♪あしぶえ♪の歩み 

 

 そうして”夢”は実現しました。

1987年1月  6日 合奏団♪あしぶえ♪ 1stコンサート

1988年8月18日 合奏団♪あしぶえ♪ 2ndコンサート

 高校卒業以来、それぞれの仕事を持ち、家庭を持ち、楽譜もない、練習する場所も時間もない・・・・・・そんなOBがもう一度集まり、演奏会をしようというのだから、考えてみればムチャな話。でも、心の中には『OBで演奏会を』と言う熱意が、ふつふつと沸いていたのであります。

 市民講座『弦楽合奏』の開設は、あこがれだった夢への確かな確かな第一歩でした。私自身、フラフラと過ごしていた学生時代に、光がさし込んだような気持ちで、待ってました!とばかりに自分の楽器を買い(買ってもらい)、喜び勇んで練習に通いました。第一回目の練習の時、先輩に誉めて貰った一言で、涙が出るくらい嬉しい思いをしたことを覚えています。

 一歩を踏み出してしまえば、もう進むしかありません。各期の講座ごとに一曲一曲とレパートリも増えていき、約二年、日程が決まり、プログラムが決まり、合奏団の名前をどうするか、服はどうするか、あーでもない、こーでもないと言いつつ、いろんな事が具体的に決まってゆくなか、バイオリンのソロを弾くことになった二人は、日ごとに追いつめられていくのであった。ううう・・・

 練習場をあちらこちらと、バレエ等にも使っているレッスンじょうから、小学校の体育館から・・・寒い中、ストーブでおでんを煮込みながら合奏した事もあったっけ。休みにはいると、県外へ行っていた懐かしい先輩・同輩・後輩もゾクゾク仲間入り。

  "音楽”って、一人で歌うもよし、美しい演奏を聴いて感動するもよし。そういう音楽は、ビタミンみたいに、心の潤いになるきがする。でも、自分がオーケストラの一員となり、練習に励み、おもっしょーい話に笑い、飲み、先輩に教えてもらい、あれやこらやと話し込み、汗をかき、悩み、懐かしい顔に喜び、新しい発見をし、え〜!先輩ってこんな人だったのかと驚き、先生のタクトに気持ちがつながっていき、仲間と一緒に一曲をつくっていく、――ーそういう"音楽”って、身に、心に、細胞に、ジュワーッとその味がしみ込んでいく気がするんだよなぁ。

 ただ、OBで演奏会をするということで、自分達の思い入れだけでは、人に聴いてもらい、お金をとるような演奏会はできないないと、あの頃はあの時なりに、皆それぞれに精一杯の時間をつくり、合奏し、真剣に取り組んだのです。(ヨヨヨ。バイオリンのソロも、あれで精一杯だったなんて、恥ずかしい限り。皆さん攻めてくれないので、また苦しくてねー。しょーがないけどサ。ああぁぁ。)

 演奏会には、たくさんの人が聴きにきてくれて、温かい拍手や言葉を送ってくれました。技術的には、本当に、すこぶる未熟だったと思います。でも、2ndでは、OBの先輩による指揮での曲目や、ねぎぼうずさんの協力、アンコールでは念願の管弦楽を聴いてもらうこともでき、せめては、私達の心を合わせた演奏と、このコンサートを開くにあたっての取り組み・熱意が少しでも伝わっていたらうれしいと思っています。私自身、高校時代とはまた少し違った意味で、学年を越えて、先輩や後輩と、より近く、より深く、より楽しく音楽を味わうことができ、本当にすばらしい体験でした。

 1998年11月に生まれた次女が、もう二歳になりました。毎晩のように歌うのは、『ゆりかご』の歌。この歌を歌うとき、頭に浮かぶのは、先輩の奏でるキラキラと光るような音色のメロディーと、川人先生の指揮と―――毎晩毎晩、演奏会の情景を思い浮かべながら、あの時の曲の間奏まで歌ってきかせている私です。

 今振り返っても、本当に夢のような・・・・夢のように昔のことになってしまい、時が経てば人も変わっていくだろうけど、あの時しっかり骨身にしみ込んだ音楽や精神は、今も変わらず、脈々と体中に流れ続け、これからも♪あしぶえ♪人間たちは、歩みを続けていくのであろう――。うーむ(かい)

2001年2月  茨城支部♭しどみ♪

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