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No.281: リコーダー最後のレッスン (2007.6.28)

午前中は、リコーダーの最後のレッスンだった。
リコーダーは、いままでまったく未知の世界だったことまで、いろいろなことを教えていただいたけれども、それを実際に音にするためには技術が不足していて、いまの時点ではまだ、それを音楽で表現するレベルに達していない・・・と、自分では思っている。
先生は「よくなった」とかおっしゃってくれているけれど・・・

先生に教えてもらったことを忘れないようにして、日本に帰ってから技術的な問題を解決して、先生に教えていただいたことをちゃんと音にできるようにしたいと思う。
ほんとうに、あっという間で、可能であれはあと3年くらいは習いたいくらいなのだけれども・・・
フルートも室内楽もそうだったけど、リコーダーの先生も本当に良い先生にめぐり合えて、幸せだった。

いったんうちへ帰って楽器を置いてから、オペラの近くのヤマト運輸に行く。
日本人がいて、日本語で話ができて、らくちんだった。
とりあえず、予約をして、引越し用のダンボールを2つもらって、それを持ってメトロで帰る。

うちに帰ったら、ピアノもうまいフルートのHさんから電話があって、「いまから演奏会に行くんですけど、興味があったら行きますか?」というお誘いをもらったのだけど、パリとのお別れとの寂しさからか引きこもりがちなので、ぼくを外に引っ張り出してくれるチャンスだと思って、「行く行く!」と返事をする。
Hさんといっしょに、ピカソ美術館の近くの演奏会会場に行く途中、ぼくがたまたま古楽器の店(すごい数のフルート!)の前で立ち止まってしまったら、Hさんもそこに立ち止まってしまって・・・

ぼくはトラヴェルソに目が釘付け!
Hさんはルイ・ロット(フランスのフルートの名器)に目が釘付け!

2人でショウ・ウィンドウに鼻を引っ付けて15分くらい興奮してみていたら、中の店主が、「どうぞお入りください」と言って、店の中に入れてくれる。(そのとき、たまたまぼくが楽譜の袋を持っていたので、演奏家だということがわかって入れてくれたようだ。)
いろんな歴史的な、くらくらするくらいのすごい楽器(トラヴェルソ奏者の有田さんのコレクションみたい!)の数々を見せてもらって、試奏もさせてもらって、いろいろな楽器の説明を店主から聞いて・・・
そのうち閉店の時間が来たので、店主が店を占めて、それから、ぼくらのためにワインを開けてくれて、3人でいろいろと楽器について語ったり、音楽について語ったり(といってもぼくはあんまり喋れないけれども)、なんだか不思議な、楽しいひと時だったのだった。

けっきょく、帰りは夜の12時ごろ。演奏会はすっぽかしてしまった。
そんな感じで、きょうはなんだか濃い一日だった。



オペラの近くにあるヤマト運輸

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No.280: リコーダー (2007.6.27)

明日はリコーダーの最後のレッスン。きょうは一日リコーダーの練習。
あっという間に1年が過ぎてしまった。
もっともっと教えてもらいたいことがたくさんあるのに。

夜は、続編の写真集を作って遊ぶ。
もっと行きたいところがたくさんあるのに。
なんだか、残りの滞在期間は、帰国の引越し準備でつぶれてしまいそうな気もする。

早めにいろいろ片づいて、自由な日が2~3日できるといいなぁ・・・


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No279: 最後のレッスン (2007.6.26)

きょうはフルートのレッスン。
フルートのHさんが見学に来て、いきなりピアノ伴奏をしてくれたのだけど、なんと彼女、ピアノがめちゃくちゃうまい!
なんというか、うらやましいくらいのセンスを持っている。

きょうはフォーレを持っていったのだけど、先生、3拍目ごとにフランス独特の感じがする吹き方をしていて、その部分を「もっと自由に」吹くように言われたのだけど、やればやるほど変に崩れてきてしまって、うまくできなかった。
Hさんのピアノの音から察するに、Hさんにはそのフランス独特の「もっと自由に」が体の中に入っているような気がしたので、あとから、「さっきの、ぼくはできなかったけど、Hさんはできるんでしょ!」と、いろいろ(ちょっとしつこく)聞いてみたら、それは、1日や2日でできるものではなくて、彼女自身は何年もフランスで室内楽をやっている中で学んだものらしい。
彼女が言うには、日本に帰っても、なにかしら「それ」を学ぶ方法はあるはずだし、先生は、最後のレッスンで、いい課題を与えてくれたんじゃないかと思う、と言ってくれた。
今回は、Hさんのピアノの音にもいろいろ勉強させてもらった。

きょうは、やっぱり、最後のレッスンのようだった。
また、「アツィーロは、1年間で、技術的にも音楽的にもすごく変わった」と、また気恥ずかしくなるくらいほめてくださって、なんだかお別れの雰囲気になってきちゃったんだけど、でも、もう1回だけなんとかレッスンしていただけないだろうかと、無理は承知で頼んでみた。
そしたら、あとでメールをくださるとのこと。
メールのこと、忘れられそうなきがして、「私はあなたのメールを待ってます」と念を押して帰ってきた。


帰ってから、サンポール駅の近くの写真店に、はじめての自作のアルバムを受け取りに行った。やわな針金で適当に綴じてあるいいかげんな作り。紙のカットも適当で、写真が上によってたり下によっていたりする。写真そのものもあんまり鮮明でない甘い画質。

でも、色はちゃんとパリの色! パリの空の色。パリの石の色。このちょっといいかげんな画質の写真には、鮮明な写真には写らないような、パリ独特の空気の雰囲気が写っているかんじ。

― いいかげんで困ったことだらけだけど、いとおしいパリ ・・・なんだか、それそのまんまのパリの写真集ができていて、なんだかうれしい。
 
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