2001年11月の読書日記


  〜01日 ゴルデル「カードミステリー」
05〜06日 ゴルデル「アドヴェント・カレンダー」
07〜15日 ゴルデル「ソフィーの世界」
20〜21日 村上春樹「風の歌を聴け」
21〜28日 村上春樹「1973年のピンボール」
28〜29日 村上春樹「回転木馬のデッド・ヒート」
  〜29日 村上春樹「カンガルー日和」



01年11月29日 木曜日 村上春樹「回転木馬のデッド・ヒート」pp.143-194
                    「カンガルー日和」講談社文庫pp.1-120


「回転木馬のデッド・ヒート」読了。何やら興味深い話ばかりが語られていて、一気に読んじゃったな。

で、次は「カンガルー日和」。こちらも短編集。でも、僕には1話1話が短すぎるかも(10ページちょい)。短編でももうちょっとページ数のある方が好み。

p.35
「あなた、本当は結婚したいんじゃないの?」
「だから他人の結婚式で居眠りをする、と」
「復讐よ」
「潜在的願望によってもたらされる復讐行為?」
「そう」
「じゃあ地下鉄に乗るたびに居眠りする人はどうなる? 炭坑夫願望なのか?」
彼女はそれにはとりあわなかった。

この箇所、けっこう、うけてしまった。炭坑夫を持ってくるか。さすがにこのあたりうまいな。



01年11月28日 水曜日 村上春樹「1973年のピンボール」講談社文庫pp.116-175
                     「回転木馬のデッド・ヒート」講談社文庫pp.1-142


「1973年のピンボール」読了。うーん、特になし。ピンボールのあれこれが興味深かったのは、最初読んだときと同じ。この本に関しては、最初読んだときから、読み方が変わっていない模様。

「回転木馬のデッド・ヒート」は初めて読む作品。短編集だから、これまで手を伸ばしてなかったんだよな。作品としては異色だな。どっちかというとノンフィクション? だけど、これはおもしろい。どんどん読み進めてしまった。



01年11月27日 火曜日 村上春樹「1973年のピンボール」講談社文庫pp.57-115

ありゃ、読書日記を更新するの久しぶりなのね。なんだかんだと読むものがいろいろあって、小説読む時間がなかったからなあ。

んで、まだ「ピンボール」読んでます。明日には読み終わるでしょう。が、今のところ特になし。スピッツ聴きながら読んでたんだけど、「鈴虫を飼う」(←誰も知らんだろう^^;)がこの本のイメージにぴったりだな、とふと思った。なんとも言えない、もの悲しさ、か。



01年11月21日 水曜日 村上春樹「風の歌を聴け」講談社文庫pp.41-155
                     「1973年のピンボール」講談社文庫pp.1-56


「風の歌を聴け」読了。最初読んだときは、そんなに良い印象なかったんだけど、意外におもしろかった。この本読んでると、20歳前後の何とも言えない感触が胸に迫ってくるんだけど、どうしてその感触を感じるかはよくわからない。本の一文一文からじゃなくて、本全体で、ある感触を表現してるって感じ。うまいな〜。

p.117
「何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、何も持ってないやつは永遠に何も持てないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ」

続いて、「1973年のピンボール」に入りましたが、これはまた後日に。



01年11月20日 火曜日 村上春樹「風の歌を聴け」講談社文庫pp.1-40

今日からは何を読むかはけっこう迷った。松谷みよ子の「直樹とゆう子の物語」を読もうかと思ったけど、生憎今日は鞄が重いので、迷った挙げ句パス(←全集だから重い)。んで、薄い本を本棚で探したところ目にとまったのが、村上春樹の「風の歌を聴け」。これだと短いからすぐ読めるし、ちょうどいいや。一度読んだきり、読み返してなかったから、内容ほとんど覚えてないし。

で、読み返したら、けっこうおもろいやん。最初読んだときはおもしろいとは思わなかったんだけど、なんか味わえる箇所がけっこうある。



01年11月15日 木曜日 ゴルデル「ソフィーの世界」NHK出版pp.467-662

「ソフィーの世界」読了。手強かったな、この本。これだけ読み応えがあると、一回読んだだけじゃとてもじゃないけど、消化しきれん! 

でくのぼうさんは「子どもに紹介したい本」に、この作品を挙げてるけど(ってまだ未公開だったな、これ^^;)、この作品は子どもにはちときついと思うな。むしろ「大人に紹介したい本」だ、これ。まあ、人に紹介したい本なのは間違いないけど。



01年11月14日 水曜日 ゴルデル「ソフィーの世界」NHK出版pp.334-466

今日読んだ箇所で、この本の構造が明らかに! むぅ、こうきたか!って感じ。やられたなあ。うまいなあ。この続きは「ひとりごと」へ。

この本にはたくさんの偉大な哲学者がでてくるけど、これまでにある程度考えを聞きかじってた人の話や、自分の考えに近い人の話は読みやすい。そうでない人の話は、頭に入りにくくて読みにくい。

今日読んだ箇所だとヘーゲルの考えは好きだな。
p.463
「思想の、というか理性の歴史も、そんな川の流れのようなものだ。そこにはきみより以前の世代が考えたあらゆる思想が流れこんでいて、きみの時代の生活条件といっしょになって、きみの思考を決定している。だから、ある考えが永遠に正しいなんてことは言えない。きみが今立っているところでは正しかったりするだけだ」

p.465
「だれでも歴史を学べば、人類が自分を知り、発展させることをずっと目指してきたことがわかる。人類の歴史ははっきりと、合理性と自由が増える方向に進んでいる。さんざん脱線もするけれど、全体として見ればたゆみなく前へ前へと進んでいる」



01年11月13日 火曜日 ゴルデル「ソフィーの世界」NHK出版pp.276-333

今日もほどほどに。話も中盤。そろそろ何かが起こりそうだ。先が楽しみではある。



01年11月12日 月曜日 ゴルデル「ソフィーの世界」NHK出版pp.149-275

今日はよく進んだように見えるけど、週末もここは更新しなかったものの少しずつ読み進めていたのだ。

基本的に歴史好きな僕としては、歴史の流れに沿って、哲学の考えの変遷を追う、というこの本のスタイルは好き。スケール大きいし。でも、哲学の先生の真面目な話を読むのは少し集中力を使う。ので、かけてる時間のわりにはページ数は進まないなあ。まあ、長い時間かけて楽しめるからいいけど。



01年11月08日 木曜日 ゴルデル「ソフィーの世界」NHK出版pp.61-148

それなりに時間かけた割には進まなかったな。わりとまじめな哲学講義が続くので、けっこう集中しないと読めない。でも、難しいテーマをかなりわかりやすく書いてくれてるのは伝わってくる。哲学の系譜は一度おおざっぱに頭に入れておきたいと思ってたから、ちょうどいいや。



01年11月07日 水曜日 ゴルデル「ソフィーの世界」NHK出版pp.1-60

さて、何を読むか迷った結果、原点に戻るという意味で井上靖の「しろばんば」を手に取った。読み始めた。だけど、大学に行くと「ソフィーの世界」が届いてた。となると読むしかないでしょ「ソフィーの世界」。

でくのぼうさんも言ってたけど、確かに読み応えがある。読み進めるには、ちょいと集中しないといけない。だいたい分厚いってこの本と思って後ろを見ると、667ページまであるじゃん。これを持ち歩くのはちょっと骨だけど、まあがんばろう。

p.14「人は、いつかはかならず死ぬということを思い知らなければ、生きているということを実感することもできない、とソフィーは考えた。そして、生のすばらしさを知らなければ、死ななければならないということをじっくりと考えることもできない、と。」



01年11月06日 火曜日 ゴルデル「アドヴェント・カレンダー」NHK出版pp.158-317

「アドヴェント・カレンダー」、一気に読了。これまたおもしろかった。いつの日か、自分の子どもにプレゼントしよっと。・・・クリスマスプレゼントとして。何歳くらいになったときがいいかなあ・・・。うーん、12歳? どっちにしても、楽しい本だった。

さーて、明日から何を読むかなあ。



01年11月05日 月曜日 ゴルデル「アドヴェント・カレンダー」NHK出版pp.1-157

で、今日から「アドヴェント・カレンダー」(週末から読み始めてたけど)。これはまず設定からして「うまい!」という感じ。

近づくクリスマスを一日、一日楽しむアドヴェント・カレンダーの中から毎日話が飛びだしてくるというのも良い。さらには、その話の中で、2千年の年月を遡っていくっていうのには脱帽。

こりゃ明日には読み終わりそうだな。

p.73「賢くなるには、まさにふたつの道があるのです。ひとつは、世界じゅうを旅して、神の創造物をできるだけたくさん見ることです。もうひとつは、定まった場所に根をおろして、そこで起こることをできる限り注意深く研究することです。問題はただ、このふたつは同時にできないことです」



01年11月1日 木曜日 ゴルデル「カードミステリー」徳間書店pp.180-387
「カードミステリー」一気に読了。あ〜楽しかった。

この本の一番大きなテーマはわかりやすい(何度も繰り返されてるから)。

p.350
「子どものうちは、自分のまわりをゆっくり見る能力があった。けれど、やがて世の中に慣れてしまう。成長するということは、感覚の経験に酔っ払ってしまうことなのかもしれない。」
p.352
「私たち人間は生きるというとても不思議なことに、慣れっこになってしまっている。なんとも悲しいことだと思う。いつの間にか、私たちは、自分が存在しているということを当たり前のことだと思ってしまう。そしてやがて、そのことはそれきり考えないまま、この世を立ち去ってしまうのだ。」

生きている、そのことだけで十分に不思議なことだ!

この本って、きっと僕の「子どもに紹介したい本」のかなり上位にくるな。




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