#18 「motoGP 第1戦 鈴鹿」


2001/4/8(sun)

翌朝起きるとザーザーと音を立てて雨が降っている。

9時にテントを撤収しなければならないのだがコーヒーとゆで卵の朝食を食べ終わってもまだ降り続いていた。
辺りのテントは既に撤収を始めている。
雨の中撤収は面倒なのだが時間がきたので撤収を始めるといつの間にか雨が上がった。
これでもう雨は降らないだろうとその時は確信した。

駐輪場に停めてあるバイクにパッキングをし終わったあたりからまたパラパラと雨が降り出してきた。
「じきに止むでしょう!」
とタカをくくったのが失敗だった。
しかも自分が雨男であるということも忘れていたのだ(笑)。

傘をさしての観戦。
昨日からの雨で濡れるだろうと宮川氏のアルミマットを使用することに。

#72伊藤真一(HONDA RC211V)
125はシーズン前テストの状態がそのままレースに反映された。日本勢でトップグループに絡んだのはノビーだけという寂しさ・・。
このクラスは日本人以外若手で構成されているクラス。
それだけにライダーの名前も今年聞いたようなヤツらばかりでさっぱりわからない。
だれが優勝したのかとかは正直どうでもよかった。
ノビーも最終ラップでミスを犯し表彰台を逃す。
このクラスで今後日本人が勝つのは難しいだろうと思う。
全日本のレース規定がWGPと異なり、マシン造りがまともに出来ないのが原因だ。おかげでワイルドカードも散々な出来・・。

対する250ccは驚く様な結果に。
午前のフリー走行で2位以下に約6秒の大差をつけた宮崎敦が市販レーサーで逃げ勝ち。
2位も同じくワイルドカードの酒井大作が入った。
3位はドプニエと治親の争いになったがラストラップに入る手前の最終コーナーで治親がハイサイド転倒!
目の前で転倒したのだが治親は悔しそうだった。
WGPに参戦していた時には1勝も出来なかった宮崎の初勝利には誰もが驚いた。

梁明(SUZUKI GSV-R)に続く伊藤とロッシ。
そして楽しみなmotoGPクラスの決勝。
地方気象台の予報では午後にはすっかり雨も上がるはずだったのだが一向に雨は止まずウェットでのレースになった。
この時点でもしかしたらイトシンの初優勝?なんて期待も高まった。

スタートするとロッシは少し出遅れ、反対に梁、伊藤のワイルドカード組がアタマで1コーナーを抜けていく。日本人にはたまらない展開!
オリビエ・ジャックも好スタートを切ってジャンプアップ。
ノリックも得意のスタートで順位をあげる。
しかしジャックはジャンプスタートをとられペナルティを課せられた。

梁がするすると後続を引き離しにかかる。
伊藤がロッシを押さえ込んでいるように見えたのだが、実際はロッシが伊藤のライディングを観察していたようだった(笑)。

2ストで奮闘するノリック!前を行くのはバトル繰り広げた宇川。

ロッシは伊藤を難なくパスして前を行く梁を追う。
その後ろでは2スト勢が苦戦を強いられる展開・・。
ノリックは宇川のRC211Vとやりあっていた。
コーナーの多いセクションでは阿部が詰めるのだがストレートの伸び、立ち上がりは宇川の方が圧倒的に速い。
しかし最終的にこの戦いは宇川が転倒・自滅して阿部に軍配が上がった。阿部は2スト勢最上位と奮闘!このあたりはさすがノリック!
そして中野がバロスを激しく追い立てファステストをマーク!
会場にも「オォー!」と声があがる。
バロスをかわしたところまでは良かったのだが転倒してしまいリタイヤ。
今の状態を加味すれば出来過ぎだと言える。
さらに後ろでは信じられない展開。
カピロッシ、原田、加藤が最下位争い・・。
ホームストレートに戻ってくるたびに見る見るトップとの距離が開き、結局梁、ロッシ、伊藤などに周回遅れとなった。
加藤は最終コーナーで伊藤とロッシの争いのさなかに周回遅れにされ、少し驚いているようにも見えた。そりゃそうだろうなあ・・。
伊藤とロッシがやり合っている間に梁は必死で逃げ切りを図る。
しかし中盤、ロッシが伊藤をパスすると梁を猛追。見る見るうちに差が詰まっていく。伊藤も必死に食らいつくが離されていく。終盤にはヤマハのチェカにもかわされ惜しくも表彰台を逃した。ただこのベテランの走りはその場を熱くし、皆その走りに感動した。

そして梁の後ろにつきプレッシャーをかけ続けるロッシ。
余裕綽々
ラスト2周、「あぁ〜、やっぱり・・」という感じで満を持して梁をパス。
このあたりはもうミックの頃を彷彿とさせる雰囲気だ。
最終ラップにはファステストを叩き出すというオマケ付きで
「ロッシ健在!今年も」
という感じを見に来ていたみんなが感じ取ったのではなかろうか?

そして最終的にはこうなるという画。

やはり今回の注目は2ストと4ストとの違いだったのだがこのレースを見た限りでは、
こりゃとんでもないシーズンになるな・・・
というのが印象だ。
ただそれは4ストが頭抜けているというのではなく、RC211Vとロッシの組み合わせが頭抜けているということだ。
GSV-Rが2位に入ったのは梁の実力というより、申し訳ないがやはり地の利と言えるだろうと思う。セテやケニーが結果を残せなかったわけだし。チェカは比較的4ストに合っていると言われながら3位でフィニッシュ。
コーナリングスピード重視のビアッジは合わないのか完走さえままならなかった。
いまだヤマハ、スズキは完成度で劣っていると言わざるを得ないと思う。
しかしRC211Vの速さは本物だ!
このまま行くと全てロッシが勝ってしまうんではないかと思う。

まあそんなことを言っておきながら何だけど、やっぱり生で見るWGPはとにかく「アツイ!」
TVで見るのはそれはそれで面白いのだけど、やっぱり生で見てみたいと思ってしまう。


帰りは鈴鹿ICへ向かう道は大渋滞。
県道を経由してR23から帰ることにしたがコレが大正解!
ファミレスでメシを食ったあと高速に乗る。
帰りはありこと一緒なのでペースはゆっくりなのだがここで意外かつ重大かつ貴重な大発見をしてしまった。
「110〜120ペースで走ると全然疲れないということ。」
ハイスピードで走っていると常に体が緊張状態なので長い距離を走るといつの間にか疲れてしまうのだが、このくらいのペースだと常に弛緩状態なので(それも問題?)疲労は極端に少ない。風の抵抗も無いのでかなり楽だ。
200kmぐらいの距離を走るんであれば、「ばびゅーん」とかっ飛ばして行った方がいいのだが、それ以上の距離になるならスローペースで走った方が疲労もなくなり、SA休憩も短くて済んで良いような気がした。
これは大きな収穫だった。

静岡に入ってからは雨を追うような感じになり霧雨の中を走る。
牧ノ原SAで宮川氏、愛鷹PAで亮・ありこと別れ帰宅。
雨の中は無茶して頑張ってるランエボにペースメーカーになってもらい快適に走る。
秦野に入って雨も上がりエボは用無し(笑)。

お疲れさまでした。
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