00/10/06(fri)
ツーリング前というのは落ち着かない。早めに仕事を切り上げるように頑張ったのだが定時を40分ほど回ってしまった。大した時間ではないのに慌てている自分が居る。足早に会社を後にする。環七から世田谷通りに向かう道すがらこれからの旅に思いをめぐらせた。
家で軽く飯を食い荷物の確認をする。荷物をまとめてリヤシートにくくりつける。エンジンに火を入れ暖気、タバコに火をつけて胸の高ぶりを抑える。こんな時間もたまらなく好きだ。21:15、俺とバリオスは横浜青葉から夜の高速へと滑り込んだ。
夜の高速道路は相変わらずトラックが多い。気持ちの高ぶりに比例してアクセルを煽るが大きないくつもの壁が行く手を遮る。
1:30多賀着。思ったより早く着いた。
ダメモトでレストインに行ってみるが案の定満室。諦めてねぐらを探す。レストランの入り口にちょうど寝られるようなスペースを見つけた。体を温めるために天ぷらうどんをすすり2:30つかの間の眠りについた。
00/10/07(Sat)
7時ごろ、辺りのざわつきで目を覚ます。もう太陽は東の空から昇っていた。
朝のコーヒーを飲み出発する。
八日市で降りると田舎の雰囲気の道が続く。近江鉄道と併走する国道を琵琶湖に向かって走らせる。
琵琶湖の湖岸沿いの道をのんびりと流す。湖の向こうの山並みが秋の日差しによく映えた。
161号から303、27号へとスイッチしながら三方五湖へ。
敦賀半島へ寄り道。
海沿いを走っていると美浜原発の帽子状になった施設が目に入ってくる。
それとは対照的に水晶浜はその名の通り水も砂浜も驚くほどきれいだった。
三方湖の水面の高さからレインボーラインを400mの高さまで一気に駆け上る。適度なコーナーが続く心地よいワインディング。
三方五湖は水が濁っていたし、虹のような輝きは見られなかったけれど、日本海が太陽に照らされて美しかった。
XLRのライダーと話す。太陽の位置が高くなってくると厚着では汗ばむほどになってきた。
三方五湖を下ると再び普通の田舎的空気のする国道に戻る。
日本三大松原の一つ、気比の松原。
はっきりいってびっっいっっっくりするほどショボい・・。普通の砂浜にちょっと松林があるだけ。
三保の松原とは比較にならないよ。ところで三大のもう一つの松原ってどこだっけ?
海沿いの8号を北上する。
海岸線といっても砂浜ではなくて岩場が多い。
途中河野海岸有料道路にスイッチ。手前のドライブインみたいなところで名産物を漁る。越前かにが
浜焼き鯖がうまいと聞いていたので浜焼き鯖定食を食べた。刺身盛り合わせみたいなのもついていてすんごい豪勢!
値段は高かったが、脂ののった鯖はでかくて身が肉厚でうまい!塩焼きでこんなうまい鯖を食ったのは初めてだった。
海岸線の低いところを走る有料道路は、通る価値のある道路なのかは国道の方を通っていないのでわからないけど、なかなかいい道だった。
路面状況とか走りの楽しさとかは別にして。
海が見えるところでは日本海のおだやかな光がやさしく目の奥をくすぐる。自分のペースで走れるので眠くはならないけど、何だか「ほわ〜」とした気分になる。わかりづらいけどそうなのだった。
国道にある呼鳥門を通る。
風と波の浸食によってできた岩をくり抜いた自然のトンネルで、今は安全のためにコンクリなんかで内側が補強がされていた。
ちょっとしたスリルを味わう。
越前岬を境に北東に向きを変える。
福井港にほど近い工業地帯の単調な道をゆったりと走っていく。人の臭いが少ない場所だった。
有名スポット、東尋坊に到着。
予想通り人がやたら多い。既に日が傾いているのだけれど夕日を見たいのだろうか。
両側にお土産屋が並ぶ道をとことこ歩いていくと海が見えてきた。
なるほど断崖に人がウジャウジャいる。かなり先の方まで歩いていってる人もいて落ちたらやばそうだ。
あまりにも人が多いのとそれに比べるとどうということのない崖に少しガッカリした。
特に今回は久々のソロなので何か寂しかった。大人数で来たらそこそこ楽しいのではないだろうか。
オレはそそくさと引き上げる。
東尋坊近くのキャンプ場に泊まるつもりだったけど結局見つからずに通過することにした。
どこにあるのかさっぱりわからんかった。
しかしあてがないのでちょっと不安になる。最近あまりゲリラもやってないし・・。
走ってる間にどんどん日が落ちてきて暗くなりキャンプは諦めることにした。
走っていると山科温泉とか有名所の温泉の看板がやけに目に付く。高いから無理無理。
でかい街に行けば健康ランドがあるだろう。
ソロ以外だとあまり使わないし、たまにはおっさんのいびきを聞きながら寝るのも悪くない・・。
真っ暗になった国道沿いの電話ボックスで健康ランドを調べる。何軒かあるうちの一軒は自社HPをもっていてそれを師匠に調べてもらう。
なかなかいい施設のようなのでそこに停まることにした、というかもうどこでもいいから泊まりたかったのだ。
場所は金沢東インターそばの「テルメ金沢」。
ホテルからカラオケ、焼き肉屋、和食屋、サウナ、多種風呂などがある巨大リラクゼーション施設。
中にはいると受付もでかくて、内部も迷ってしまうほどの規模だった。
家族連れで来て楽しめるようなスペースで、そのあたりは普通の健康ランドとは少し雰囲気が違う。
オレはとにかく風呂に入ってさっぱりしたかったので、そこにある色んな風呂に入って疲れを癒した。
隣人の寝息が聞こえる薄暗い仮眠室で眠りについた。
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