からくりからくさの家系図

梨木さんの作品の中で僕が最も好きなのは『からくりからくさ』です。なんですが、この作品、家系図が複雑で読むたびに頭を整理しなければなりません(笑)。なので、自分用に作った家系図を掲載しておきます。なお、引用ページは新潮文庫版です。




与希子を巡る家系図

まず、与希子を巡る家系図です。整理してみるとわかりますが、実はそんなに複雑ではありません。


110ページで、佐伯とかなえが宿世の縁と言われた、という話が出てきますが、これは、佐伯の曾々祖父が赤光の弟(p.108)で、かなえの大叔母(さよ)が赤光の晩年身の回りの世話をしていた(p.254)、からです。佐伯は赤光一族の血を引いてますし、かなえの先祖も赤光と縁があった、というわけです。





紀久を巡る家系図

さて、問題は紀久を巡る家系図です。こちらはちょっと複雑ですが、整理すると下の図のようになります。参考になるのは、p.90, p.215, p.317あたりです。





紀久と与希子は遠い親戚?

上の2つの家系図を照らし合わせると、両方ともに登場している人が一人います。「さよ」さんです。さよさんは、少女時代に赤光の身の回りの世話をして、若い頃に紀久の曾祖父の妾となってました。赤光からもらった人形2体を、自分の娘とツタの娘に与えたのも彼女です。こう見ると、さよさんは最重要人物の一人ですよね。

で、さよさんを通じて紀久と与希子はつながっているんですが、これだけでは、親戚ということにはなりません。与希子にはさよさん一族の血が流れてますが、紀久には流れてませんからね。←ここ、誤解しやすいと思うので注意を。僕も最初は誤解してました。

p.326で蓉子が「紀久さんと与希子さんは遠い親戚」といったのは、紀久の家系図の「????」が誰だかわかったからなのです。もし、『からくりからくさ』をまだ読んでいない人がいたら、興味を半減させることになるので、あえて「????」には名前を入れないでおきました。

カニグズバーグ ファンクラブ にも『からくりからくさ』の家系図があります。僕も家系図を作るとき、参考にさせていただきました。あわせてご参照ください。