Microsoft Wordと文章作成

Microsoft Wordは文章作成に最も広く使われているソフトですが、お節介な機能が多く、お世辞にも使いやすいとは言えません。特に初心者の人がWordのお節介に翻弄されているのは、しばしば見かけます。そのたびに同じことを教えるのにも疲れてきたので、ここにまとめておきます。ここの内容は、Word2000をもとに作成しています。ここで挙げた問題点以外にも、「こういうときはどうしたら良いのか」という疑問点がありましたら、ご連絡ください。もちろん、「もっと良い方法がある」という場合は是非教えてください。

問題点1 ページ設定で指定した字数よりも、実際の字数が多くなっている
問題点2 半角文字と全角文字の間に勝手に隙間ができる
問題点3 箇条書きが勝手に設定されてしまう
問題点4 文末脚注のページ上部に引かれる、垂直線の消去方法がわからない


問題点1 ページ設定で指定した字数よりも、実際の字数が多くなっている
解決策1
 プロポーショナルフォント(MS P明朝、MS Pゴシックなど「P」のつくフォント)を使っていると、こうなります。MS 明朝などに改めてみてください。論文など、字数の指定されている文章を書くときには、プロポーショナルフォントは「絶対に使わない」ようにしてください。
 ちなみにプロポーショナルフォントとは、文章の見栄えをよくするためという大義名分のもと、「勝手に」字間を調整してしまう危険なフォントです。ただ、その特性をうまく使えば、役に立つこともあります(例えば、狭いエリアに文字を詰め込みたい時とか)。

解決策2
 実は解決策1だけでは十分ではありません。例えば、句読点が連続した場合(「テストです」、のように、「カッコ」と「、」が続いた場合」)には、勝手に文字が詰められているはずです。これに対処するためには、「ツール」→「オプション」→「文字体裁」の「文字間隔の調整」で、「間隔を詰めない」にしてください。
 ただし、この変更はその文書ファイル限りに適用される設定です。「新規作成」文書すべてにこの変更を適用したい場合には、「ツール」→「オプション」→「文字体裁」で上記の設定をおこなった後、左下の「新しく作成する文書の規定値として設定する」にチェックしてください。

問題点2 半角文字と全角文字の間に勝手に隙間ができる
解決策1
 これに対処するには、「書式」→「段落」→「体裁」の「文字幅と間隔」で、「日本語と英語の間隔を自動調整する」「日本語と数字の間隔を自動調整する」のチェックを外してください。
これでとりあえずは解決しますが、あくまでも「とりあえず」にすぎません。「書式」→「段落」で設定したことからわかるように、あくまでもそのときカーソルのあった「段落」にしか解決策1の設定は適用されないからです。やれやれ。全ての段落にいちいちこんなことしてられませんよね。ということで、解決策その2です。

解決策2
 普通にWordを使っている場合は、「標準」スタイルになっているはずです(←左上のツールボックスで「MS明朝」「10.5」とかいうボックスが並んでいるところで「標準」となっていれば「標準」スタイルです)。以下、「標準」スタイルの場合について説明します。
 「書式」→「スタイル」を選択してください。そこで左の「スタイル名」に「標準」という文字があると思います。その「標準」を選択した状態で、右下の「変更」ボタンを押してください。「スタイルの変更」というウインドウが開くはずです。そこでさらに、右下の「書式」→「段落」を押してください。解決策1で見たのと同じウインドウが開くはずです。そこで解決策1と同様に、「体裁」→「文字幅と間隔」のチェックをすべて外してください。
 これでその文書ファイルの(「標準」スタイルで作成した)段落すべてで、半角文字と全角文字の間の余計な隙間はなくなるはずです。
 ただし注意しなければならないのは、以後「新規作成」する文書にこの変更が適用されるわけではないということです。だから、新しい文書を作成するたびにこの変更をおこなう必要があります。これが面倒だという場合には、解決策2の設定をおこなった状態で、解決策2の「スタイルの変更」ウインドウが開いて、左下の「テンプレートに追加する」をチェックして、「OK」を押してください。これで、以後「新規作成」する文書すべてに、解決策2の変更が適用されます。ただし、これ以前の「標準」設定は失われるので、慎重におこなってください。

問題点3 箇条書きが勝手に設定されてしまう
解決策
 この機能は場合によっては便利ですが、邪魔なときにはストレスがたまります。この機能を無効にするためには、「ツール」→「オートコレクト」→「入力オートフォーマット」で、「箇条書き(行頭文字)」「箇条書き(段落番号)」のチェックを外してください。勝手に「字下げ」されるのもうっとうしいという人は、ここで「字下げ」のチェックも外しておくと良いでしょう。

問題点4 文末脚注のページ上部に引かれる、垂直線の消去方法がわからない
解決策
 まず、「表示」→「下書き」で下書きモードに切り替えます。次に「表示」→「脚注」で脚注エリアを表示させます。その脚注エリアの上部にあるボックス(最初は「すべての文末脚注」になっている筈)の右端「↓」をクリックして、「文末脚注の継続時の境界線」を選択します。すると、垂直線が表示されます。この垂直線を選択して消去してください(線上でダブルクリックして選択し、Delキーで消去)。これでひとまず消去は完了です。
 本文と文末脚注の境界に引かれる垂直線も消去したい場合は、「文末脚注の境界線」を選択して、同様に消去してください。


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