一気に堂ヶ島。何やら空模様が怪しくなってきた。 今回で3度目となる俺お気に入りの温泉は、小さな漁港の細い道を走っていった突き当たりにある。初めて来たらほとんどの人が一回では見つからないような場所にそれはある。今では結構有名になってしまったようだ。 そこには、この温泉目当ての人たちが既に大勢集まっていた。大勢といっても男女合わせて20人位なのだが、湯船が男湯も女湯も(といっても女湯は見えないのであくまで想像(汗))一度に入れるのは5人ぐらいでかなり小さいので、これでも大勢なのだ。 到着してから、湯船がいっぱいなのでしばらく待っているとぽつりぽつりと雨が落ちてきた。雨が降ることなど考えてもいなかったので2人ともカッパなど持参していない(西川はバイク歴5年なのにカッパは持っていない)。折角ここまで来たんだからという思いとどうせすぐ止むだろうという甘い考えと少し冷えた体に温泉の誘惑が俺たちをそこに留まらせた。少し待ってすいたのを見計らって入る。 駿河湾の海原を見ながらご満悦の2人。この日はひっきりなしに人が来たせいかお湯がぬるめだったし、少し臭いもおかしかったけれど体が芯からあったまる感じですこぶる気持ちいい。それですっかり雨のことを忘れていた。 温泉から上がるとぽつぽつ程度の雨。東の空を見やるとそっちだけぽっかりと雲が無いように見えた。 戸田までの海岸線は大した雨ではなかった。これならさほど濡れることはなさそうだとメット越しに会話を交わす。しかし戸田から先が大変だった。船原峠まで標高を上げるごとに雨の勢いが増していく。いつの間にか西伊豆バイパスに入っていたようで料金所で金を払うのだがグローブを外すのも億劫だ。とにかく淡々と帰る方向へ見当をつけながら走る。 またまたいつのまにか修善寺道路へ。大仁から伊豆スカへ向かう。 雨は一向に止む気配を見せない。亀石峠ICに着く頃には霧が立ちこめていた。もはやこうなると何も考えずに一つ一つコーナーをクリアすることのみに集中するしかない。前に四輪にしては少しペースが早めの1BOXを見つけてうれしくなってしまった。こういうときには四輪はありがたい。 熱海峠ICで料金を払うとおじさんが「そこで休んでいけば?」と言ってくれた。丁度1車線分ゲートが封鎖されたところだったのでありがたく休ませてもらい一服。これだけ走ったのに体の芯は冷えてないと西川、俺も「そうそう」と頷く。温泉はエライ! 新道で山を下りようとしたがあまりにも霧と雨が凄く、道すがら「東京近道」「あと500m」などとしつこく看板がでているので奮発してターンパイク経由で下りることにした。十国線なんて一生乗らないと思っていたがバイク乗りは雨には勝てない。大観山線は久々に走ったが快適!バリオスには勿体ない道だ。小田原に下りるとほぼ雨は止んでいて二人で喜ぶ。 腹が減ってきたし、少し寒いのでメシがてらガストで一息つく。 「いやあ、今日はよく走った!」 「ひさしぶりだよ、こんな走ったのは」 他愛のない会話に花が咲く。 雨の匂いが残る国一。二宮の交差点で軽く手を挙げ西川は左へ折れた。 総走行 約300km 横浜青葉〜東名高速〜厚木 ¥700 厚木〜小田原厚木道路〜小田原 ¥600 箱根新道 ¥200 船原トンネル(西伊豆バイパス) ¥150 修善寺道路 ¥150 亀石峠〜伊豆スカイライン〜熱海峠¥250 箱根ターンパイク十国線 ¥100 箱根ターンパイク大観山線 ¥500 大磯〜小田原厚木道路〜厚木 ¥300 厚木〜東名高速〜横浜青葉 ¥700 計¥3650。っておいっ!伊豆金かかりすぎ(苦笑)。
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