43.風の歌を聴け | 村上春樹 | ☆☆ |
42.涼宮ハルヒの憂鬱 | 谷川流 | ☆☆☆ |
41.NHKにようこそ! | 滝本竜彦 | ☆☆ |
40.もっと生きたい・・・ | Yoshi | ☆☆☆☆ |
39.Dear Friends | Yoshi | ☆☆☆☆ |
38.世界の中心で、愛をさけぶ | 片山恭一 | ☆☆☆ |
37.DeepLove | Yoshi | ☆☆☆☆☆ |
36.ダンス・ダンス・ダンス(上)(下) | 村上春樹 | ☆ |
35.”It”と呼ばれた子(青春編) | デイヴ・ペルザー | ☆☆ |
34.十五少年漂流記 | ヴェルヌ | ☆☆☆ |
33.”It”と呼ばれた子(幼少期・少年期・完結編) | デイヴ・ペルザー | ☆☆☆☆ |
32.R.P.G | 宮部みゆき | ☆☆ |
31.ステップファザー・ステップ | 宮部みゆき | ☆☆☆ |
30.今夜は眠れない | 宮部みゆき | ☆☆☆ |
29.車輪の下 | ヘルマン・ヘッセ | ☆ |
28.蹴りたい背中 | 綿矢りさ | ☆☆ |
27.SLY | 吉本ばなな | ☆ |
26.マリカのソファー/バリ夢日記 | 吉本ばなな | ☆☆☆ |
25.変身 | カフカ | ☆☆☆ |
24.哀しい予感 | 吉本ばなな | ☆ |
23.そして誰もいなくなった | アガサ・クリスティー | ☆☆☆☆ |
22.うたかた/サンクチュアリ | 吉本ばなな | ☆☆☆☆ |
21.N・P | 吉本ばなな | ☆☆ |
20.銀河鉄道の夜 | 宮沢賢治 | ☆ |
19.キッチン | 吉本ばなな | ☆☆ |
18.新約聖書 | ☆☆☆ | |
17.日本語練習帳 | 大野普 | ☆☆☆☆☆ |
16.魔性の子・緑の我が家(Home,Green Home) | 小野不由美 |
☆☆ |
15.十二国紀 | 小野不由美 | ☆☆☆ |
14.バースデイ | 鈴木光司 | ☆☆☆ |
13.斜陽 | 太宰治 | ☆ |
12.ループ | 鈴木光司 | ☆☆☆☆ |
11.海と毒薬 | 遠藤周作 | ☆☆☆ |
10.ノルウェイの森(上)(下) | 村上春樹 | ☆☆☆☆ |
9.アムリタ(上)(下) | 吉本ばなな | ☆☆ |
8.TUGUMI(つぐみ) | 吉本ばなな | ☆☆ |
7.人間失格〜たとえば僕が死んだら〜 | 野島伸司 | ☆ |
6.テロリストのパラソル | 藤原伊織 | ☆☆☆☆ |
5.らせん | 鈴木光司 | ☆☆☆☆ |
4.リング | 鈴木光司 | ☆☆☆ |
3.こころ | 夏目漱石 | ☆☆☆ |
2.不夜城 | 馳星周 | ☆☆☆☆ |
1.人間失格 | 太宰治 | ☆ |
読書期間―2008年7月(1週間)
おすすめ度-☆☆
紹介文
一九七〇年の夏、海辺の街に帰省した(僕)は、友人の(鼠)とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。二人それぞれの愛の屈託なさりげなく受けとめてやるうちに、(僕)の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春のいっぺんを乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。
軽快な感じで読みやすい。メタファー的な抽象的な感じが多く、かなり読解力がないと、本質の主題が分からないかもしれない。白・黒がはっきりしてないと気がすまない人にはおすすめできない。感想は・・・まぁ、普通に面白かったです。
読書期間―2007年7月(1週間)
おすすめ度-☆☆☆
紹介文
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところ来なさい。以上」。入学早々、ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた涼宮ハルヒ。そんなSF小説じゃあるまいし・・・・・・と誰でも思うよな。俺も思ったよ。だけどハルヒは心の底から真剣だったんだ。それに気づいたときには俺の日常は、もうすでに超常になっていた---。第8回スニーカー大賞受賞作、ビミョーに非日常学園ストーリー!
この小説のすごいところは、すべて1人称で書かれているにも関わらず、読者を飽きさせずにパラレルワールドにひきこんでいくところ。ありそうでなかった話、普通に面白いです。DVDを観るとちょっと萌え系アニメに感じるかもしれないけど、でも、DVD版を観てから読んだほうが面白いと思う。同じ内容だけど・・・。
読書期間―2007年3月(1週間)
おすすめ度-☆☆
紹介文
俺は気づいてしまった。俺が大学を中退したのも、無職なのも、今話題の悪の組織NHKの仕業なのだということを!・・・だからといって事態が変わるわけでもなく、ずるずるとひきこもる俺の前に現れた清楚な美少女、岬ちゃん。「あなたは私のプロジェクトに大抜擢されました。」って、なにそれ?エロスとバイオレンスとドラッグに汚染された俺たちの未来を救うのは愛か勇気か、それとも友情か?驚愕のノンストップひきこもりアクション小説ここに誕生!
これはいかに主人公に共感できるかどうかがミソです。私のようなひ弱でひきこもりの自分は、のめりこむように読め、共感する部分があり大変面白かったです。しかし、普通の人がみたら、主人公を馬鹿扱いするだけでつまらないと思うでしょう。落ち込んでいる時に読めば元気がでます。下には下がいることを!
読書期間―2005年8月(1週間)
おすすめ度-☆☆☆☆
紹介文
鬼才Yoshiが4年間の沈黙を破った!
過激さのあまりYoshi自信が封印した問題作。
「この物語の結末やストーリーは誰にも人には教えないでほしい。」
「今までに経験したことのない感動と衝撃があなたを虜にする―――。」
とのことなので、何も書けません。
DeepLoveより前に書かれていたが、過激な内容で書籍化されていなかったものです。内容は書いてほしくないとのことなので書けませんが、一言で言うなら「感動」。さすが、「Yoshi」と思わせる傑作。まじでおすすめなので、本気で読んで、そしてきっちり最後まで読んでください。
読書期間―2005年6月(1週間)
おすすめ度-☆☆☆☆
紹介文
愛情のない父親と過保護の母親、そして完璧な容姿をもつ18歳の高校3年生リナ。
「友達なんて利用するもの」
そう言い放つリナを予期せぬ出来事が襲う。そして、リナの前に現れた小学校時代の同級生マキ―――。
新たなる感動のストーリーがいま始まる。
DeepLoveに続く、Yoshiの携帯小説2作目。これまた、めっちゃいいです。超おすすめです。シンプルisベストといった感じ。ありがちそうなネタなのに、シンプルな表現で読者の涙を誘います。こんな友達が一人でもこの世に存在したらいいなと思います。最後が少し強引な感じがしなければ、満点だったのだが・・・惜しい。
読書期間―2005年4月(1日)
おすすめ度-☆☆☆
出版社の紹介文・・・「好きな人を亡くすことは、なぜ辛いのだろうか」――十数年前、高校時代に体験した恋人の死を巡って展開されるどこまでもピュアな物語世界。『ジャンプ』佐藤正午氏推薦の清新な書き下ろし恋愛小説!主人公は朔太郎という名の、地方都市に住む高校2年生。物語は、アキという名の同級生の恋人の死から始まる。そして生前の彼女との思い出を回想するように、ふたりの出会い、放課後のデート、恋人の墓から遺骨の一部を盗んだ祖父の哀しくユニークな話、ふたりだけの無人島への旅、そして彼女の発病・入院、病院からの脱出、そして空港での彼女の死までのストーリーが語られ、その中で朔太郎は自分の「生」の充足が、彼女との出会いから始まっていたことに気づく。アキの死から十数年が経過した今も粉状になった彼女の遺骨の一部を小さな硝子瓶に持ち続けていた朔太郎は、新たな恋人とともにアキとの思い出が詰まった郷里を訪ねる。そして「アキの死」が残したものの大きさを感じながら、ふたりがかつて一緒にいた郷里の学校のグラウンドで静かに骨を撒いた――。
精神衛生上あまりよくない本だと思ってましたが、特段、普通の話でした。別に、身構えて読む必要はありません。とても読みやすい文章で、その世界に溶け込みやすい内容となっています。ユニークでありながら、悲劇的な感動要素もあり、そこそこバランスがよいお話だとおもいます。とはいっても、DeepLoveの悲劇に比べたら屁の河童で、全然感動しなかったけど。世間ではそれなりに有名だっただけに、それなりに読める本ではあるので、さくっと暇つぶしに読むのがおすすめ。
読書期間―2005年4月(2週間)
おすすめ度-☆☆☆☆☆
紹介文
【第1部「アユの物語」】援助交際する17歳のアユ。愛し、愛されることを知らなかった少女が、おばあちゃんや義之との出会いで変わっていく・・・。ケータイ連載当時の物語にアナザーストーリーも特別収録!
【第2部「ホスト」】第1部「アユの物語」で渋谷の街に消えた冷たく澄んだ目を持つ少年、義之。その後の彼の運命は?そして、かつてアユと一緒に見た空をふたたび見上げる日は訪れるのか・・・?
【第3部「レイナの運命」】「アユ」から預かったペンダントを手に、義之はレイナを探しに行く。幼い我が子の前から、レイナはなぜ姿を消したのか?感動の「DeepLove」シリーズ完結編。
【特別版「パオの物語」】都会の片隅の1軒家に3人兄弟で生まれた子犬のパオ。しかし、パオたち兄弟は離れ離れに・・・。第1部「アユの物語」に登場したパオがアユと出会うまでのもう一つの物語。
ついに出た、おすすめ度MAX本!これは本気で泣きます。まじで感動します。ちょうおすすめです。とにかく読んでみて!余計なものを一切排除したシンプルな表現が、強烈に読者の心に訴えられます。はじめは「ふ〜ん」っていう感じで読めますが、どんどんはまってしまうと悲しくて切なくて涙が止まりません。おすすめは特に第1部後半と第2部が本気モードで感動。第3部は話が現実離れしすぎて、ちょっとひいてしまいます。これぞ人間が求める究極の愛の形なのかもしれない・・・。この本は神と認定します。
読書期間―2005年1月(2ヶ月)
おすすめ度-☆
文庫本の裏表紙・・・(上)『羊をめぐる冒険』から四年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。七十年代の魂の遍歴を辿った著者が八十年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに書きあげた話題作。
(下)失われた心の震えを回復するために、「僕」は様々な喪失と絶望の世界を通り抜けていく。渋谷の雑踏からホノルルのダウンタウンまで――。そこではあらゆることが起こりうる。羊男、美少女、娼婦、片腕の詩人、映画スター、そしていくつかの殺人が――。デビュー十年、新しい成熟に向かうムラカミ・ワールド。
上・下の2巻構成で、1巻あたり400Pと相当なページ数があります。・・・が、はっきり言って、つまらないです。読む価値ありません。意味不明な展開が次々と起こり、結局、何が言いたいのか?何を訴えたいのか?ファンタジーならのかリアリティなのか?さっぱり分からない小説です。主題が不明確で、さらに、展開も意味不明。乱雑な著者のメモみたいな小説です。まるで先を読めない展開を期待する小説を読みたい人にはいいかも。
読書期間―2004年11月(2週間)
おすすめ度-☆☆
文庫本の裏表紙・・・実母による虐待から逃れ、里子となって中学校に入学したデイヴを待っていたのは、心無いクラスメイトたちによる残酷な”いじめ”だった。それでも彼はくじけない。友達が欲しい、語り合える仲間が欲しい---高校生になり、そんなデイヴにもようやく親友と呼べる友人ができる。冒険とスリル、周囲の大人たちとの関わり、そして淡い初恋・・・。生まれて初めて友情を知り、他人と触れ合い、愛する喜びと信じる強さを学んでゆくデイヴ。児童虐待の被害者にすぎなかったひとりの少年を、その後のデイヴ・ペルザーへと導いた、決定的な出会いと悩み多き日々を綴った、あざやかに胸にせまる青春期の告白!
3部作である幼少期・少年期・完結編の補足編として執筆されたのがこの作です。基本的に左記3部作を読んでからじゃないと意味が分からないかもしれませんが、3部作とは違った雰囲気の作品となっています。3部作のようなダークな場面はほとんどなく、ある青年の青春の1ページを綴った感じの作品です。3部作のように特異な人生でなく、ごく普通の日常の友情や恋といったノーマルな題材が主となっていて、前作からするともの足りない感じがします。前作ほどのインパクトはないので、敢えて読み必要は個人的意見からするとないと思います。ごく普通の共感できる青春を味わいたい人におすすめの小説です。
読書期間―2004年11月(3日)
おすすめ度-☆☆☆
文庫本の裏表紙・・・14歳のゴードンを頭に15人の少年たちだけを乗せたスクーナー船が、ふとしたことから荒海に出てしまった。大嵐にもまれたすえ、船は、とある岸辺に座礁。島か大陸かもわからないこの土地で、彼らは生きるためにさまざまな工夫を重ね、持前の知恵と勇気と好奇心とを使って冒険に満ちた生活を始める・・・。”SFの祖”ジュール・ヴェルヌの手になる冒険小説の完訳決定版。
少年向け小説の代表作と思うかもしれませんが、これは老若男女におすすめできる一級品の小説だと思います。これは100年以上も昔に書かれた小説ですが、むしろ現代の人のほうが感動する部分が多いと思います。なぜなら、15人の少年が漂流してもなお、たくましく生き残る術として、狩りをしたり釣りをしたり、そして少年達だけで社会を築く・・・・このようなことは、甘ったれの現代人には絶対にできないことでしょう。すべてにおいて、勇敢に立ち向かう少年達の生き様は感動します。反抗的な少年の時に読むより、大人になって読むほうが、より純粋にこの物語を受け入れられるでしょう。
33.”It”と呼ばれた子(幼少期・少年期・完結編)-デイヴ・ペルザー
読書期間―2004年10月(2ヶ月)
おすすめ度-☆☆☆☆
文庫本の裏表紙・・・
(幼少期)「なぜ、ぼくだけがこんな目?」−母親に名前さえ読んでもらえない。”ThatBoy(あの子)”から、ついには”It(それ)”と呼ばれるようになる。食べ物も与えられず、奴隷のように働かされる。身の回りの世話はおろか、暴力をふるわれ、命の危険にさらされ、かばってくれた父親も姿を消してしまう−児童虐待の体験者がその記憶をたどることは、きわめて苦痛と困難をともなうものだ。本書は、米国カリフォルニア史上最悪といわれた虐待を生き抜いた著者が、幼児期のトラウマを乗り越えて自らつづった、貴重な真実の記録である。
(少年期) 「ぼくには、どこにも居場所がない」−すまじい虐待から逃れ、ようやく子供らしくのびのび暮らせると思えた里子としての暮らし。しかし、そこでも数々の試練が彼を待ち受けていた。母親から離れてもなお恐怖にさいなまれ、それでも母親に愛されたいという思いに心揺さぶられる日々。学校や少年院でのつらい出来事や世間の偏見の目にさらされながら、それでも希望を捨てずに自分の生き方を探しつづける。カリフォルニア史上最悪と言われた児童虐待の体験者が自ら明かす、少年期の記録。
(完結編)幼い時から実母による虐待を受け続けたのち、里子として偏見と差別のなかで成長し、やがて18歳で空軍に入隊したデイヴ。かつてはヒーローだった父親が悲しい死を遂げ、はじめて愛した女性との結婚生活もまた悲劇に終わる−それでも、最愛の息子スティーヴンとのふれあいを通じて、癒されてゆく。そして、ついに母親との再会を果たすことを決意。憎しみと許しのはざまで苦悩しつつも、人生最大の問いかけ−「なぜ、ぼくを虐待したのか?」と尋ねるために・・・壮絶な虐待の体験者が、トラウマを乗り越え、人間として生まれ変わるまでの魂の軌跡。
3部作で、本も3冊別々に出版されています。幼少期、少年期、完結編と順順にすべて読んだほうがいいでしょう。幼少期は、あまりにも残酷すぎる虐待の内容が記されていて、読んでいる人すら目をそむきたくなります。本当に読むに耐えないものですが、ここはぐっとこらえて読んでください。はっきり言って、読んでるだけで、読者のほうが心が痛みます。少年期になると、すさまじい虐待の描写はなくなるので、安心して読めます。ここからは、普通の小説として読めるでしょう。しかし、幼少期よりましですが、さまざまなつらい場面が描写されていて、心苦しくなる場面もあります。完結編になると、完璧に大人になっていて、成長しきった大人のいざこざ問題です。幼少期に比べれば、全然甘ったるい場面も多々あり、平凡に苦痛なく読めるでしょう。
これは、ぜひ子供を育てる親、または親になろうと思っている人に、ぜひとも読んでほしい本です。「私は絶対違う」という人ほど危ないのです。絶対に悲劇を起こさないために、最悪のパターンをあらかじめ読んでおくことは、自分で間違いを起こさないためのひとつの薬になると思います。これは、おすすめ本というより、読むことが義務の本です。
読書期間―2004年6月(3週間)
おすすめ度-☆☆
文庫本の裏表紙・・・ネット上の擬似家族の「お父さん」が刺殺された。その3日前に絞殺された女性と遺留品が共通している。合同捜査の過程で、「模倣犯」の武上刑事と「クロスファイア」の石津刑事が再会し、2つの事件の謎に迫る。家族の絆とは、癒しなのか?呪縛なのか?舞台劇のように、時間と空間を限定した長編現代ミステリー。宮部みゆきが初めて挑んだ文庫書き下ろし。
宮部みゆき3作目。ずばり言ってしまうと、ちょっと途中はいまいちだったが、最後まで読んでやっと納得ができたレベル。思ったよりは良くなかった。口調は淡々と書かれているけど、雰囲気は全然ミステリーっぽくなく、人物描写が弱すぎて、人物に気持ちが投影できない。ミステリーだから、投影する必要はないとは思うんだが、優しい文長で、家族的ネタなんだから、もっと人物の感情の揺れをメインに書いてほしかった。それでも、現代のネットを題材にした奇抜なアイデアは筆者の才能を感じた。ミステリーっぽくない、ミステリーを読みたい人におすすめ。
読書期間―2004年4月(2週間)
おすすめ度-☆☆☆
文庫本の裏表紙・・・中学生の双子の兄弟が住む家に落っこちてきたのは、なんとプロの泥棒だった。そして、一緒に暮らし始めた3人。まるで父子のような(!?)家庭生活がスタートする。次々と起こる7つの事件に、ユーモアあふれる3人の会話。宮部みゆきがお贈りする、C・ライス「スイート・ホーム殺人事件」にも匹敵する大傑作!
宮部みゆき2作目。相変わらずの平素で軽快な話し言葉的な文は、本当に読みやすい。この小説は、1冊の本ですが、それが7つの話に分けられていて、ほぼ独立して描かれています。よって、1つあたり話はとても短く、短編集のような構成になっています。内容としては、とてもユーモアがあふれているという言葉が本当にぴったりで、とても「ほのぼの」とした感じを読者に与えます。やはり筆者はセンスがあり、筆者の独特のワールドに入りこむことができます。軽く読みたい人に特におすすめです。
読書期間―2004年4月(2週間)
おすすめ度-☆☆☆
文庫本の表表紙・・・母さんと父さんは今年で結婚十五年目、僕は中学一年生でサッカー部員。そんなごく普通の平和な我が家に、ある日突然、暗雲がたちこめた。”放浪の相場師”とよばれた人物が母さんに五億円もの財産を遺贈したのだ。お隣さんや同級生は態度がかわり、見ず知らずのおかしな人たちからは脅迫電話があり、おまけに母さんの過去を疑う父さんは家出をし・・・。相場師はなぜ母さんに大金を遺したのか?こわれかけた家族の絆を取り戻すため、僕は親友で将棋部のエースの島崎と真相究明の調査にのりだした!
本の題名はどこか厳かですが、実際の文章はとっても平素で易しい文で書かれていて、とっても読みやすいです。ちょっとした「ミステリアス」感があり、テンポもよく話が転換されるので、誰でも苦痛なくすらすら読めます。なかなかセンスのある描写で、またこの著者の作品を読みたいと思った。
読書期間―2004年3月(1ヶ月)
おすすめ度-☆
文庫本の表表紙・・・誇りと喜びにあふれて首都の神学校に入学したハンスがそこで見出したものは、詰め込み主義の教育と規則ずくめの寄宿舎生活であり、多感で反抗的な友人の放校であった。疲れ果てて父の家に戻った彼は機会工として再び人生を始めようとするが・・・。重い「車輪の下」にあえなく傷つく少年の魂を描くヘッセの永遠の青春小説。
和訳版を読みましたが、すごく読みづらいです。鬼のように、たんたんと書かれていて、どこが見せ場なのか、どこが主題なのかもよく分かりません。しかも、内容も暗く、普通の人にはとってもつまらない小説でしょう。しかし、これはいつの時代でもあるはかない現実を描いたものだと思います。本文に、「−決して弱気になってはいけない。さもないと車にひかれてしまうよ。」という一説があり、かなり上手い表現だと思った。暗いけど、共感する人は必ずいる、マイナーな名作だと思います。さびしいわびしいかなしい現実を見つめなおすには、最適な本でしょう。
読書期間―2004年2月(7日)
おすすめ度-☆☆
出版社の紹介文・・・高校に入ったばかりの蜷川とハツはクラスの余り者同士。やがてハツは、あるアイドルに夢中の蜷川の存在が気になってゆく…いびつな友情?それとも臆病な恋!?不器用さゆえに孤独な二人の関係を描く、待望の文藝賞受賞第一作。第130回芥川賞受賞。がたどった運命を描く胸を打つ長編小説。
最年少芥川賞受賞の作品。なんとなく、万人受けしそうな構成でした。というのは、題材が日常であり、かつ誰もが使う言い回し、小難しい複雑な表現が一切ないので読みやすいので、物語の世界に溶け込みやすいからだと思う。さらに、セリフも少なく、情景描写が結構細かいので、容易に想像しやすい感じでした。当たり前の表現を、当たり前に書くのは本当に難しい。こういうのをさらりと書いた筆者は才能があるとは思う。ただ、私のような普通じゃない人が読むと、時々深読みしすぎて、なんかムカついたりしてたので、そこそこレベル止まりの作品です。
読書期間―2004年2月(7日)
おすすめ度-☆
文庫本の裏表紙・・・友人たちとの夜通しのパーティ。目をさました午後に、清瀬は以前の恋人の喬からHIVポジティブであることを打ち明けられた。生と死へのたぎる想いを抱えた清瀬を、おかまの日出雄が誘う。「旅行へ行こうよ、喬を連れて。」行き先は、エジプト。とてつもない絶望から始まる旅で、友情がたどった運命を描く胸を打つ長編小説。
えーと、あとがきに書いてあるんですよね。「この小説は失敗している。」とさんざん言われたと。・・・その通り、なんか主題も意味不明でつまらなかったです。”エジプト”の話が異様に組み込まれていたけど、”エジプト”へ行ったことがない人が読んでも意味分からないと思う。行ったことある人は、多少意味が分かるので、読む人はぜひエジプトへ行った人におすすめ。それでも、やはり失敗作っぽいなのでおすすめじゃないなぁ。
読書期間―2004年1月(2日)
おすすめ度-☆☆☆
文庫本の裏表紙・・・ジュンコ先生は、大切なマリカを見つめて機中にいた。マリカの願いはバリ島に行くこと・・・。多重人格の深い悲しみと歓喜の光景を描いた本作は、「マリカの永い夜」として発表されたが、著者の決心により改題し大幅に書き改めた。さらなる祈りと魂の輝きにみちた小説に1993年4月、初めて訪れたバリで発見した神秘をつづる傑作紀行を併録。
ばななの作品は読みやすいですが、これはまさしくトップクラスで読みやすいです。ちょっと可哀想な設定なのに、すごく「やさしい」文調で、著者の世界に包み込まれていきます。読後感もよく、すごくすっきりと読みきることができます。簡潔なのに、なにか深い意味を感じさせる著者は天才かもしれない。
読書期間―2004年1月(3日)
おすすめ度-☆☆☆
文庫本の裏表紙・・・ある朝、目をさますと自分が巨大な毒虫に変わって位るのを発見する男グレーゴル・ザムザの物語は、以上な事件それ自体よりも事件をごくありふれた日常茶飯事のように語る冷静な報告調の文体によって読む者に激しい衝撃を与える。第一次大戦直後のドイツの精神的聞き、破局の意識から来る絶叫、忘我、新しきものの待望などを変身した男に託して描き、現実実存主義文学の先駆をなす傑作。
最初は設定がギャグだと思って笑ってしまいましたが、この物語はそんな簡単なモノではありません。読んでいくにしたがって、淡々とした口調で語られるその悲しくてとても深い話にはまっていきます。最後は泣きそうでした。こんなに悲しいお話は読んだことがありません。涙したい人におすすめです。和訳版は、和訳のせいか、区切れがほとんどなくて読みにくいのが難点です。それでも100Pしかないのでさらっと読めるでしょう。
読書期間―2004年1月(7日)
おすすめ度-☆
文庫本の裏表紙・・・弥生はいくつもの啓示を受けるようにしてここに来た。それは、おばである、ゆきのの家。濃い緑の匂い立ち込めるその古い一軒家に、変わり者の音楽教師ゆきのはひっそりと暮らしている。2人で過ごすときに流れる透明な時間。それは失われた家族のぬくもりだったのか。ある曇った午後、ゆきのの弾くピアノの音色が空に消えていくのを聴いたとき、弥生の19歳、初夏の物語は始まった。大ベストセラー、そして吉本ばなな作品初の文庫化。
相変わらずばなな特有のへんてこな設定です。しかし、いまいち何が主題なのか分からない物語でした。最後まで納得できない展開だったので、あまりおすすめではありません。ボリュームが160Pしかないので、さくっと読みたい場合はよいかも。
読書期間―2003年12月(7日)
おすすめ度-☆☆☆☆
文庫本の裏表紙・・・それぞれ見も知らぬ、さまざまな職業、年齢、経歴の十人の男女が、U・N・オーエンと名乗る人物からインディアン島に正体された。しかし、肝心の正体主は姿を見せず、かわりに見事な食卓が待っていた。不審に思いながらも十人が食卓についたとき、どこからともなく十人の客たちの過去の犯罪を告発してゆる声が響いてきた。そして古い童謡のとおりに、一人、また一人と・・・・・・ミステリの女王アガサ・クリスティーの最高傑作!
はじめてミステリーものを読んだのですが、事件がはじまるまでがつまらない。さらに、10人もの登場人物がいて、さらに慣れない横文字なので覚えにくい。名前と設定を覚えるまでの最初の100ページはとても苦痛だった。しかし、事件がはじまってからのわくわくするストーリー展開にめちゃはまります。淡々と動いていく世界に「次は誰だ?」と推理する楽しみ、たっぷり自分で考える楽しみが味わえる名作だと思います。
読書期間―2003年12月(3日)
おすすめ度-☆☆☆☆
あらすじ・・・(うたかた)主人公「鳥海人魚」は、母と2人暮らしであった。「人魚」とは人魚姫のように、好きな人のために命さえ投げ出してしまうような女性になってほしくってね・・・母はうそのような本当のような真顔で言った。母はおめかけのような存在で、家に父はいなかった。そんな折、父はネパールに行きだすと言い、母はついてくと言い出した。父の家の前に捨てられ、父に育てられてきた男「高田嵐」。そんな微妙な関係の2人が、運命的に出会ってしまう。(サンクチュアリ)主人公「時田智明」が、彼女「浜野馨」を最初に見たのは風の強い春の夜の海辺だった。彼女は大泣きしていた。それが翌日も。4日続けて泣き続けている彼女を見て、声をかけてしまった。彼女と僕は同じ東京A区、また会うかもしれないと言い別れた。なぜ彼女が泣き続けていたのか・・・?そして、僕はなぜあの場所にいたのか?なにかを背負う彼らはまた東京で再会する。
文庫本の裏表紙・・・人を好きになることは本当にかなしい。かなしさのあまりその他のいろんなかんあしいことまで知ってしまう。果てがない―――瞬間、私もまた彼に恋をする。失望も欲望も、あらゆる角度から彼をくり返し発見して、くり返し恋をする。そして、こういう恋はもう後戻りできないことを、くり返し知る―――透明な空間のなかに、運命的な恋の瞬間と海の底のような静謐(せいひつ)な愛の風景を描き出した二中篇を集録。芸術選奨新人賞受賞。
短編2本が集録された恋愛小説です。相変わらず読みやすいですが、これはNo1に読みやすいです。1話1話がたった100Pしかないのに、無駄が全くなく、とってもすっきりした簡潔なストーリーです。「うたかた」は、かなり明るいほのぼの系です。逆に、「サンクチュアリ」はばななお得意(?)の非日常の暗めの設定が入っていて、どんより系な話です。2つでちょっと対照的で、2つとも読んで納得できる感じになっています。個人的には「サンクチュアリ」のほうが好きです。
読書期間―2003年12月(2週間)
おすすめ度-☆☆
あらすじ・・・97本の短編が収録された「N・P」。著者・高瀬皿尾は自殺。「N・P」未集録の98話目を訳していた庄司もまた自ら命を絶った。因縁めいた「N・P」をめぐり、出会う男と女。著者の二卵性双生児の「咲」「乙彦」。近親相姦等、すさまじい過去を持つ”箕輪萃(すい)”。そんな彼女と出会った主人公「風美」の生涯忘れることができない楽しかったひと夏の話を綴ったお話。
ホラーでなく、恋愛小説ですが、女性同士の友情ばかりのような感じ。随分と小説を読んでなかったのでリハビリにひさびさに読んだのがこれだが、ばななはやっぱり易しい文章を書き、読みやすい。が、ばななっていっつも「超特殊」の変態的な設定が多い気がする。この小説も「近親相姦」の過去を持つ”萃”。すごく特殊な設定なのに、なにか不思議な魅力をもち、主人公の”風見”だけでなく、読者ですら好感を抱きます。前半はちょっとつまらないですが、中盤以降になると面白くなってくるので根気よく読んでください。しかし、男の私としては、ラストだけはなんかむしょうに腹ただしい終わり方です。「女っていいなぁ」って思わされた小説でした。
読書期間―2003年11月(3日)
おすすめ度-☆
あらすじ・・・カムパネラとジョバンニのひと夜の不思議な体験。銀河鉄道に乗り、幻想的な世界を渡りめぐる。
宮沢賢治の広大で幻想的な世界が味わえます。ただ、個人的にはちょっといまいちだった。
読書期間―2002年10月(3日)
おすすめ度-☆☆
あらすじ・・・私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う−祖母の死、突然の奇妙な同居、不自然であり、自然な日常を、まっすぐな感覚で受けとめ、人が死ぬことそして生きることを、世界が不思議な調和にみちていることを、淋しさと優しさの交錯の中で、あなたに語りかけ、国境も時もこえてよみつがれるロング・ベストセラー。
なんとなく、平凡な日常に迫った非日常的を描き、親近感がもてつつ、理想と感動を与えてくれる、そんな小説です。生(生きる)の感動を与えてくれます。読みやすいです。
読書期間-1999年8月〜1999年12月
おすすめ度-☆☆☆
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネによる福音(四福音書)、ローマ市の信者への手紙、コリント市への手紙。世界中で最も読まれている書物です。世界中と仲良くしたい人は読んで損はないと思います。
読書期間―1999年11月(1週間)
おすすめ度-☆☆☆☆☆
どうすればよりよく読め、よりよく書けるか。単語練習、「は」と「が」の助詞の使い方、文章の骨格、敬語の基本を練習する。これは絶対に早めに読んでおくことを勧める。特に、論文を書く人には必須である。
16.魔性の子・緑の我が家(Home,Green Home)-小野不由美
読書期間―1999年11月(一週間)
おすすめ度-☆☆
あらすじ・・・2作品とも、ホラーストーリー。
魔性の子-不思議な生徒、高里、をいじめた者は”報復”ともいえる不慮の事故に遭う。居場所のない彼の、本当の居場所は何処なのだろうか?
緑の我が家- 父親の再婚をきっかけに家を出て、一人暮らしをはじめた高校生浩志。その”緑荘”で起こる不気味な現象はいったいなんなのであろうか?
魔性の子は十二国紀を読まないと分からないので、十二国紀を読んだ人はぜひとも読みましょう。
15.十二国紀シリーズ-小野不由美
月の影 影の海(上)(下)・風の海 迷宮の岸(上)(下)・東の海神 西の滄海・風の万里(上)(下)・図南の翼 <現在計5話8冊>
読書期間-1999年10月〜11月(1ヶ月)
おすすめ度-☆☆☆
あらすじ・・・虚海を越えるとそこに存在する世界。世界の中央に位置する黄海。その四方を四つの広大な内海が取り巻いている。その周りに12の国が存在する。そこで繰り広げられる壮大なファンタジーストーリー。
とても読みやすい。三国志の世界に似ている。神の概念がある世界。堅い文章が苦手な人におすすめ。
読書期間-1999年8月(2日)
おすすめ度-☆☆☆
あらすじ・・・ビルの屋上の排気溝に転落し、”ヤマムラサダコ”を産み落とす、高野舞。24年前、山村貞子を愛し、そして今復活した彼女の膝で死を迎えようとしている遠山。二見馨との約束で、2ヶ月経った今、彼の子を妊娠している杉浦礼子は、別世界同士で再会する。
リング・らせん・ループの番外編的に、補足のために書き下ろした短編。3つを読み終えてから、絶対読みましょう。
読書期間-1999年8月(一週間)
おすすめ度-☆
あらすじ・・・敗戦後、元華族の母と出戻りバツいちの”私”、財産を失い、伊豆の別荘へ。復員してきた麻薬中毒の弟、無頼の作家上原、改革を望む29歳の私は、没落の途をたどる。
戦後太宰の代表作。破滅思想のある人、麻薬中毒の弟をもつ人、不倫願望のある人、身内の死を感じたい人などにおすすめ。
読書期間−1999年8月(3日)
おすすめ度-☆☆☆☆
あらすじ・・・十歳の少年のころ、長寿村と重力異常の場所の共通を発見し、重力異常の著しい北米の地域、その場所へ行く約束を父親と交わした。しかし、三年後、父親が転移性ヒトガンウイルスにかかった。少年は二十歳になっていた。母親は狂い、ただ奇跡を信じるばかり。ただ命を延ばすためだけの手術、ただ死を待つばかりの雰囲気の病室。そして、その病棟でであった息子のガンとの闘病生活をしいる、未亡人の母親との関係。そして、少年の自殺という悲劇は起こった。転移性ヒトガンウイルスの治療法を求め、ひとりアメリカに旅立った。そして、その旅の終わりに見たものは・・・。
「リング」・「らせん」の完結作。「リング」「らせん」の謎がすべて、この「ル−プ」にある。「リング」「らせん」を読んでから読まないと理解できないでしょう。読んだ人は、絶対これは読むべし。
読書期間-1999年8月(1週間)
おすすめ度-☆☆☆
あらすじ・・・戦争末期、九州の大学付属病院で米軍捕虜の生体解剖事件が行われた。参加した医師や看護婦は、異常な人間だったのか。この恐ろしい事件をめぐる人間の意識を問う話です。
生体解剖、それは殺人。人間の罪意識を考える、人間倫理を訴えたものです。罪と罰などのものが読みたい人におすすめ。
読書期間-1999年7月(1週間)
おすすめ度-☆☆☆☆
あらすじ・・・もうすぐ20歳になる、東京の大学生。17歳で自殺した親友キズキ、その恋人直子、との出会い、そして恋。若者は苦悩し、この現実を漂い、生きていく。同級生緑との出会い、そしてそんな感動と哀しみを訴える、そんな話です。
真実の恋とは何かを考えたい人や、青春時代の苦悩に郷愁する人などにおすすめです。人を愛する難しさと尊さとその残酷さも感じられます。
読書期間-1999年7月(2週間)
おすすめ度-☆☆
あらすじ・・・妹の自殺、そして頭を打って自分を取り戻せない私。2度結婚している母に、父親が違う弟、居候の母の友人といとこの女性という奇妙な家族関係。弟の不思議な力もによる、苦悩と破滅、そして亡き妹の恋人との出会いなどを通して、自分とは何かを探し、そして時が流れていく。
紫式部文学部受賞。自分を探す旅にでたい人や、複雑な家族関係にあこがれる人などにもおすすめ。
読書期間-1999年6月(4日)
おすすめ度-☆☆
あらすじ・・・いとこの病弱で外づらはいいが実際は超生意気な、美少女つぐみ。彼女と育った海辺の小さな町に帰省した夏の、故郷の切なくなぜか懐かしいあの時の少女の話。
第2回山本周五郎賞受賞。生意気なのになぜかほのぼのしていて、病弱なのに元気いっぱいのこの話は、都会が疲れ海辺の故郷が懐かしい人や、ちょっと最近元気を無くしている人におすすめ。
読書期間-1999年6月(3日)
おすすめ度-☆
有名私立中学に転校してきた少年、凄惨なイジメによって飛び降り自殺した。信頼していた教師までもが息子を追い詰めていたことを知った父親は人間をやめ、復讐を誓う。人が人を裁くことは許されるのか、そして、父子の絆、集団イジメ、少年同士の禁断の愛などさまざまな問題を投げかける衝撃のストーリ−。
1994年にTBS系のドラマで放映されていた作品の小説版。イジメという境遇で立ち向かう少年の勇気、しかし残酷にも繰り返される悲劇、そして父の復讐心といった人間の本能に訴えるようなこの話しは、感情的なものにもろい人におすすめ。ドラマも見ることをおすすめします
読書期間-1999年6月(1週間)
おすすめ度-☆☆☆☆
あらすじ・・・過去を背負い、20年以上隠し生きてきたアル中バーテンダー。新宿日中央公園の爆弾テロに遭遇。真実を求め、逃亡生活を送る。死亡者の名前に、昔の恋人、親友の名前を耳にし、ヤクザやホームレス、昔の恋人の娘といったわけあり人間と関わりつつ、最後にたどり着いた真実とは・・・。
第四十一回乱歩賞(平成7年)受賞&第一一四回直木賞(平成8年)受賞の、史上初のダブル受賞作。主人公が、ある謎に対し、論理的にぱっと痛快に謎解いていく、ミステリー的要素を含み、推理系が好きな人などにおすすめ。
読書期間1999年6月(1週間)
おすすめ度-☆☆☆☆
あらすじ-友人の死体解剖・・・ひとつの暗号が残されていた。”リング”という名を手がかりに、つぎつぎと謎を解明していく。果たして彼は何を残し、何をしたいのか?ビデオという媒介を失った、リングウイルスの正体と行く末は・・・?
医学的視点も参考にし、リアルな恐怖を打ち出した、リングの続編。普通っぽい主人公ゆえに、その世界にのめりこんでいく。リング見た人は必ず読むべし。
読書期間1999年5月(1週間)
おすすめ度-☆☆☆
あらすじ-手にした一本のビデオ、それを見たものは1週間で死ぬ。その恐怖の中で、その呪いのビデオの秘密を解明するための悪戦苦闘する、不安と恐怖を描いた話。
比較的良いテンポで進められていくので、読みやすく読者を自然にその世界に引き込む。ウイルスか、それとも・・・原因不明の謎が主人公の焦り、恐怖をよび・・・そして謎は残る。現代がつまらないっものだと思っている人などにおすすめ。
読書期間1999年5月(3週間)
おすすめ度-☆☆☆
あらすじ-親友を裏切り死に追いやった罪意識を抱え、自滅な日々を送る先生のこころをつづった話。
裏切った罪の償いは果たしてできるのか?自伝的な文章に触れてみたい人や、人間関係そして死について考えてみたい人におすすめだと思います。
読書期間1999年4月(1ヶ月)
おすすめ度-☆☆☆☆
あらすじ-欲望の街新宿、歌舞伎町で展開される、中国マフィアの抗争を題材にし、主人公のサバイバルな戦いをつづった話。
迫り来る緊張と興奮。すいこまれるようなスリル。かっこいい自分にあこがれる変身願望をお持ちの方にぴったりだと思います。
読書期間 1999年3月(1ヶ月)
おすすめ度-☆
あらすじ-人間不信でピエロを演じる男が、どんどん廃人化していく話。
この本を読むと、人間不信に陥ります。ピエロを演じ、その仮面の下の本音との矛盾。すべてが矛盾した世界。何も信じられない。そんな人にぴったりだと思います。