>> 第9回 / 別れと餞別






 街外れにありながら何故か衛兵に守られた小屋の奥には、「ノドの書」と思しき石版が保管されていた。

 その石版を前に突如走り出す協力者のドゥアイ。
 しかしおあつらえ向きに罠があり、彼女は捕らえられてしまう。

 困惑する吸血鬼たちを前に現れたのは、街の長シェスタだった。
 シェスタは「穢れた血族であるドゥアイに見せない、何も知らせない」事を条件に、ノドの書を読む許可を吸血鬼たちに与える。

 かくして吸血鬼たちはノドの書に書かれた「予言」を知り、捕らえられたドゥアイを残して去って行ったのだった。
 「友達だっていったのに……」
 残されたドゥアイの消え入るような言葉を背に受けて。





エルヴィン : おじゃましまーす。


フィオナ : こんばんは。


ST : 水分摂取とか大丈夫ですか? 問題なければ始めますぞ~


ヴィクター : 大丈夫です!


ST : では始めますぞ~。




 【仮住まいにて】




ST : ……かくして扉は閉じられ、きみたちは地上へ戻るだろう。地上へ戻るまでに、何かしたいことはあるかな?


エルヴィン : えーと、今日はもう夜明けも近いですかね? それなら無理はしないです。


ヴィクター : ヴィクターも特にしたいことはないのでやめときまする。


ST : そうですな、もう夜明けも近い。


フィオナ : 特に何もせず直帰します。


ST : では、きみたちは地上へ戻った。

 地上へ戻れば夜明けも近い。少しずつ地表の温度が上がってくるのを、きみたちは肌で感じる。
 仮住まいへ戻れば、眠りにつく準備が整えられている。
 きみたちは今日起きたあらゆることを思い返しながら、夢の世界へと滑り落ちていくことだろう。

 ブラッドプールを1減らしてください。


フィオナ : BP4→3


ヴィクター : BP5→4


エルヴィン : BP 5→4 ……ヴィクターさんは悪夢判定もだっけ?


ヴィクター : ですです。


ST : そうだね。判定をお願いします。


ヴィクター : 悪夢を見るかどうか…意志力5、難易度7でチャレンジ。 (ころころ) DiceBot : (5B10>=7) → 9,7,9,9,1 → 成功数4


ST : では、悪夢を見ずに済んだね。


ヴィクター : 「むにゃむにゃ……おっぱい……」 悪夢を見ずに済んでよかった!



エルヴィン : 悪夢の時は「雄っぱい」なのかな?


ST : ボブ?


フィオナ : 確かにそれは悪夢だ。


ヴィクター : なるほど悪夢の際には 「むにゃむにゃ……雄っぱい……うおお……」 となるのか。


エルヴィン
 : そんなボブの愛情を踏みにじる事をヴィクターさんはしないはず!(謎のヴィクターさんへの信頼)


ヴィクター : (いやでもボブ……)


エルヴィン : 夢にボブが出たら、暖かい手料理を食わせて 「今日はもう帰れ」 って家まで送っていくというお互い案外何もスチルが出ないような感じありそう。


ST : ありそう。ありそうだがヴィクターさんの手料理って案外心にささるやつや。


フィオナ : 悪夢にならないよう、愛情を踏みにじらないよう、穏便にお引き取りいただく心遣いですね。


エルヴィン : 夢に出たボブだから傷つかないよ。(夢ボブとは)


ヴィクター : 夢ボブゥ……。



ST : ──次の夜目を覚ますと、きみたちは不思議な夢の余韻を覚えている。

 全員、同じ夢だ。男とも、女ともつかない人影が、闇の中できみをじっと見ている。
 男とも、女とも、どの氏族ともつかないのに、なぜかきみには、一つだけわかることがある。

 それは、『血族』 だ、と。


エルヴィン : むくり、目を擦りながら…… 「なんかへんな夢みた……」 ぼそり一言。


フィオナ : 「貴殿もか。私もだ。まさかとは思うがヴィクターも、そうではないだろうな?」


ヴィクター : ぼけーっとして 「夢か……見た気がするような……わかんねえな……なんか近い感じがしたけどよくわかんねえ……」


ST : ……さて、目を覚ましたきみたちの部屋には、『餌』がひとり、届けられている。

 それは鋭い眼光をそなえ、しなやかな体躯をした青年だ。フィオナさん、あなたは彼が『凡百の人間』ではないと、街の主が『あなたの要求を聞いてくれた』 のだとわかる。
 青年は眼にはっきりとした意思を宿しながら、きみたちを静かに見ている。


フィオナ : お二人に夢の内容を軽く説明しつつ、食餌としてきた人間を確認。 「一応、聞いておこう。貴殿は何らかの分野で優れた才覚を持つ者だな?」


ST : 青年は凪いだ眼で頷くと、フィオナさん、きみに手紙を渡す。それは街の主からの書きつけで、『珍しいものなので、よく味わってほしい』 というようなことが書かれている。


エルヴィン : 「んー、ぼくはまだ余裕があるから、ぼくのぶん、フィオナさんどうぞ」 フィオナさんが一番お腹減っていると思うので譲ろうかな。


フィオナ : エルヴィンさんには 「ありがとう。先にいただこう」 といいます。



エルヴィン : 4あれば行動は問題ないかなって。


フィオナ : 3まで減ってましたからね。助かります。



エルヴィン : (何のジャンルの才能があったのかな~) なんて考えながら、青年の姿を見てあれこれ考えてます。


フィオナ : 「では、私が最初に手を付けるが、ヴィクターもかまわないな?」 と確認します。


ヴィクター
 : 「ああ、いいぜ、レディファーストだ」 とお譲りします。


フィオナ : お二人の同意が得られたので、街長に感謝しつつ、食餌を行います。


エルヴィン : 食餌の邪魔はしませんよ。 食餌というのは一人静かで自由でなきゃいけないんだ……。(?)


ヴィクター 
: さすがに食べるとこ観るのは野暮ってなもんなので、後ろ向いてぶらぶらしておきます。


ST : では、きみはいささかの飢えを感じながらも、問題なく食餌ができる。青年はその間も、自らを喰う者の貌を──きみの顔を、しっかりと見つめている。

 さて、3点のブラッドプールを奪うということでいいかな?
 それとも二人にも残しておく?


フィオナ : 1点分にとどめます。孤独のグ〇メ的に味を楽しみながら、気持ち時間をかけてゆっくりと吸血しました。


エルヴィン : (作家、いや、絵描きか何かかな? この状況を至極冷静に観察している……存外、研究者かもしれないなぁ) とか思いつつ見てます。 エルヴィンは吸わないつもりなんで、フィオナさん飲んじゃってOKですよ。


フィオナ : 「さて、まだ余裕がありそうだが、貴殿らもどうだ?」 とすすめておきます。


エルヴィン : 「フィオナさん大丈夫?」 フィオナさんが大丈夫そうなら頂いておこうかな。


フィオナ : 不要と言われたら、改めてもう少し吸血するつもりです。

 「そうだな。できればもう少しもらいたいが、貴殿らはどうかと思ってな」


ヴィクター : 「お、貰っていいならオレは貰うぜぇ」


エルヴィン : 「もしよかったら、フィオナさんどうぞ」 といいつつ、ちらりと青年を見る。自分がこう「量り売り」されるような感じ、どうなんだろう。人間のそういう機微が気になるお年頃だ。


フィオナ : 「そうか。すまんな、エルヴィン」 と感謝しつつ、ヴィクターさんに 「では、次は貴殿の番だな」


ST : 吸血されたところを撫でながら、青年の眼に一瞬ふっと浮かぶのは、寂しそうな諦めの色と、わずかなわずかな好奇心だ。

 きみがその色をとらえたすぐ後に、また凪いだ眼の色に戻る。


ヴィクター : 「おう、貰うぜ」 と遠慮なくご相伴にあずかります。(?)


ST : ヴィクターさんも問題なく食餌ができるよ。男の血ではあるが、若い生命力を備えた味わいは悪くはない。


ヴィクター : では、遠慮なくいただきます。男も……まあできれば女がいいが、お腹すくと厄介だしなといただきます。


ST : 1点分だね?


ヴィクター : はい、1点分です。


ST : では、1点のブラッドプールを得られる。繰り返しの吸血にさらされ、青年の眼から少し鋭さが失せていく。……色々な意味で刺激が強いのだ、人間には。


フィオナ : ST、青年はもう1点分の吸血に耐えられそうですか?


ST : 少し顔色を青くして壁へともたれているが、『耐えられない』 ということはなさそうだ。少々体調を損なうかもしれないが、きみがそれを気にしないならば。

 少なくとも、命や健康を決定的に害するほどではないよ。


フィオナ : では、 「悪いな。もう少しの辛抱だ」 と言って再度1点分吸血します。エルヴィンさんの好意を無駄にはできないので。


ST : では、面白いことに気づくよ。あなたの牙がめり込み吸血が始まるとき、青年が一瞬反射的に抵抗しようとして、そして、己で己を抑えて吸血を受け入れた。

 つまり、意志力が9以上あるんだ。
 それだけで、吸血そのものは問題なくできる。

 ブラッドプールを加算しておいてね。


フィオナ : (できることなら、我が教団に加えたい……)



ST : 感想が「リクルートしたい」なあたりさすが教祖。


エルヴィン : あなたの人生を教団に捧げてみませんか。(?)


フィオナ : 当教団はいつでも、新たな人材を歓迎しております!


エルヴィン : ちょっと自衛隊のポスターっぽいものを想像してしまった……!


ヴィクター : ふふっ。



フィオナ :青年に 「光栄に思いたまえ。私は優れた者の血しか吸えん。貴殿はそれだけの資質を備えているということだ」 と褒めて(?)食餌を終えます。


ヴィクター : 1点いただいてBP4⇒5へ。


エルヴィン : 吸わなかったのでBPは4→4のまま。


フィオナ : BP3→5


ST : では、きみのそんな言葉を聞きながら、青年が初めて口を開く。

 「……どんな味がするんだ、おれの血は。お前たちにとって」


エルヴィン : 「知恵の実と同じ味だよ」 といって、クスクス笑ってましょうかね。


フィオナ : 「貴殿の才覚と精神にふさわしく、大変に美味だ。是非また味わってみたいと思うほどにな」 と誇張なしに言います。


ヴィクター : 「うまいぞ。女だったらなお良い」 とおおざっぱな感想をにやりと言います。


ST : ヴィクターさんのそんな言葉に、青年の口元にわずかに笑みが浮かぶ。

 「そうか」
 「案外、お前たちも人に似ているんだな」



フィオナ : 「我らは人を支配するものだからな。基本となる精神は人と変わらん」 変わってはならない、と小声で付け加えます。


ST : そうか、と言い残して、退出を促される前に自ら部屋を出ていく。


フィオナ : 出ていく間際に 「かなり血を失ったからな。ゆっくり休むとよい」 と声をかけておきます。


ST : では、きみのそんな言葉に、小さく頷くのが見えただろう。

 さて。今日のきみたちに、『すべきこと』 は何もない。手に入れるべきものは手に入れた。
 どうする?


フィオナ : 件の夢について確認します。 「さて、話は変わるが、貴殿らも妙な夢を見たようだな」


エルヴィン : 「うん、何だろう、人じゃない何かがじーっと見てるような……ふふ、こうして話してると幽霊みたいだね」


フィオナ : 「確かに、なんとも捉えどころのない夢だった。とはいえ、三人が同じ夢を見るなど普通は考えられない。何か意味があるはずだ」


エルヴィン : 「昨日、ノドの書らしいものを見たのが関係あるのかな?」 アゴに手をやりつつそんな事を言う。 「特にこっちに害意がある、って印象じゃなかったけど……」


ヴィクター : 「よくわかんねえな……見覚えはなかった気がするぜ?」


フィオナ : ST、何らかの判定によって思い出せたりわかったりすることはないでしょうか?


ST : ふうむ、そうだな……。


エルヴィン : 「ノドの書に書いた通りなら、あれが予兆……ゲヘナの前に現れるケイティフ……って所だろうけど」 などとひとりごち。


ST : 人間性で難易度7ブラッドプールの数をダイス数にして難易度7でそれぞれ判定を。両方の判定の成功数によって情報が出ます。


フィオナ
 : 9b10>=7 人間性 (ころころ) DiceBot : (9B10>=7) → 6,8,1,7,8,3,7,4,3 → 成功数4 (成功3)

 ブラッドプール…… 5b10>=7 BP 吸血しておいてよかった。 (ころころ) DiceBot : (5B10>=7) → 2,5,5,2,10 → 成功数1


エルヴィン : フィオナさんが成功してるなら危ない橋は渡らないでおこうかな?


ST : (笑)


フィオナ : これでファンブルしたら、どうなるんだろう?


ST
 : ではフィオナさん。きみは、その人影が 『血族』 だと確信するとともに、なぜか 『人間』 だと思った。


フィオナ : 「これは私が受けた印象なのだが、夢の中の人物は血族であると同時に、人間でもあるように思えた。正直なところ、自分でもよく理解できん」



エルヴィン 
: 血族で、人間かぁ……。


フィオナ : もしかして、血族から人間に戻ったとか。


エルヴィン : あるいは逆に、あらゆる人間がケイティフになるとか……?



フィオナ : 「与太話の中には、血族が人間になったというものや、吸血の必要がなくなる伝説の存在などもあるが……」


エルヴィン
 : 「ノドの書が見せる未来、ゲヘナの光景の一部かな? 気に留めておく必用はありそうだけど……これ、毎日みたり、少しずつ話が進んだりしないよね?」

 したらお祓い案件かなぁ、ととぼけた顔して言いまする。



フィオナ : お祓い案件。(笑)


エルヴィン : これ流石に毎日見たらキツいかなぁって。(笑)



ヴィクター : 「少しずつ話が進むとかホラーかよ……」


フィオナ : 「まあ、その時はその時だな。私としてはむしろ、そうなってくれたほうがより多くの情報を得られてありがたいわけだが」



ST : 血族が 「ホラーかよ……」 って発言はなかなかシュール。


エルヴィン : 自分がホラーだけど、ヴィクターさんは 「吸血鬼は殴れるけど幽霊は殴れないから」 みたいな判定なんだよ。(?)


フィオナ
 : 殴れるか殴れないか……シンプルだ。(笑)



エルヴィン : 「最後はヴィクターさんの枕元に立ってるんだよぉ~」 とか言ってみるけど、顔は笑ってるよ。


ヴィクター : 「おいおいおいおい、エルヴィン、そういう、じょうだんはや、やめろよ……」 と幽霊はNGで。


フィオナ : 「安心しろ、ヴィクター。枕元に立つにせよ、相手は血族だ。殴れば死ぬ


エルヴィン : 「まぁ……何にせよ、僕らは目的を果たした訳だから、あとは無事に帰還するだけじゃないかな? 何とはなしに、だけど……シェストさんも僕らをここに囲うために呼んだ訳ではなさそうだから」


フィオナ : 「そうだな。貴殿らにやり残したことがないなら、シェスト殿にあいさつしてからここを発とう」


ヴィクター : 「やり残したことは特にねえな……」


エルヴィン : 「あ、僕はもう一回りこの街であそんでからにしたいな! ……こんな所他にないからさ。1時間くらいでいいから、あそんでからじゃダメ?」 と、ねこなで声でおねだり。

 「帰ると思うと名残惜しいもんだよ~」



フィオナ : 「まあ、時間には余裕もあるし、少しくらいならば問題ないだろう」


エルヴィン
 : 「やったー! 何かお土産を買っていこうっと。何がいいかなぁ……」 ワクワクしていく。何かこの街名物の民芸品とか欲しい。

 マトリョーシカみたいなやつ。シェストさんのマトリョーシカ。


ST : お土産あるのかなあ? 外から人が来ることを想定していない街だしな。雑貨屋とかに行けば、普通に色とりどりの布と独特な織り方で作られた鞄や小物、衣服とかが売ってそうだけど。



フィオナ : この後の予定……まず、街長にあいさつ。 本日中に街を出ることを告げる→街で少し遊ぶ→街を出る


エルヴィン : 先に挨拶にいったほうがいいよね! ダメですって言われたらどうしよう!



フィオナ : 「まずはシェスト殿にご挨拶してからだな。とりあえず、そのあたりにいる衛兵に街長にお会いしたい旨を伝えておこう」


ST : 衛兵に伝えると問題なく承諾され、最初に会ったあの部屋に案内されるよ。


フィオナ : 「昨日は寛大なご処置、誠にありがとうございました」 とノドの書の件に関して感謝を述べたのち、この街を出るということを伝えます。


ST : 「やあ、餌は気に入ってくれたかな?」 と、まずは一言。出るということを伝えると、いささか寂しそうに眉を下げる。

 「君たちは追われたんだろう、行く宛はあるのかな?」



エルヴィン : 「行くあてがなく寄る辺なき身が、かろうじて舟をつける場所を見いだせそうです」 くらいやんわりと伝えておけばいいかな?


フィオナ : 具体的なことは言わず、とりあえず何とかなりそう的な感じですね。


ヴィクター : やんわりと……。



フィオナ : 食餌については 「はい。実に素晴らしい人間でした。配慮いただき深く感謝いたします」


ST : 「そうかそうか、それは何よりだ。喜んで貰えて嬉しいよ」

 「拾い物ではあるが、口に合って何よりだ」


エルヴィン : 「行くあては……そうですね、月にきき光の赴くまま。歩みて朽ちて露と消ゆるかは……わかりませんけど。まぁ、何とかなれば僥倖ですよ」 と、のらりくらりムーブで。


ST : 「そうか…… 荒野には気をつけるんだよ。よければ、何か持っていくといい」


エルヴィン : 「お気遣いありがとうございます、シェスト様」 と恭しい礼は、小さいながら妙に様になっていた。



フィオナ
 : あと、ドゥアイさんのことも確認しておきたいところ。


エルヴィン
 : 何となくエルヴィンは情があるから、エルヴィンから聞くとこう……IKANIMO! って感じあるから、エルヴィンは触れないでおきたいでし。


フィオナ : 了解です。


ST : イカにも? えるえるくんがブキヤになっとる。


エルヴィン : タコにも。



フィオナ : 「そういえば、あの暴れていた血族はどうなったのでしょうか?」 と、今思い出したという感じでドゥアイさんのことを尋ねます


ST : 「ああ、彼かい? 彼なら、よく説得したよ。分かってくれたから、先程住処に帰した」


エルヴィン : (説得……ねぇ……) 市民、幸福ですか。とかいうゲームの事を思いだしていた。さながらシェストさんはUVだ。


フィオナ  (つまり命を取られぬまま、安全な状態になったということ。最良の結果か)


ヴィクター : 「それは、何よりだな」 殺してないならきっとまあいいんだろう。


ST : さて、シェストはきみたちを止めない。荒野へ行くきみたちを心配して、何か一つ自由に持っていくことを許してくれる。ノドの書以外でね。


フィオナ : もしかして、食餌用の人間も含みますか?



エルヴィン : 勧誘しようとしている……?


フィオナ : これって一人につき一つなんでしょうか? 連れていけるなら勧誘したいところ。



ST : シェストは承諾してくれる。<何か>の範疇でしかないのだ。


フィオナ : エルヴィンさんとヴィクターさんにも何か持っていきたいものはないか聞きます。


ヴィクター : 「女と行きたいところだが、やっぱ餌だな。食べる者がほしい」


エルヴィン : 「えーと、ぼくは……欲しいものはないかな? そうだなぁ……外に出る前に街で、必用なものを揃えたいから、それくらいかな?」


ST : では、エルヴィンくんには用足りるだけの金銭をくれるだろう。餌を連れていきたい人は、誰がいいとか、どんな餌がいいとか指定してね。


エルヴィン : 普段カードだから助かるゥー!(?)


ヴィクター : 「いや、人だと大変だな……携帯食料的な奴ってねえか?」


エルヴィン : 輸血液みたいなやつだね。お世話がいらないタイプのごはん。


ST : シェストは困ったように首を振る。そういうタイプの大規模な技術はここにはないのだ。


エルヴィン
 : 吸血鬼怪我、病気ないから病院イラナイのか。


フィオナ : 手間いらずの簡単ご飯はない、と。

 「そうか。では、私はさきほど吸血した青年を連れて行くとしよう」 とお二人に言い、シェストさんには 「あの者をいただきたく思います」


ST : 「ああ、分かった。支度をさせよう」 シェストは鷹揚にうなずき、二言三言衛兵に伝える。


ヴィクター : 「じゃあしゃあねえな……なら、オレは特にいらねえや」 ありがとよ、と付け加えておきます。


ST : では、シェストは最後に 「君たちの無事を祈るよ、ひとときの同胞」 と告げて、きみたちの退出を促す。


エルヴィン : 「ぼくも、この街の繁栄を祈らせていただきます。最も王に狂気の祈りなど烏滸がましいでしょうが……マルカヴィアンの真理により、幸福の加護を」 とかいって、礼をして、退出しますよ。


フィオナ : 「滞在中の深きご配慮の数々、あらためて感謝いたします。貴方とこの街に幸いの在らんことを」 と述べてから、こちらも退出します。


ヴィクター : 軽く会釈して退出します。


ST : さて、忘れないうちにシステム的な処理を。

 フィオナさん。
 常に無条件で吸血可能、というのは少々有利すぎるので、青年についてはシステム上、次のうちどれかの扱いにできるものとします。

 ・吸血相手として連れ歩くなら、<餌>のレベルを+1(最大3)するものとして扱えます。
 ・血を飲ませてグールにするなら、<従者>のレベルを+1(最大3)することができます。また、彼を従者として扱うことができます。

 今話の終わりまでに決めてもらえればOKです。


フィオナ : 了解です



ST : システム的なことは先に言っておかないとすぐチキンヘッドしちゃうSTなの。


フィオナ : どちらにするか迷う……。


ST : ちなみに 「何の分野に優れているのか」 は当人に聞けばわかるよ。RPシーンが必要なければ、聞いたという体でSTに質問してくれれば答えます。


フィオナ : 了解です。とりあえず、エルヴィンさんの買い物に付き合いつつ、本人に意思確認する方向で。



ST : さて、どうする? RPシーンが必要ないことは「こうします」と宣言してもらえればそれでいいし、RPしたいことはシーンを設けるよ。


フィオナ : では、エルヴィンさんが買い物をしている間に、青年の能力の確認と、今後についての本人の希望を聞いておきます。


ヴィクター : ヴィクターは特に今はないです。


ST : では、フィオナさんから処理しようか。

 それから少し経つと、旅支度を整えた青年が君のところにやってくる。少し足元がふらついているが、歩けそうだ。


フィオナ : 「よく来てくれた。すでに聞いているとは思うが、そなたは私がもらい受けることとなった。そういうわけで、そなたの特技や職能を把握し、そのうえで今後についての希望なども聞いておきたい」


ST : 青年は君の顔を見ながら、深く息を吐く。

 「餌なんだろう。おれに、何か希望する余地があるのか?」


フィオナ : 「これはまた妙なことを言う。人材とは宝石や貴金属など及びもつかない価値を持つ宝。その声に耳を傾け、最も適切な役割を割り振るのは、支配者として当然のことだ」


ST : 彼は君を凪いだ眼で見ながら、少し考えるそぶりを見せる。

 「……あいつは、少し珍しい餌くらいにしか思っていなかった。ただ、おれの描く絵は悪くないそうだ」
 数値でいうと<表現力>4レベル<製作>3レベルを持っているよ。

 「……餌以外に使うつもりがあるんだな。どっちもどっちだが、ただ血を吸われているよりはましかもしれない」


フィオナ : 「なるほど。絵描きか」 と興味深そうに言ってから、グールと餌という二つの選択肢について簡単に説明します。

 「さて、どちらを選ぶ。私としてはグールにならないほうが気楽そうだとは思うが」


ST : 青年は暫く、きみの顔を見ながら考える。

 「吸血鬼もどきになるか……、血を吸われて暮らすか……か」 酷い選択肢だ、と諦めたように小さく笑む。
 「酷い選択肢だが、」
 「ただ血を吸われるためにあるより、お前のために役に立つ方が、まだ人間でいられそうだ」 そう告げた眼に、吸血に抵抗しかけたときに見せた意志の光が見えた。



フィオナ : グールが一人増えたかな?


ST : フィオナさんの返答があったらシーンを切ります。


フィオナ
 : 了解です。後日、青年の名前も聞いておかないと。


ST : グール化については別にどこかでシーンを設けようかと。



フィオナ : 「貴殿の献身に感謝しよう。ではあらためて、我らの世界にようこそ、新たな従僕よ」 と青年に手を差し出します。


ST : あのわずかな好奇心を覗かせて、青年は君の手を取る。

 ……という所で、本日は以上! お疲れさまでした。


ヴィクター : お疲れ様でした~。







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