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last updated : 2008/9/15



 「ジンギスカン」にはリリース当時から現在まで、たくさんのカバーバージョンが存在します。同時期に同じように売れた楽曲(例えば、アラベスクの「ハロー・ミスター・モンキー」など)よりも、とても多いです。というのは、やはり曲の持つイメージやインパクトが大きく影響しているのでしょう。あのモーニング娘。の「恋のダンス・サイト」にも(というか、つんく♂にも)影響を与えたりなど、それは一定のディスコといったカテゴリーにとらわれず、いろいろな方面のアーチストがカバーしているのが特徴のある点ですね。
 下記には、シングルA面(一部B面)としてリリースされたものを紹介します。他にもご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報くださいませ。

 2008年10月には、「ジンギスカン」のカバー曲ばかりを集めたオムニバスCDがリリースされます。その名も『ジンギスカンだらけ』!
下記に掲載している原たかし、マルコ・ポーロなどの他にも、Berryz工房、渋谷哲平、川崎麻世などもレーベルを超え収録しています。





ジンギスカン
(DSCHINGHIS KHAN)
めざせモスクワ
(MOSKAU)
サムライ
(SAMURAI)
ハッチ大作戦
(HADSCHI HALEF OMAR)
+ KOREA
(KOREA)


♪「ジンギスカン(DSCHINGHIS KHAN)」
「ジンギスカン」
マルコポーロ(MÁRCO PÓLO)

1979年
英語詩・編曲者不明
オーヴァシーズレコード MA-176-V

 オリジナルのジンギスカン以外には、このマルコ・ポーロによるバージョンが有名。ジャケットには「本命盤」との記載がありますが、「オリジナル本命盤」という記載でないのがミソです。
 ジンギスカンの「ジンギスカン」はヨーロッパでの人気を受け、日本で発売する前に既に輸入盤がプロモーション用として都内の人気ディスコにビクターによって配布され、とても人気があったということです。この時、この人気に目をつけた他社がプロジェクト・グループによる同曲のカバー・バージョンを製作し、ビクターのオリジナル盤とまったく同じ日にリリースしました。実はこれがマルコ・ポーロなのです。
 マルコ・ポーロのバージョンは上記のような理由のためか、アレンジにはほとんど手を加えられていません。ただ英語バージョンをA面にしていたので♪「デーン、デーン、デーンゲスカーン」と歌われている点が違います。(「ジンギスカン」は英語の発音では「デンゲスカン」と聞こえるのです。)今でもこっちがオリジナルと思っている方もいるでしょう。
 ところで、このマルコ・ポーロの「ジンギスカン」もオリコン最高21位、約10万枚の大ヒットとなりました。オリジナルのジンギスカンの方は(ややこしい)は、最高位12位、16.4万枚のヒットなので、マルコ・ポーロは、きわものとしてはかなりの売り上げを記録したようです。また、このマルコ・ポーロは、「アリババ」というシングルをはさんだ後、同じジンギスカンの「ハッチ大作戦」を「勇者オマール」と改題してリリースしました。下記「ハッチ大作戦」を参照してください。なお、この「ジンギスカン」のシングルはB面はドイツ語バージョンでした。

「元祖・成吉思汗(ジンギスカン)」
林子祥
(リン・ツーシャン)
(ジョージ・ラム)

1979年
訳詩:鄭國江
編曲者不明
東芝EMI EMR-20620

 リン・ツーシャンの「ジンギスカン」広東語バージョン。広東語というところが面白いです。このバージョン確認時点で、「ジンギスカン」にはドイツ語、英語、日本語、広東語の4バージョンが存在することになります。もしかしたらそれ以外にも他の国でリリースしているものもあるかもしれません。
 一般的にドイツ語は英語に比べて、音になめらかに乗りにくいと言われています。それはドイツ語が英語に比べて、はずむような発音だからです。そういう点においては、広東語も同じで、「チャン・リン・シャン」「アン・ジョンファン(韓国のサッカー選手の名)」みたいな、きざむような発音なので、このリン・ツーシャンの「ジンギスカン」は私的には逆にオリジナルに近い感じに受け止められます。また彼のしゃがれ声で力強く歌われる本バージョンは、ジャケットに「成吉思汗(ジンギスカン)の国からやって来たホンモノの「ジンギスカン」!!」と書いてあるだけあって、良い感じに仕上がっていると思います。このシングルはアメリカなど他の国でもリリースしたようです。
 また、この曲は、水曜劇場「家路Part2」挿入体操曲(!)にも採用されたようです。その旨がジャケットに記載された別ジャケのシングル(セカンド・プレス?)も存在します。
 カップリングは「YMCA」のカバー。「好知己(みなともだち)」と記載されています。
 ちなみに、この林子祥は、もっぱらジョージ・ラムという呼び名で現在でも香港の音楽界で歌手として活動しています。また、この「ジンギスカン」や「めざせモスクワ」も彼のCDで入手可能です。

「ジンギスカン」
5(ファイヴ)カラット

1979年
訳詩:山本伊織
編曲:あかのたちお
コンチネンタル・レコード HD-6
 元ダウンタウンブギウギバンドのメンバーで二代目ドラマーだった鈴木洋行氏が、同バンドを脱退後に作ったラテン・ロック・バンドのデビュー・シングル。ラテン・ロック・グループなのに、グループの意に反して、事務所の方針で急遽これをデビュー・シングルとしてリリースすることになったとのこと。またリード・ボーカルの白倉ヒサオは、現在モノマネ・タレントとして活躍中のようです。
 この曲はオリコン最高位81位のヒットとなり、この年の全国有線大賞新人賞も受賞したようです。アレンジは結構さわってあって、オリジナルには出てこないオリエンタルなメロディも聞かれ、どこか歌謡曲風。ジンギスカンのメンバーはコーラス・ワークもきちんとしていたけど、このバージョンではボーカルやバック・コーラスはと言うと、ちょっと・・・という感じがします。
 なお、編曲者のあかのたちおは当時大人気だった、女子プロのビューティー・ペアの「かけめぐる青春」(1976年)や、松本ちえこ(なつかしい!)の「恋人試験」(1976年)の作編曲をした人です。

 5カラットはセカンド・シングルとして、「ザ・サスケ」という曲をリリースしました。タイトルから想像されるように、尺八や三味線など日本独自の楽器もフィーチャーされたオリエンタルなB級ディスコとなっています。シングル盤に原題は記載されていないのですが、作者として、ジンギスカンのほとんどの曲を作曲したラルフ・ジーゼルの他に、Jay Fredという名が記載されています。このJay FredはボニーMのいくつかの作品(「怪僧ラスプーチン」「マ・ベーカー」など)にも名を連ねているドイツの職業作家(作詞)です。この「サスケ」は、5カラットのオリジナルなのか、それとも「ジンギスカン」のように、ドイツのアーチストのカバーなのか、今のところ不明です。ドイツ人作家が、このような日本のほとんど無名に近いアーチストに楽曲を書き下ろすとは考えにくいので、これはカバーではないかと思いますが実際のところどうなのでしょう。
「ジンギスカン」
原たかし&バッドマンズ

1979年
訳詞:カルメン
編曲:ヒーロー・タカタ
ビクター SV-6607

 1978年11月に「ムーチョ・マッチョマン」でビクターよりデビューした原たかしクンの3枚目(そしてたぶん最後の)シングル。前2曲は巨匠筒美京平先生の書き下ろしのディスコ・ソング。そして3作目はカバーですが、やっぱりディスコ。
 編曲はストリングスを強調したり、シンセドラムを挿入したりなど、オリジナルをより歌謡曲的にした作りになっています。訳詞者はカルメンということですが、本業ではないのでしょう。音符に対する言葉の乗せ方があまり上手とは思えず、(これは聞いた方でないと判らないかもしれませんが)歌詞中の「チョッカイ」「ストレート・パンチ」「百発百中さ」というところなど、字余りで違和感を覚えます。彼の声質もくせがなく、逆に印象に残らないものとなってしまったようです。
 ちなみに、彼はディスコ・アイドルを目指していたようで、デビュー曲「ムーチョ・マッチョマン」のジャケットでは当時人気の「サタディ・ナイト・フィーバー」のジョン・トラボルタの例の(!)ポーズをとっています。BeN的には2曲目の「流されて」がマイナー・ディスコでとても好きな曲ですね。
 原たかしは、前〜前々作の2曲がぜんぜん売れなくて、困った時のカバー頼みとばかりに「ジンギスカン」で巻き返しを図ろうとしたようですが、オリコン100位にもチャートインできませんでした。しかし、この曲を当時のアイドルの西城秀樹が「Y.M.C.A」の次にリリースしていれば大ヒットだったでしょうね。
 なお、編曲のヒーロー・タカタは、70年代に筒美先生のアレンジを担当することの多かった高田弘だと思われます。

「ジンギスカン PARTT」
ザ・モンゴルズ

1979年
訳詩:浅川佐記子
編曲:松井忠重
日本コロムビア PK-164
 ジャケットだけを見たら、ヘビメタ・バンドによるパンク風「ジンギスカン」かと思いきや、アレンジはまったくオリジナルに忠実で、リード・ボーカルをとっている男性の声もいたってさわやかです。一つだけ上記の日本語の2バージョンと異なるのは、♪ジン・ジン・ジンギスカーン、と歌うところ以外すべて日本語で歌われているということです。つまり、サビの「へー・ライダー・ホー・ライダー」という部分まで「きーんじらーれた、ゆーひをもとめて(禁じられた夕陽を求めて)」などと日本語で歌われている点です。というわけで、歌詞はほとんどが日本語なので、このバージョンもまったく歌謡曲風です。
 B面の「ジンギスカン PARTU」の方は、ザ・フォーク・クルセダーズのヒット「帰って来た酔っ払い」(1967年)とまったく同じ作りで、声のピッチを上げて同じオケに乗せて歌っているものです。
 このアーチストに関する情報は、ネット上で検索しても有益な情報は見つかりません。たぶん、この1曲のレコーディングのためだけの企画なのでしょう。
 編曲の松井忠重は、松山千春の「旅立ち」「初恋」などの初期のヒット曲や、高田みづえの「私はピアノ」などの編曲をした人です。どちらかと言うと、ニューミュージック系のアレンジャーです。作詞の浅川佐記子は、ほとんど作詞家としての活動はしていませんが、なんと松田聖子のヒット曲「夏の扉」(1981年)のB面「頬に潮風」を作詞しています。この曲のアレンジも松井忠重です。
 それから、このジャケットですが、60年代後半に結成されたイギリスのロック・グループ、キング・クリムゾンのアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』(1969年)にソックリ。ヒゲがあるかないかが違うだけで、もうこれは確信犯でしょう。右記画像参照してください。
「恐怖の人間カラオケ」
少年探偵団
SIDE/B
【メドレー形式の一曲】

1979年
歌と編曲と演奏
少年探偵団
CBSソニー 06SH 648
 

 当時、テレビで「人間カラオケ」なるものがもてはやされたことがありました。これはオンタイムで当時を過ごした人でないと判らないかもしれませんが、写真にあるようなコーラス隊が、それぞれの楽器を口で演奏?し、カラオケに見立てるというものです。
*ジャケット裏の解説には下記のように記載されています。(以下、原文のまま)
 【人間カラオケは、生まじめに真剣な態度で行うべきもので、ふざけてやるとケガをすることがあります。丸いメガネとダーク・スーツを着用して行うとモア・ベターです。さあ、みなさん、まじめな態度でこの芸術にチャレンジしてください。】

 このシングルでは、当時のヒット曲をメドレー形式で、片面3曲ずつ(下記参照)演奏しています。「ジンギスカン」はB面に収録されています。どれも大ヒット曲ばかりで、BeNも「与作」以外は、すべてベストCDなどで持っているものばかりです。
SIDE/A:「サウスポー(ピンク・レディー)」〜「与作(北島三郎)」〜「絶体絶命(山口百恵)」
SIDE/B:「ビューティフル・ネーム(ゴダイゴ)」〜「迷い道(渡辺真知子)」「ジンギスカン(ジンギスカン)」
 
 そんな時代のいたずらが生んだ一枚(大げさ?)。

「女王様第二章
〜踊る女王様〜」
女王様
【メドレー形式の一曲】

1996年
訳詩:S中野
編曲:西脇辰弥
ソニー SRCL3554
 90年代中盤、王様というアーチストが洋楽(ディープ・パープルなど)を日本語に直訳したロックを歌いちょっとした人気となっていました。当時、レコード大賞企画賞も受賞したそうです。そんな直訳ロックブームに便乗してリリースされた企画物のひとつで、爆風スランプのギタリスト、パッパラー河合氏が変名でやっていたものです。
 この「踊る女王様」のオリジナル楽曲は、70年代後半〜80年代前半にヒットしたディスコ・ヒット「セプテンバー(EW&F)」「ザッツ・ザ・ウェイ(KC&サンシャイン・バンド)」「コパカバーナ(バリー・マニロウ)」「愛がすべて(スタイリスティックス)」「ジンギスカン(ジンギスカン)」「ゴー・ウエスト(ヴィレッジ・ピープル)」「君の瞳に恋している(ボーイズ・タウン・ギャング)」で、これらをメドレーでつないだものとなっています。《( )内はオリジナル・アーチスト》
 楽曲は、どれもオリジナルにかなり忠実に演奏されており、ボーカルを耳にしなければ、オリジナルのインストかと思われるくらいです。
 また、ただ直訳というだけでなく、かなりジョークを効かせた歌詞になっていますので、聴いているだけで愉快な気分になること受けあいです。特に「それなんです(ザッツ・ザ・ウェイ)」なんて最高!

 ところで、ジャケットに記載された「大ヒット本命盤」の文字がどことなく、70年代のレコード・ジャケットを彷彿とさせますね。当時のディスコものには必ずと言っていいほど、このように「本命盤」などと記載されていたものです。
「enka train VOL.2」
おたっしゃクラブ
【メドレー形式の一曲】

1996年
produced by 見良津健雄
ポリスター PSCR-5458
 「enka tarin」は、70年代後半〜80年代前半に流行したディスコ・サウンドに乗せて、演歌を歌ってしまうというものすごい企画物!ちょうど、グッチ裕三あたりがテレビの音楽バラエティ番組などで披露していたああいう感じだと思ってもらえればいいと思います。ディスコ・サウンドのカラオケに乗せて、演歌を歌うという一見ミスマッチな音楽が上手く融合され、非常にユニークなサウンドとなっています。
 このマキシCDに収録されているのは、下記の曲です。
1.ENKA TRAIN -EXTENDED VERSION- 
 ソウル・トレインのテーマ〜津軽海峡冬景色〜ザッツ・ザ・ウェイ〜夢芝居〜Y.M.C.A.〜瀬戸の花嫁〜ハロー・ミスター・モンキー〜夜空〜ジンギスカン〜与作
2.ザッツ・ザ・ウェイ〜夢芝居
3.Y.M.C.A.〜瀬戸の花嫁
4.宇宙のファンタジー〜天城越え
5.ジンギスカン〜与作

1はメドレー、2〜5はそれぞれの楽曲を単独で収録しています。「ハロー・ミスター・モンキー」と「夜空」はメドレーにのみ収録。

 「ジンギスカン」と「与作」は、♪与作は木を切る〜ヘイ・ヘイ・ホー〜ヘイ・ヘイ・ホー〜フッ!ハッ!フッ!ハッ!〜こだまはかえるよ〜ヘイ・ヘイ・ホー〜ヘイ・ヘイ・ホー〜フッ!ハッ!フッ!ハッ!・・・、こんな感じです。一聴の価値あり!
 中でもBeNとしてのオススメは、「宇宙のファンタジー〜天城越え」です。


 

♪「めざせモスクワ(MOSKAU」
「めざせモスクワ」
バオバブ・シンガーズ

1979年
訳詩:ケイ・ふじやま
編曲:中島正雄
演奏:ザ・テレフォン
キングレコード GK-364
 バオバフシンガーズは、当時人気の声優、富田耕生、富山敬、神谷明、三ツ矢雄二、水島裕、井上和彦、肝付兼太、加藤修、緒方賢一、山田俊司、小原乃梨子、北浜晴子、吉田理保子、清水マリ、千々松幸子、野沢雅子で結成されたグループ。たぶんアニメ界では有名な方ばかりなんでしょうですが、私はアニメにはほとんど興味がありませんので、「銀河鉄道999」で哲郎の声をした野沢雅子さん、他には有名な富山敬、神谷明、水島裕くらいしか知りません。
 ジャケットは見てもお判りと思いますが、モスクワ・オリンピックを意識しているようで、歌詞には♪勝つと負けるじゃ天国と地獄、とか♪オリンピックの五つの輪が集まる、などとあります。しかし、問題は二番の後のサビです。一番では♪モスコ、モスコ、と歌っているのに、二番でははっきりと、♪ムスコムスコ、大きくなあれ、ムスコムスコ、大きくなってオリンピックめざせ♪、と歌っています。これってかなり問題!そして大きくなったムスコでめざすオリンピックってどんなのなんでしょう?!

 現在でも、CD『ディスコ歌謡コレクション キング編』で入手可能です。他にもおかしなディスコ歌謡が多数収録されていますので、購入してみる価値があるかもしれませんね。
「めざせモスクワ」
ダーク・ダックス

1979年
詩:藤公之助
編曲:白石哲也
ロシア語詩:川崎保
ポリドール DR 6383
 日本では、ロシア民謡を歌わせたら右に出る者がいないと思われる男性コーラス・グループのダーク・ダックスがやってくれました!ジンギスカンの「めざせモスクワ」のヒットを受けて、彼らまでもがジンギスカンをカバーしています。他のアーチストがシャレでやっているのに対して、彼等は本当に大マジメに、真正面からこの曲に取り組んでいます。通常は♪モスコー、モスコー、と歌われるところも、彼らの手にかかると、♪モスクワァー、モスクワァー、となっているところに生真面目な感じが伺えます。
 歌詞はオリジナルに比較的忠実ですが、♪僕のカチューシャ!君のナターシャ!と無理やり韻を踏むために設けられたような個所も見受けられます。また、間奏では、ロシア民謡の「ポリシカポーレ」のメロが封入さたり、エンディング前の30秒からは、だんだんとメロディが早くなったり、アコーデォンや、歌詞に併せてバラライカの演奏が聴かれたりと、とても納得+オススメの一枚です。
 なお、CDでも聴きたいところですが、これは彼らの大全集など、ボックス・セットでなければ収録されていないたいへんマニアックな楽曲なので、シングル盤を根気良く探した方がいいかもしれません。
「めざせモスクワ」
オリンピックス
(The Olympics)

1979年
編曲:Cozy Horsefield
ポリドール DR 6376
 オリンピックスによる英語バージョンの「めざせモスクワ」。この英語バージョンは、オリジナル・アーチストのジンギスカンによる英語バージョン(オンタイムでは日本未発表)と同じ歌詞を使用しています。オリンピックスについての情報はネット上にもまったく見つかりません。しかし、裏ジャケを見ると、プロデューサー、ディレクター、ミキサー、イラストレーターなどすべてのスタッフが日本人名になっているので、これらを考えると、どうやらメイド・イン・ジャパンの、(マルコ・ポーロのように)柳の下のドジョウ狙いの企画モノかと思われます。
 ジャケットの可愛いイラストから想像すると、当時、「ジンギスカン」などがスクール・ダンスの定番だったため、幼児向けの(学校教育用)レコードかと思ってしまいますが、さにあらず。まじめに洋楽ヒットを狙ったもので、大人向け(?)の普通の洋楽です。アレンジの方は結構しっかりとしていて、オリジナルよりも低音がズッシリとした、お腹に響くようなサウンドです。しかし、ボーカルは、そこらへんにいる外人を捉まえてレコーディングさせたような、あまり上手とは言えないものです。
 カップリングはインスト(カラオケ)・バージョン。しかも当時のカラオケの主流であるガイド・メロディー入り。♪モスコー、という出だしの部分など大半は、泣きのエレキ・ギター(!)がガイドを努めており、なんだか「さらばシベリア鉄道」みたいでカッコいいです。
 というわけで、へたにボーカルが入っているA面より、「シベリア鉄道」風B面のほうがオススメです。なお、編曲者のCozy Horsefieldですが、作〜編曲家の馬飼野康二氏と思われます。普通にCozy Horsefieldと検索してもネット上でまったく有益な情報が得られないことに加え、Cozy=康二、Horsefield=馬野 と考えられるからです。馬飼野康二は、松崎しげるの「愛のメモリー」などの大ヒットで知られる歌謡界の大御所で、他にもたくさんのヒット曲があります。近年でも、Kinki Kidsや嵐のシングルを精力的に書き下ろしています。なお、彼は、アーチストやその時代により、Jimmy Johnsonや、Mark Davisなど、変名を用いることは歌謡曲マニアの間ではよく知られていることです。
「めざせモスクワ」
(世運在莫斯科〜MOSKAU)
*「アイム・セクシー」のB面
林子祥
(リン・ツーシャン)

1980年
訳詩:鄭國江
編曲者不明
東芝EMI EMR-20661
 

 リン・ツーシャンのセカンド・シングル。ロッド・スチュアートのディスコ・ヒット「アイム・セクシー」のカバーのカップリングとしてリリースされました。
 こちらもリン・ツーシャンのしゃがれ声で力強く歌われるボーカル+広東語ということで、結構おもしろいバージョンだと思います。機会があればぜひ聴いてみてください。

『星聲傳集』

 また、2002年にホンコンEMIよりリリースされたリン・ツーシャン(林子祥)のCD『星聲傳集』には、この「アイム・セクシー」は収録されていませんが、「ジンギスカン」「めざせモスクワ」ともに収録されています。本国ホンコンでは、もしかしたら「めざせモスクワ」のほうがA面だったのかも。
 このCDはベスト・アルバムですが、他にも中華風バラードや、フレンチ風ポップス、70年代後半のディスコ・ヒット「Y.M.C.A.」、「プレイ・ザット・ファンキー・ミュージック」、「怪盗アリババ」も収録していてとても楽しめるアルバムです。特に、パピオンの「怪盗アリババ」は、BeNの超お気に入りでもあり、未CD化のこの曲を、こういう形で聞くことができ嬉しかったです。
(しかし、このCD、音質はあまり良くないようです。念のため。)




♪「サムライ(SAMURAI)」
「OH!サムライ」
バオバブ・シンガーズ

1980年
訳詩:藤公之介
編曲:中島正雄
キングレコード GK-392

 タイトルは「OH!サムライ」ということで、「お侍」という意味なのでしょうか。これも「めざせモスクワ」同様、バオバブ・シンガーズによるカバーです。シングルにも「訳詩」と記載されていますが、はっきり言って、歌詞はオリジナルとサビの♪サームライ、サームライ、アーイアイアイアーイヤーという部分以外はほとんど、サムライ(架空の人物を含む)の名前や、それら登場人物によるセリフなので訳詞と言える代物ではありません。
 歌詞中には丹下作膳、鞍馬天狗、遠山の金四郎、赤胴鈴之助、宮本武蔵・・・などが登場します。また、セリフとして、「むかし、サムライは毎日、下着を取りかえた。むかし、サムライはいかに美しく死ぬか考えていた・・・」などとあり、ホント支離滅裂です。
 サウンドの方は、オリジナルが(ありがちなヨーロッパ人の間違った認識による)中華風メロデイなのですが、このバージョンではよりディスコ風に、そして歌謡曲風にアレンジされていて、個人的には好きなアレンジです。
 編曲の中島正雄は、三原順子のヒット曲「ド・ラ・ム」や、彼女への横浜銀蝿のメンバーが書き下ろしたヒット曲「だって、フォーリンLOVE突然」「ホンキでLove Me Good!」などのアレンジやプロデュースをした方です。その後はあのBeingなどに在籍したようです。
 ちなみに、B面は富山敬の歌う「アニメーション・ドリーム」という(たぶん)オリジナル。
 なお、この「OH!サムライ」や、上記の「めざせモスクワ」を含むバオバブ・パーティー』というアルバムもリリースしていました。このアルバムには「めさせモスクワ」を改題した「めざせロサンジェルス」という曲も収録していました。

 今回は「めざせモスクワ」よりも少し人数が減って、富田耕生・富山敬・三ツ矢雄二・水島裕・滝沢久美子・加藤修・緒方賢一・山田俊司・藤城裕士・屋良有作が歌っています。



♪「ハッチ大作戦(HADSCHI HALEF OMAR)」
「勇者オマール」
マルコ・ポーロ

1980年
編曲者不明
オーヴァーシー・レコード
MA-198-V
 この頃には、ジンギスカンの知名度もアップし、逆にマルコ・ポーロがキワモノということが知れ渡っていたので、オリコン100位にもチャートインしませんでした。(ジンギスカンも十分キワモノ扱いだったけど(笑)。)
 曲は、オリジナルと比べとても単調な感じです。サビは、♪ハッハッハ!ハッチ・ハレフ・オーマ♪から、ずっと意識的に?音程を変えてあるので、オリジナルを何度も何度も聴いた後で聴くととても違和感があります。
 タイトルは、オリジナルの「ハッチ大作戦」から原題に近い「勇者オマール」と改題しています。
 ちなみに、B面はボニーMの「フレー!フレー!」。A面がジンギスカン、B面がボニーMのカバーという安直な選択でした。ジャケはキワモノの割にはちゃんとしてる感じですね。


 以上、なんと、日本でリリースされたシングル6枚のうち、4枚目まですべてカバーが存在します!これはやはりアーチストや楽曲のインパクトが大きい証明でしょう。うち、マルコ・ポーロが2曲、バオバブ・シンガーズ、リン・ツーシャンが2曲と同じアートストが複数曲カバーしているのも特徴です。

♪「KOREA (KOREA)」

「KOREA」
少女隊

1988年
日本語詩:小林まさみ
英語詩:オリジナルと同じ
東芝EMI
RT07-2085
 「KOREA」には、いくつかのカバー・バージョンがリリースしています。オリジナルはもちろんレスリー・アンド・エヴァですが、日本では少女隊が英語と日本語でカバーしました。少女隊は韓国の人気テレビ番組にも出演したり、オリンピックのフィナーレでも日本語で歌ったとのこと。当時、日本のアーチストが反日感情の根強い韓国で音楽活動をすることは大変珍しいことで、この少女隊の「KOREA」は、韓国で放送された戦後、初めての日本語の歌ということで大きな話題となりました。
 このレコードは、 A面がJapanese version、B面がEnglish extended versionとなっています。オリジナルで聴かれるイントロの韓国民謡「アリラン」のハミングはありませんが、それ以外のアレンジはオリジナルとあまり変わりありません。少女隊バージョンは、アイドルらしいとても可愛いボーカルを聞かせてくれ、アーチスト・パワーもあり、オリコン最高46位、0.9万枚のスマッシュ・ヒットとなりました。
 その他には、ホンコンでもシータ・ウォンという歌手が広東語でリリースしヒットしました。(日本でもシングル盤がリリースしています)








上記以外のジンギスカンのカバーもの



アーチスト 収録アイテム リリース年 フォーマット 備考
■「ジンギスカン」    
川崎麻世 『MAYO SELECTION』 1979 LP  
渋谷哲平 『ヤングセーラーマン IN THE NAVY』 1979 LP  
M's-QUEEN 『ゴールデン・エイジ・オブ・ディスコVol.1〜ルーツ・オブ・ユーロビート』 1990 CD 70年代ディスコをスタジオ・ミュージシャンがカバーしたもの
SMAP 『SMAP LIVE BIRDMAN 1999 Summer Tour』 1999 DVD+
VHS
ライブ・バージョン
米米クラブ 『DEBUT SHARISHARISM Vol.1』 1990 VHS 武道館で行われたライブ。メドレーの中の1曲。
イノウエ 『お茶』 1999 CD  
ユーロチーム・フィーチャリング・メガ・エナジー・マン 『'70s DANCE MEETS '90s BEAT』 1994 CD 70年代ディスコをイタロ・アーチストがカバーしたもの
レーニングラードカウボーイズ 『モンゴリアンズ・バーベキュー』 1997 CD フィンランドのバンド。なんと日本語で歌っています
KOYOTE(コヨーテ) 『KOYOTE 7』 2004? CD 韓国の人気3人組ユニット。「ジンギスカン」と「めざせモスクワ」を一緒にして、オリジナルのメロディーを追加。「アジャ!アジャ!」というタイトルでカバーしています。
【下記4タイトルは日本未発売】
Vielharmoniker 『Live In Concert Vol.2』 2000 CD  クラシックと合体したドイツ・ポップス
Zuckermund 『Schlager Hits』 2000 CD  スタジオ・ミュージシャン?
Apokalyptische Reiter 『Allegro Barbaro』 1998 CD ドイツのヘビメタ・バンド!
D.K.2nd Generation 『Dschinghis Khan』 1996 マキシCD
■「めざせモスクワ」    
ユーロチーム・フィーチャリング・メガ・エナジー・マン 『'70s DANCE MEETS '90s BEAT』 1994 CD  
バオバブ・シンガーズ
歌/三ツ矢雄二水島裕・滝沢久美子
『バオバブ・パーティー』 1980 LP 「めざせロサンジェルス」と改題したバージョン
【下記タイトルは日本未発売】
cabaret-duet "Academy" 『Moskau』 1997 マキシCD? ロシアのコメディ・バンド?
*他にもカバー曲を見つけた場合はぜひご連絡ください。


thanks to Tomohiro

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