の拍のない「間」の観念や、音階の特殊性などいろいろ質問されたり、ぼくが演奏している姿を熱心に写真にとっていたりした。
この店には3時ごろに行って、その店を出たのは、なんと8時半!
なんと、5時間以上も長居してしまった。

その後、Hさんとなんだかんだ話しながらサンルイに帰ってきて、晩飯を食っていこうかという話になって、サンルイ島のぼくのアパートの真向かい(うちから徒歩5秒!)のブラッスリーに行ってきた。
ぼくは、そこは観光客向けの適当な店だろうと勝手に思っていたのだけど、Hさんによると、そこは、なんと、けっこうよい店らしい。
実際に入ってみると、なんとも居心地のいい空間。そして、うまい料理。それから、粋な感じのギャルソンの身のこなしのかっこいいこと!

きょうは、帰国間際にして、一気にパリを楽しんできた感じ。



一昨日、目を惹きつけられたショウウィンドウ。
とんでもなくすごい楽器が無造作に並んでいる様は壮観!


つぎつぎと出してくれた名器の中で、ぼくがもっとも心を惹かれたフルート。
現代フルートのようなパワーはないけれども、これでシューベルトを吹くと、
ロマン派の香りがするメロディーと音が、楽器からひとりでに生まれてくる。
(写真奥。ベーム式メカニズムをもった、円錐管のフルート。)


工作機械が所狭しとならんだ店内。


店主といっしょに。
彼は、以前はフルーティストだったのではないかと思うくらいフルートがうまい。


うちの向かいにある見慣れたブラッスリー


コースのオニオンスープ。これが絶品だった!
たぶん、ぼくがフランスで食ったものの中で、いちばんうまいもの。


帰りぎわの店内。

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No282: SHARTIER (2007.6.29)

きょうは、夜、Hさんが知っているレストランに連れて行ってもらった。
「シャルティエ」という大衆食堂のような店で、創業1896年。「ボルサーリーノ」という映画の舞台になったレストランらしい。(その映画は見たことがないので知らないけれど・・・)

値段は、パリにしては驚くほど安くて、コースメニューでワイン・デザート付きで17.5ユーロ(約3000円)。
席に案内されると、相席だったのだけれども、「ボンソワール」と挨拶して並んで食事をしてみると、不思議とお隣が気にならない。(というか、かえって楽しかったりする)
店内は天井が高くて、パリの古きよき時代の雰囲気があって、美しかった。
わいわいがやがやにぎやかなのだけれども、これも別にうるさいというわけでもなくて、なんだか陽気な雰囲気で気にならない。
出てくる料理は、とても簡素な調理方法で作ったものばかりで、素材の味がそのまま残っている。いわゆる洗練されたフレンチとは違っていて、本当に庶民的な「定食」みたいな感じなのだけれども、それが、なんだかそのまんまの飾らないパリという感じがして、かえって楽しかったりする。
日替わりのメニューがあるのだけれども、行きつけの店にしている常連さんも多いんじゃないかな?

Hさんと、また、音楽の話やら、そのほかいろいろわいわい喋ってきて、それも楽しかったのだけれども、やっぱり、レストランに欠かせないものは、料理やワインだけでなくて、店やギャルソンの雰囲気や、楽しい会話なんじゃないかなぁ、と思う。



入口


メイン。ポークとカリフラワーのロースト


店内の様子とギャルソン


デザート。紙のテーブルクロスの書き込みはオーダーの伝票。

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