あの人は今!

13回生(トランペット)                   

 加島和裕君とは、長い間会っていなかったが、平成7年の、函館空港ハイジャック事件で、全国に捨て身の実況中継を、徹夜で送った。高校時代、放送部員もかねていた彼は、大学卒業後、札幌TVに就職していた。このときの、迫力あるドキュメントは、あしかびにも掲載されている。

 余談だが、このときの人質の中に、当時現役オケ部員だった、近藤恵美(フル−ト)のお父さんがいた。もちろんお父さんは無事生還し、彼女は、国立音大を出て、現在ヨ−ロッパに留学している。

 加島君は、現役時代、名トランペッタ−であった。シェヘラザ−ド をやったとき、中校舎と南校舎をつなぐ渡り廊下の屋上で、東廊下上と、西廊下上から、トロンボ−ンと、「吹きやい」で、掛け合いの練習をしていた。

 その加島君の名前を、最近見かけた。「欽ちゃんの仮装大賞」の最後のテロップを追っていた私は、札幌制作責任者としての彼の名前を見つけて、うれしかった。今はもう、現場を離れ、中間管理職になっているようだ。ますます、良い番組を作ってほしい。

01/05/14 湯浅真人(名誉顧問)

 

1977年、第10回定演プロフィールより

市高オーケストラの歴史をかざる名物さん紹介

3回生Y氏(バズーン)

 この人を語らずして、オーケストラ部の歴史も発展もない。今や葦笛の会の要職にありながら、いとも奇妙な笑い声とも、鳴き声ともつかぬ音声を発して、純情な現役部員を煙に巻いている。現役当時の合宿で(大影)での肝だめし、セミヌードで木によじ登り、闇の中、奇策を労しているうちに、蚊に刺されて、不覚にも足をすべらせ、うら若き女性(S先生)の足元に墜落。以来、今日に至る決定的な彼のキャラクターを見るにつけ、運命のいたずらといえあまりにもむごい。

 

4回生T氏(ヴィオラ)

 物静かに、眼光鋭く、古武士の風格を備えているが、その貫禄は、ただおとしのわりにふけて見えるせいではない。演奏会の本番前には、必ず入浴するという、心身ともに清潔な人、数年前の定演のこと、風呂に入ったまま開演のブザーを聴いたが、少しもあわてなっかったとか。ああ!!大きいことはいいことだ。

 

8回生Y君(コントラバス)

 タイヤキくんを歌った歌手のようなおひげをはやして、にこやかにベースを弾いている彼は、現在関西大学のジャズバンドで活躍中である。とかくバイタリチィーと行動力に富むY君は、『オーケストラ部懺悔録』には、欠かせぬ人物なのである。指導力たくましく、酒、たばこ、パチンコ等、解禁を待たずして率先垂範、後輩たちを巧みな手ばさきでレッスンする。後輩たちもこの“さすらいのギャンブラー”をこよなく愛し、かつ先生はとめどもなくあふれくる冷や汗を拭ういとまもなかったとか。

 さる年の合宿のこと。お寺の境内に止めてあるミニサイクルをちょっと拝借して、かろやかにサイクリング。乗り逃げされたと思った坊やとパパはカンカン。はたまた先生登場。命がけの平謝りでの果てに、西瓜のおみやげまで貰って帰って決着。Y君ならではの快挙でありました。

 

11回生Y君(ホルン)

 昭和49年、関西大学吹奏楽団演奏会賛助出演での出来事。急遽ティンパニー奏者の代役として出演した彼は、『ファスト』の序曲が鳴り終ったとたん、スティックを持ったまま雛壇の上段から大音響とともに後方に転落、しかし猛然と髪を振り乱しながらよじのぼり、みごと代役を果たしたという。この執念は彼ならではのものだ。現在彼と同名の某国立大学でホルンを吹き、かつ咆哮している。

 

11回生S君(チェロ)

 なりは小さくても、頭脳明晰。くだらないことでも意外と平気でやる人。なにか人が集まると、やたらと前に出て訓話をしたがる。人呼んで『校長はん』。しかも在校当時の校長(上原浩一先生)を慕ってかどうだか、K旧帝国大学に進学。おとなしくチェロを弾いているらしいが、今夜あたり(うちあげ)チャンス!!と思っているにちがいない。

 

13回生Kさん(ヴィオラ)

 ごく最近、OB会に入会した健康的なお嬢さん。まことにユニークな言葉使いをする人。学校の食堂のうどんを10秒でたいらげたという快記録の持ち主でもある。彼女が市高オケに入部して間もない頃の話。ヴィオラを練習中のKさんに、先生「おい!そこのパート譜とってくれ。」Kさん「エ(?_?)あの〜“ぱあとふ”って、どんな楽器ですか?」Kさん、スコア(総譜)って、どんな楽器か知ってるの?

 

14回生Yさん(フルート)

 まさにオーケストラ部の歴史上、比類のない異色の存在である。彼女は現在、市高オケ劇団の脚本家、演出か、女優を兼ねる万能ぶり。専門の楽器の方も鬼気迫る練習の成果か、めきめき腕を上げている。多忙な彼女にとって太る心配などさらさない。演奏スタイルなど見ていると、まさに『夕鶴』の“つう”が舞い降りたような優雅なものであるが、ひとたび横笛を手離すや、奇怪なヨーデルでもって、ソーラン節などを歌い、舞い踊る。彼女の前途に幸あれと祈るばかり・・・・・。