産卵木を分解して幼虫を取り出す事を、「幼虫の割り出しをする」といいます。
また、卵を採ることを採卵するといいます。
@産卵木を割る際はくれぐれも幼虫を傷つけないように注意します。
産卵木が柔らかい場合は手で、やや硬い場合はマイナスドライバー、ペンチ、
ナタ等を使い、初めは大きく産卵木を分割して、
食痕を追いかけるように年輪にそって慎重に割っていきます。
A幼虫を見つけたら丁寧に取り出します。
材の割り出しが早過ぎると2mm程の卵のまま、
遅すぎると幼虫同士が共食いをする場合があるようです。
B初・2令幼虫が出てきたら、プリンカップなどに産卵セットの発酵マット
(産卵マットが未発酵マットならば発酵マットにする)を入れて、
そこに一時的に保管します。
あるいは、菌糸を詰めたプリンカップに投入し、初めから菌糸ビン飼育にしてもいいでしょう。
C取り出した幼虫のほとんどは初令・2令ですが、
中には卵も混ざって出てきてしまう事があります。
卵の場合も幼虫の保管と同様にします。
1つ異なる事は、取り出した卵の周りに、幼虫の食痕から取り出した食いカス
または卵の周りの材カスで覆っておきます。
これは孵化した幼虫が木を分解するのに必要なバクテリア(細菌)を得るためです。
プリンケース等を使用する際には、ケースのフタに必ず空気穴を開けて下さい。
D分解した産卵木には、
見落としがないつもりでも1,2匹の幼虫が残っている場合が多いものです。
分解した産卵木は容器に戻して1ヶ月後に再確認するとよいでしょう。
E取り出した幼虫は、1週間ほど様子を見ます。
これは、割り出した時に傷ついた幼虫や弱くて死んでしまう幼虫を選別するためです。
基本的には触らないのがベストですが、そうもいきません。 人間の手の脂や匂いはオオクワガタ(卵や幼虫だけでなく成虫も)にとって異質な物で、 死ぬという事はありませんがストレスを与えますので、できれば触りたくないものです。
では、金属スプーンが良いかというと、そういう訳でもありません。
成虫が金属系を嫌がることから幼虫にもかなりのストレスを与えていると思われます。
むしろ、金属スプーンより清潔な手の方が異質感は少ないと思われます。
紙や広葉樹の木のスプーンが最もストレスが少ないと言えるのではないでしょうか・・・
卵の主成分は水とたんぱく質からなっています。
産卵を終えた雌は体力を著しく消耗しているため、
掌にのせても産卵前に比べて明らかに体重が軽くなっている事が確認できます。
メスの体力を回復させるためにも、タンパク源となる栄養価の高いエサを与えながら
次の産卵までの期間をあけた方がよいでしょう。
しかしこれにも限界があって、産卵に疲れ食もすすまなくなったメスは体重が軽くなり、
寿命が近付いていると言えます。
同じ条件下では産卵回数の少ないメスの方が長生きする傾向にあるようです。
オスにも言えますが、長生きさせるコツは、
温度をあまり上げず低温飼育であまり活動させないことです。
1回の産卵セットで20匹程度の産卵が確認できれば十分です。
環境や栄養補給の状況によっては60個以上の産卵を確認することも十分可能です。
メスは産卵条件が整えば何回でも産卵しますので、2回目以降の産卵セットもできます。
もちろん交尾は最初にしていますのでペアリングする必要はありません。
一度産卵したメスを早めに別の産卵セットに移し変えるか、
同じケースに別の産卵木を埋めなおします。
産卵させるのは、普通5から8月までがよいでしょう。
10月頃まで産卵可能ですが、来年もう一度産卵させることも出来ますので、
必要な数の幼虫が得られたら通常の成虫飼育に移してあげましょう。
秋頃に1から2令前半の幼虫を得ると、通常のマット飼育・材飼育では若令のまま越冬し、
2年1化型となり、翌々年の春から夏に成虫になる事が多いようです。
産卵の勢いがなくなってきたと思われるメスに、再び元の種親とペアリングさせることを言います。
追いがけによって再び産卵する場合もありますが、必ずしも産卵が復活するとは限りません。
追いがけする場合は必ず最初にペアリングしたオスと交配しましょう。
異なるオスと交配すると、どちらのオスの子孫か判断できません。
メスが産卵しても全く孵化しない場合があります。
文字通りオスの精子がメスの体内に入っていないため、無精卵となって孵化しません。
交配が上手くいっていない訳ですが、
羽化して6ヶ月以上たっていない固体をペアリングした場合に多く見られます。
味の素(グルタミン酸)には産卵促進効果があるといわれ、 以前は産卵材に味の素を染み込ませて産卵を促せていました。