【16日目:1997/08/18:宮崎県高鍋町】    

 九州の地図を見ると一目瞭然である。何がそうか
と言うと、宮崎市と日向市を結ぶ海岸線がほぼ直線
なのである。九州は出入の激しい海岸線を持ってい
るが、ここだけは例外である。その距離は、大よそ
70Kmある。                  

 つまり、何も変化がないのである。おまけに当日
の空は、鉛色の曇天で、どこを見ても雲の切れ目は
なく、全天同一色の無彩色であった。「日本晴れ」
と言う呼び方がある様に「日本曇り」ってあるのだ
ろうか?                   

 佐土原町、新富町を経て宿泊予定地の高鍋町に到
着した。その間、特に印象的な出来事は無かった。
一日中この様な事は初めてであった。      

 当日撮影した写真はたったの二枚だけ。一枚は、
一ツ瀬川に架かる「日向大橋」。もう一枚は「門司
まで310Km」の道路標識。          

 この「何もない一日」と言うのも、一つの収穫な
のかもしれない。また、日を改めて同一コースを歩
いたら、全く別の一日になるのかも・・・。   

 夕食は、ホテルの1階のレストランで摂った。カ
ウンターの中にいるマスターと世間話をしながら、
晩酌を頂いた。                

 部屋の狭いバスタブに浸かりながら「明日は、ど
んな日になるのだろうか?」と思った。     

 つづく。