【25日目:1997/11/03:福岡県北九州市八幡東区】

 当日は辛かった。と言うのは、前日45Km(体感的
には50Km以上)歩いたのがたたり、両足の裏にマメ
ができた。 痛みのため、歩行速度が上がらない。
ゆっくり歩く事にした。 無意識のうちに、痛みを
かばって歩くので、日頃使っていない筋肉に負担が
がかかり、いろんなところが、痛みだした。   

 小倉南区の国道10号線沿いに植樹された並木は、
秋の色そのものだった。 郷愁を誘う風情だった。

 当日の朝に立てた歩行計画では、JR小倉駅経由
でJR八幡駅までを予定していた。 しかし、足の
痛みがとれず、気分が冴えなかったので、ざわざわ
した街の中を通る気持になれなかった。 そのため
急きょコースを変更した。 小倉競馬場から、山越
えで八幡東区七条へ抜ける道を選んだ。     

 その後、八幡東区中央町へとさしかかった。 当
日は祭りで賑やかだった。 新日鉄八幡製鉄所の起
業記念日を祝う、「起業祭」だ。 日頃は鉄冷えと
言われて久しくなり、往年の輝きは何処かに消えて
しまっているが、唯一「起業祭」だけは、華やかな
りし往時を偲ばせるイベントである。      

 まだ、陽の高い時刻であったが、皿倉山の麓のJ
R八幡駅に到着した。 とうとう、あと1日の所ま
で歩いてきた。                

 最終回へ つづく。