<楽器と人柄>
むらさき(以下、紫): 本棚1周年のお祝いとして、でくのぼうさんから素晴らしいお祝いをいただきました。
でくのぼう(以下、でく): いや、そんなつもりじゃ・・・・・・
紫: 題して「楽器と人柄」です。
でく: いや、だから、お祝いなんて話は聞いてないって。
紫: あれ、そうだっけ?
でく: そうだよ。あんたが勝手に「これ、おもしろいからコーナーにしよ」って言い出したんやろ。
紫: なーんだお祝いじゃなかったんや。がっかり。
でく: まあ、そんなことはどうでもいいやん(ってなんで私、関西弁使ってるんやろ)。
紫: そうだね(もうちょっとこの調子で続けたかったのに)。
紫: でくさんは中学校高校時代は吹奏楽で、大学時代はオーケストラだったんだよね。
でく: うん。中学のときはユーフォニウム、高校と大学はトロンボーンやってた。
紫: さあ、それでは、でくさんの力作、楽器と人柄で、お楽しみください。
でく: わずかな個人的な経験を基に、独断と偏見で書いたものですが、もしよろしければ読んでみてください。
<弦楽器>
<バイオリン>
これは言うまでもなく、オケの主役。花形。オケの中でいちばん女性が多いパートでもある。どんな曲でも必ず主旋律を担当する最も華やかな役。そのせいか、やっている人も文系の女の子が多くて華やかな感じ。「大勢で同じ音を弾く」という集団意識が強いのか、弦楽器の女の子達は団体行動を好む傾向があるように思う。
(紫: 文系の女の子=華やか、という思いこみはどうかと思うぞ。・・・でも、でくさんは、確かに理系で華やかじゃないよな。文系に行ったからって華やかになるともとても思えないけど^^;)
<ビオラ>
バイオリンより一回り大きい弦楽器。人の声に最も近い音域の楽器だと言われる。私はバイオリンよりもビオラの音の方が心地よくて好き。曲の中での役割は、バイオリンの下できざみや和音を担当することがほとんど。でも、たまにビオラが目立つ曲というのもある(そういうのはたいてい現代曲)。やっている人たちも地味で堅実な感じ。だけど、ときどき目立ちたがりもいる。
(紫: 地味で堅実な人たちの中での目立ちたがりってうくだろうな・・・合掌)
<チェロ>
これは、私が弦楽器の中でいちばん好きな楽器。ビオラよりぐっと大きい、中低音担当の楽器。やはり、きざみ、後打ち、和音を担当することも多いけど、案外ソロや副旋律をやることも多くて、ビオラより音域は低いのに、よほどメロディー楽器として使われることが多い。ソロをやるのが大好きという人もいれば、ハーモニーの一部になっているのが好きという人もいる。やっている人は変わり者が多い気がする(特にソロが好きって言うタイプ)。自己陶酔型というか…。
(紫: 自己陶酔型ねえ。なんかきつい表現。何があった?>でくさん)
<コントラバス>
弦で最低音域を担当する楽器。これこそ、ほんとに縁の下の力持ち。ほとんどきざみ、拍打ち、和音ばかり。ごくたまに、これはいい、っていうパッセージがあっても、盛り上がってくるところだとたいていトロンボーンやチューバと一緒になって、音の大きい金管楽器においしいところだけ持っていかれてしまう(と、いつも恨まれていた)。やっぱり、いちばん下でベースを支える役割を担っているだけあって(体格的にも性格的にも)安定感のある人が多い。大きな楽器だから、背の高い人じゃないと大変、というのもあるんだろうけど。
(紫: おいしいところだけ持っていかれた時に彼ら(彼女ら?)は何を思うのだろう。「ふっ、おれの役割は終わった、あとはまかせた」という感じなのだろうか?)
<木管楽器>
<フルート・ピッコロ>
旋律を担当するメロディー楽器。特に1stはソロが多くて、常に吹きっぱなし。とても目立つ役。ピッコロは木管の最高音域を担当していて、とにかく目立つ。基本的に陽性の性格の人が多いかな。見た目の優雅さから「お嬢様度No.1」とも言われるが、その実体は……。このパートの人間の特徴はよく食べること(S大オケだけかもしれないけど)。
(紫: これから演奏会に行ったときは、フルート・ピッコロのお嬢様が食べまくっているところを想像して楽しむことにしよう。でく:
吹き出さないようにね)
<オーボエ(・イングリッシュホルン)>
これも、旋律を担当するメロディー楽器。オケのチューニングは、このオーボエの音に合わせてやる。フルートとはまったく違った質の音で、よく目立つ。やはり、1stは必ずソロがある。イングリッシュホルンは、オーボエより一回り大きくて、下の音域を担当するソロ楽器。私はイングリッシュホルンの音の方が好き(要するに、低音が好き)。とにかく、ソロや目立つことが多いパートだからか、他人の思惑など気にしないような勢いのいい人が多い(これもS大オケ限定かもしれない)。あれくらいじゃないと、オーボエの1stはつとまらないのだろう。
(紫: でくさんが低音好きなのは、自分の声が低いから? 低い方だよね? でく:
あなたほどではありませぬ)
<クラリネット(・バスクラリネット)>
フルートやオーボエに比べると和音などを担当することが多いけど、やはり、旋律担当のメロディー楽器。吹奏楽では主旋律担当の木管の花形。クラリネットの、いかにも木でできてるって感じの温かい音が私は好き。1stはやっぱりソロが多い。バスクラリネットは、滅多に使わないけど、使ってもだいたいファゴットと同じとかでやりがいがない、ということをちらっと聞いたことがある。マイペースな、天然ボケの人が多い気がするのは、気のせいだろうか。
(紫: 当たってる。確かにマイペースで天然ボケな人だ。もちろん、本人は自分が天然ボケだと思われているとは夢にも思っていないだろうが)
<ファゴット(・コントラファゴット)>
木管で最低音を担当する楽器。木管の中では伴奏役で、きざみ、拍打ち、和音を担当。他の木管と絡んで、おいしい旋律をやることもある。でも、盛り上がってきたところでは、トロンボーン・チューバと同じことをやってファゴットの音なんて聞こえない、と愚痴っていました。コントラファゴットは、これが楽器か、と思うようなものすごいサイズと形で、ボー、ブォーっと床がビリビリ振動するような低音で和音を支える楽器(でも、あまり使わない)。ファゴットはいつもにこにこ、穏やかな人と、妙に毒舌で攻撃的(楽器の構えからして前傾姿勢)な人とタイプが分かれていた。
(紫: 前傾姿勢の楽器の構えは攻撃するためだったのか!)
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木管セクションに共通して言えることは、男も女も総じておしゃべりということ。
寄り集まると、しゃべるしゃべる…。
曲の間中、ほとんど吹きっぱなしだから、こういう人間が向いているのか。
(紫: しゃべりすぎで、いざ演奏というときに皆、息をきらしてる、そんなオケを一度は見てみたい)
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<金管楽器>
<ホルン>
オーケストラでは最も重用される金管楽器。もとが角笛だから、金管と木管の中間的存在で、木管五重奏にも金管五重奏にも使われる。金管は使わないような古典の交響曲でも、ホルンだけは使われる。金管の中で最も古くからある楽器。だいたい1曲を4人で演奏するけど、1stのソロが多い(このへんが木管的)。金管でいちばんパート内の女性率が高く、おっとりとしたマイペースな人が多い。
(紫: おっとりとしたマイペースな女性集団、いいね〜)
<トランペット>
ファンファーレみたいな華やかな主旋律を担当する楽器。吹奏楽では文句なしに花形。だけどオケでは破壊力が大きい(弦の音を消してしまう)ので、あまり出番は多くない。最近の現代曲では、華やかな旋律を吹く曲が多いけど、古典では打楽器と同じように扱われていて、同じ音でリズムを刻むというような役回り。最近ではパート内の男女比率が半々くらいになってきた。自分の言いたいことをはっきり言う、強い人が多い(特に女性)パート。
(紫: 確かに、自分の言いたいことをはっきり言います。あのお方は)
<トロンボーン>
名前の由来は「大きなトランペット」なのだそう。基本的に3人で和音を作って動く、曲を和音で支える役割。オケでは出番が少ない。でも、現代曲ではおいしい旋律もちょくちょくある。吹奏楽のトロンボーンは、ずっとリズムのきざみをやってて、時々旋律があるという感じ。吹奏楽の方が華々しいけど、私はオケの方が面白いと思う。古典の曲では、やはり打楽器的扱いで、ずっと同じ音ばかりのばしていたりして、つまらない上に疲れる。しかも、音域が今と少し違う(より低音楽器として使えるように改良された)から、1stは大変。私のいたオケではパート内の男女比が2:1か3:1くらいだった。だけど、同じ年に男と女の団員が入ると、何故か女性が主導権を握ることになる。男女ともマイペースでのんびりした人が多い。
(紫: で、でくさんは主導権を握ってたの? でくさんはマイペースだけど、のんびりという感じではないような・・・。マイペースでぽろっとぐさっとさりげなく毒舌、という感じがしっくりくるかも。でく:誰が毒舌だって?)
<チューバ>
オケの最低音を支える楽器。やってることは、拍打ち、和音と地味だけど、チューバが入ると曲が締まるような気がする。伴奏だけでなく、時にはトロンボーンなどと一緒にかっこいい旋律を吹くことも。オケではチューバを使う曲が少ないのがつらいところ。やっぱり、ベースを支えるだけあって安定感のある、穏やかで落ち着いた人が多い。
(紫: あいつが入ると場が締まる、こういうこと言われる穏やかで落ち着いた人ってすてきだね。あこがれるね)
<打楽器>
<パーカッション>
ある意味、いちばん目立つパート。曲のテンポやリズムを決めるのに重要な役割を果たす。オケのパートの中で指揮者がいちばん仲良くしたいのは、このパーカッションなのだそうだ。いくら指揮者が指揮棒を振ってたって、曲のテンポを決めるのに最も影響力があるのは耳から入ってくる音だから。打楽器奏者が指揮を無視してテンポをずらしたら、指揮の意味はなくなるわけだ。とってもマイペースで、個性的(わがままという説も)な人が多い。
(紫: マイペースでわがまま・・・僕がやるとしたらこれだな。でも、指揮を無視して、テンポずらしちゃいそう・・・神よ救いたまえ!)
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金管・打楽器セクションの人は、口数は少ないけど一言が重い、って人が多い気がする。木管が「機銃掃射でなぎ倒す」って感じなら、こっちは「大砲で一発撃沈」という感じ。曲の中でも、出番は少ないけど出たら目立つみたいに。
(紫: 機銃掃射と大砲にたとえやがったか。そういうつもりで今度聴いてみよう。・・・ん? これって、楽器じゃなくて口数の話だっけ?)
管・打楽器の人は基本的に1人で1パートを受け持つせいか、単独行動が好き。というか、団体行動が苦手(こっちが正解かも)?
(紫: 確かに単独行動好きそう>でくさん。←団体行動が苦手とは言わない、僕ってば大人だ。えっへん)
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でく: さて、以上です。お楽しみいただけましたか?
紫: だいぶ敵を増やしたんじゃないの? これ。
でく: そんなことないよ。
紫: じゃあ、S大オケに送ってもいい?
でく: ・・・・・・ちょっとまて。
紫: それはさておき、音楽に疎い僕でも楽器に親しみが湧いたよ。
でく: そういってくれると、無理矢理書かされた甲斐もあるってもんよ。
でく: ほんとに私のわずかな経験をもとに独断と偏見で書いたものなので、違う意見をお持ちの方がいらしたら、遠慮なくご連絡ください。ご意見お待ちしております(でも、あまり厳しいのはショックかも・・・)。
紫: ありがとうございました。
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