翌日、結局全く眠れないまま朝を迎えた。

瞼を落としてできるだけ体を休ませようとしたのだが思考回路は停止寸前、体はフラフラだった。はっきり言って笑えない状況・・。

海岸沿いを走り洲本市街まで走っていくが突然すごい雨が降ってきた。この時点でかなりヘコんでいる。

カッパを着る暇もなく、上が覆われているアーケードのようなところに乗り上げて雨を避け休んでいると、あまりにみすぼらしく見えたのか、近くのおじさんが自分の会社の事務所に入れてくれて暖をとらせてくれた。

今になってみると名前も電話番号も聞かず失礼なことをしたなあと思うが、逆にそれだけ余裕がなかったんだと思う。
コーヒーまで出してくれて凄く嬉しかったのを覚えている。普段はブラックしか飲まないのだけれど、このときはたっぷり砂糖とミルクが入ったコーヒーが心の底からおいしく嬉しかった
上・左:淡路島の東海岸線を行く。行き交うクルマも少ないのどかな海沿いの道が続いていた。エンジンを切ると波の弾ける音だけが聞こえる。
ちょっとロン毛(死語?)気味のオレ。

突然の雨が嘘のように止み、おじさん達にお礼を言って出る。

そのまま東側の静かな海沿いを走る。バイクを停め防波堤に寝ころぶと太陽に照らされたコンクリートがじんわりと暖かくて心地よく思わず眠りそうになった。

淡路島南ICから鳴門海峡を渡った。
ものすごい強風で橋には「二輪車転倒注意!」の注意書きがあり、やべえなあと思っていたら突然の突風で一車線分横に飛ばされた!!!!!!!!!!!!
ホントに1車線分飛ばされたのだ!

「!!!!!!!!!」
怖くて怖くて必死でアクセルを開けた気がする。
徳島から55号を南へ。

郊外でうどん屋を見つけ讃岐うどんを食った。
コシのある麺と上品なダシがうまかった。

南阿波サンラインは景色と走りが両方楽しめる四国の中でも最上級に入る素晴らしいワインディングだった。
今でも瞼を閉じるとコーナーの断片が思い出される印象深い場所だ。

シーサイドを通る55号は交通量が少なくて気持ちが良かった。
増えていくトリップメータの数字を見ているとそれだけでフワフワした気持ちになった。

太平洋に突き出た室戸岬は岩にぶち当たる飛沫が豪快な岬だった。

右:心地よいアールが続く南阿波サンラインから太平洋を望む。緩やかに湾曲した水平線が遠くに見えた。

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