>> 第十八話 / 神託からの目覚め






 女は倒れ、長い夜が終る。
 神託の最後の言葉は紡がれて、ゲヘナの全てを見届けた。

 それは夜明け。
 獣のいない朝とは、吸血鬼の血が失われ人々の夜明けを迎えるという事だった。

 その先に人間たちだけが作り上げる未来があるのか。
 それとも「ケイティフ」たちが新たな吸血鬼として台頭し、人々を支配していくのかはわからない。

 神託は成され、それを見届けた今、闇に生きる吸血鬼たちに先の未来は必用ないのだから。

 そこで一つの事実が分る。
 女の手にした魔法剣は夢を現実にする能力があるという事がだ。
 この力を使えば、吸血鬼の力を棄て、また人として生きる事が出来るだろう。出来るのだろうが……。

 帰ろう。
 吸血鬼たちは、吸血鬼としての「現実」を生きるため、戻る事にした。

 帰りを待つ者達がいる世界へ……。






ヴィクター : こんばはー!


ST : こんばんは! 皆さん揃っているようですので、早速始めますね。


フィオナ : 了解です。


ヴィクター : 確か前回は瓦礫頑張ってどかす話になってたはず。頑張るぞいぞい!



 【夢から覚めた時~下水道の一角にて】




ST : ── かくして、夢は終わり。

 終末の世界は閉じた。
 あとにのこるは、泡沫の記憶ばかり。

  ── Vampire: The Masquerade、開幕。


 さて瓦礫については判定は省略いたします。時間に追われる要素ももはやなくなったのですし、「頑張ればなんとかなる」というやつです。
 ヴィクターさんも戻ってきたしね。

 瓦礫の前には埃まみれになったレナの銃が放り出されており、銃を……そのう……な用途で使ったことは想像に難くないでしょう。


エルヴィン : 傷 口がパカパカしているエルヴィンは傍観しつつ、魔法使いさんに夢の報告をしてますかね。

 これ、「起きた瞬間、覚えていたはずの知識が水が手から零れるように消えていく」パターンの夢じゃない、ですよね?(時々あるファンタジックで美しいエンディング)


ST : 大丈夫、ちゃんと覚えていられます。見届けたことに意味があるのだから。

 魔法使いは身を乗り出して、あなたの話を聞く。


エルヴィン
 : むしろ忘れてたら困るやつ!

 「気付いたら花畑でー」「神託みたいなの? があってー」「街に出て、朝でー」「血族がみんな太陽にー」 とこう、子供の遠足の報告みたいなやつをしてます。


ST : 「そうそう、気になっていたんだよ。……けふ、この埃はちょっと喉によくないね」 魔法使いは神妙な表情で聞いている。

 トレメールの女に関する話もする?


エルヴィン : トレメールのレディについて、この傷と魔法の剣について、最後には気絶させたけど無事に戻ってるだろう事も伝えておきます。

 「あのレディ、知り合い?」 的な感じで。


ST : 「ああうん、知り合いだねえ。彼女はあんまりぼくを気に入らなかったようだけど」

 「……それしか持ち込めなかったんだろうね、彼女も。本当はもう少し、戦力を整えたかったろうに」 魔法使いの言葉は、少し哀れみを含んですらいる。


フィオナ : 「彼女の装備が貧弱なもので助かりました。そうでなければ、我らはみな滅びていたでしょう」 と魔法使いさんに言います。


ST  「ああ、それは全くだよ。君たちがちゃんとやりおおせてくれて、本当によかった」

 朝の向こうの世界も、ちょっとだけ見てみたくはあったけどね」 魔法使いは、そう言って知識の徒らしい笑みを浮かべる。


 「……勘弁してくれ、そんな眩しいのはたくさんだ」 話を聞いていたらしい情報屋が、瓦礫に取り組みながらそうこぼす。


エルヴィン : 「獣が死に絶え全ての血族がなくなる世界はどうだろうなぁ……ぼくならもっと凄いゲヘナにしてみせるよ!」 とかここでも言ってます。


ST : 「ははは、きみのゲヘナは凄い事になりそうだ」


フィオナ : こちらはジョナサンに命じて教団と会社の安否確認を行わせます。あくまで夢の中での出来事ですが、不安は不安なので


ST : それが携帯が圏外なんだ。外に出てからになるね。


フィオナ : 「やれやれ。そういえば、ここは圏外だったな」


ST : 瓦礫に取りくむヴィクターさん(とフィオナさん)。瓦礫はみっちりと詰まっていたようだが、情報屋たちの奮闘の甲斐あり、それなりに手がかりはありそうな状態になっている。

 あとは、まあ、頑張ればなんとかなるだろう。


ヴィクター : 「ふう……まあ、ここまで来たらなんとかなるだろ」 黙々と手を動かします。魔法使いさんのお話はエルヴィンくんたちがなんとかしてくれるはず。


フィオナ : 「貴殿は何かおかしなことなどはないか。特に身体面で」 とジョナサンに聞きつつがれきの除去を続行。


ST : 「問題ない。こちらは平穏なものだった」 彼の手元で、大きな瓦礫がめぎり、と引き剥がされていく。<剛力>の力も健在なようだ。


フィオナ
 : 「そうか」 と言って作業を続けます。あと、ときどき素手でがれきを殴って、自身の肉体の頑丈さが戻っているかも確認します。


ST : あなたが知っている通りの身体が、そこにある。しばらくすると、瓦礫の向こうに下水道の様子が見えてくる。


フィオナ : ヴィクターさんも元通りならこれで安心、とばかりに今はこの場でできることに集中します


ST : もうしばらくすると、ちょっと狭いが通れるくらいの穴があくだろう。


フィオナ : 待ち伏せなどがないか外の様子を確認します。


エルヴィン : 「……戻ってもやる事はいっぱいあるんだから、急がないとね」 と呟く。

 「夢にて神託がなされた事により、巫女の力の消失だけでここまで、はいいけど……これにより内部分裂がおこってしまった事実がどう収束していくか、どう収束させるか……」


ST : 無数の視線を感じる。カマリリャの同胞らだろう、と情報屋いわく。どうやら、ここから出たときが最後の逃避行になりそうだ。


フィオナ : 「なるほど。外ではすでに我らを待ち構えているということか」


ST : 「ああ。 ……走るぞ」 と、一言、低い声が落ちた。


エルヴィン : 「みやーー! だれかおんぶ!」 けが人なので甘えるぞ!


ST 
: ジョナサンはさっとフィオナさんを背負おうとする。レナはもちろんリズンナを。エルヴィンくんは誰かどうにかしてあげて。


ヴィクター : 「ほいきた」 と、エルヴィン君を背負っていきましょ。



フィオナ : 隊列どうしましょう? エルヴィンさんをヴィクターさんが担いで、以前と同じでよいとは思いますが。


エルヴィン : おこめさまダッコされるえるえる……! 以前と同じでいいと思います。


ヴィクター : OKです~。


エルヴィン : 前回の隊列は 情報屋さん・ジョナサンフィオナさん・魔法使いさん・レナさん&リズンナちゃん・ヴィクターさん(おこめさまダッコえるえる) でしたっけ。


ST : それでよかったはず。



フィオナ : 一番前ヴィクターさん&エルヴィンさん、しんがりにジョナサンフィオナ間に非戦闘員を挟んでいきます


エルヴィン : 先頭は案内人の情報屋さんのほうがいいかな? それとももはや突破口がないほど囲まれてる?


ST : なるほど。では、ヴィクターさんたちの前に情報屋が躍り出て先導する。

 情報屋は地を蹴り、右へ左へあなたがたを先導する。
 がらがら、と後ろから不穏な音。爆発物などを使ったせいで、弱いところが崩落しているのだ。

 全員、機知+敏捷 難易度6で判定を。NPCは省略します。


フィオナ : 3b10>=6 機知、敏捷 (ころころ) DiceBot : (3B10>=6) → 9,3,8 → 成功数2 よし。


ヴィクター : 4b10>=6 (ころころ) DiceBot : (4B10>=6) → 3,1,7,6 → 成功数2(成功数1) んんっ、微妙。


エルヴィン : 6b10=>6 機知2、敏捷4でいけるか。 (ころころ) DiceBot : (6B10>=6) → 3,7,9,7,10,9 → 成功数5

 抱えられてる奴が頑張っててもこう…… 「ヴィクターさん早く早く!」 ってケツ叩いてるようにしか思えない!


ST : 瓦礫に巻き込まれたりつかまったりすることなく、あなたたちは走り抜ける!

 ──やがて、外の光が見えてくる。街灯の光に照らされて、誰かが立っている。


フィオナ : (誰だ? 新手か。いや、新手ならば、こんなところにいる意味は……)


ST : 「ああ、ああ、よかった、戻ってきた……!」 なんとパディだ。



フィオナ : 何故ここに彼が!?


エルヴィン : エルヴィンが放流してしまったから……。(笑)


フィオナ : ああ、そういえば、この辺で待機になってましたね。


ヴィクター : 放流されてるパディ……。



エルヴィン : 一瞬、人がいる気配に夢で見たヒース……エリカの姿が重なったが、すぐに消えた。

 「パディ! ……無事だった? ごめんなんか、圏外になって、わーい」 おこめさまダッコされながら手をぱたぱたさせる。


ST : 「何も合図がこなかったから、何度かメッセージを打ったんだ。でも返事がなかったから、その」 あうあうしてる。


エルヴィン : 「生きてればいいんだよー……ところで、このへんから怪しい二人組は出て行ったりしなかった?」 とりあえず、あいつらがいないなら安心かな。と思いつつ質問ムーブ。


フィオナ : 「見ての通り我らは無事だ」 と言いつつ、車のほうに向かいます。


ST : 「出ていったが、追いかけるの怖かった」 率直。


フィオナ : 「追いかけなくて正解だったな。下手をしたら殺されていたぞ」


ST : 「ひえ」


エルヴィン : 「いや、出て行ったならいいんだ、もういないってのが大事」 あの二人の素性は分かっているしね。


フィオナ : 「さて。とりあえずは車に乗って移動しよう。早くここから離れたい」


ST : 車は無事なようだ。だが、周囲からなにやら視線を感じる。とっとと離れたほうがいいだろう。


エルヴィン : 「ぼくは血を吸って2,3日ゆっくりしたいなぁ……」 傷口がまだパカパカしていた。


ヴィクター : 「とっとと治さねえとな」 傷口パカパカよろしくない。


エルヴィン : 時刻的にも心配は心配だったり。夜明けは近い感じです?


ST : そうだね、もう夜明け近い。まだ夜が明けていないのは僥倖だが、あまり猶予はないだろう。

 携帯が通じるようになったので、TAXI呼ぶなら来てくれる。車にのっけるには人数おおいんだよね。(1台では乗り切らない)


フィオナ : 運転手に長時間の待機をねぎらいます。 問題は今からどこに向かうかだな。それとタクシーも急いで呼ばねばならん」


ST : 下水道はもはや頼れまい。そこかしこから、様子をうかがう視線を感じる。


フィオナ : 「エルヴィン、タクシーを呼んでくれ。あと、避難先は私の教団で構わんな?」


ST : TAXIを呼ぼうとすると、そこに一台の車が滑り込んでくる。

 見慣れない黒い車だ。その運転席に、古めかしいスーツに大きな帽子という、なにやら怪しげな風体の人物


エルヴィン : (見慣れない車、だけどこの時代錯誤の格好、絶対……吸血鬼!) という判断材料。


ST : 窓が開かれ、その人物があなたがたに呼びかける。



エルヴィン : ぼくらも、100年くらい生きると「時代錯誤のスタイル」になっちゃうのかな……。(?)


ST : どれだけ変化していく時代をキャッチアップできるかだろうね。


フィオナ : 時代錯誤のスタイルも極めればかっこよく見える……かもしれない。


ST : むしろ流行が巡って最新のスタイルになるかもね。 「それから100年」 ちょっとやってみたいが描写が大変そうだ。


エルヴィン : 日本の100年前だと和洋折衷で書生男子とかは受けそうだけど、スーツの形式は今と違うなぁ……受けそうなのと廃れるのがあるんだなぁ。


フィオナ : 今から100年後の世界を描くとなると、SFになってきますね。


ST : そうそう。

 昭和30年代に書かれた「50年後の東京」が舞台の小説を青空文庫で見つけたんだけど、「おお、これが当時の未来感……」ってなったからね……。
 書生男子は確かに受けそう。


エルヴィン : 10年、20年単位だとあんまり変わってない風に見えても、100年単位だと……今の人物が紙幣になるぞ!

 書生男子と、編み上げブーツのはいからさんは……受ける!


ST : 受ける!あと横で検索したけど、インバネスコート(ホームズとか大正スタイルのやつ)って今でも普通に売ってるんだね……。


フィオナ : インバネスコート、かっこいいですよね。



ST
 : 助手席の扉がわずかに開く。 「こちらへ」 短く放たれた声には、ひどく聞き覚えがあるだろう。聞き違いでなければ、なんと、公子フランヴァールの声だ。


フィオナ : 「……ご無事でしたか!」 と声を潜めつつも驚きます。公子の車に乗れそうな人数を確認します。


エルヴィン : 「ほわわわ……公子様! 生きてた……あ、ちがう、この世界では死んで無い!」

 ちょっと混乱している、が。この世界では失脚していてあんまり自由な立場じゃないまま連絡を絶ってたかな。


ST : 「あなた方こそ、ご無事で何よりです」 5人乗りの車だ。4人、つめこめば5人というところだろうね。


フィオナ : こちらの人数は現在9名。公子に車に乗れるのは半分ですね。


エルヴィン : 公子様の車と、フィオナさんの車で別れて移動、ですかね?


フィオナ : (私とジョナサンは教団の車に乗るべきか。ヴィクターと巫女とその姉妹は、公子閣下の車に乗るのが良いだろうか……)


ST : あんまり長々と考えている時間はなさそうだ。


ヴィクター
 : ぐっとっぱーで別れましょ~。ヴィクターの膝の上にエルヴィン君乗せたほうがいいかしらね?(法律的にダメな奴)


フィオナ : 「私はジョナサンとともに向こうに乗ろうと思う。巫女は公子閣下の車へ。その護衛につきたいという者もそちらに行ってもらいたい」

 そういうと、そのままジョナサンを連れて向こうの教団の車に向かいます


ST : レナは頷いてそっちへ向かう。ジョナサンフィオナさん、レナリズンナが公子の車かな。


フィオナ : いいえ。ジョナサンフィオナ教団の車に向かいます


ST : おっと、失礼。

 では、レナリズンナ公子の車に乗るね。あとは?
 その間に公子が行き先を聞いてくる。彼も隠れ家にあてはあるようだが、フィオナさんの教団でもよい。


フィオナ : 一応、情報屋さんにはこちら(教団の車)に乗るよう誘っておきます


ST : 情報屋は特に拒否しないかな。


エルヴィン : レナさんとリズンナちゃんが公子様の車なら、ヴィクターさんもそっちがいいかな? 魔法使いさんも、公子様の車がいいと思うからその4人でいいんじゃないかな。

 残りの皆(エルヴィン、パディ)は教団の車で……ヴィクターさんが寂しいならエルヴィンお膝にのるよ!(?)


フィオナ : 隠れ家については 「閣下にも当てがおありなのですね。私としてはそちらに向かいたいと思います」 と答えておきます。


ヴィクター : ヴィクターはレナとリズンナにつくぜ…! エルヴィン君は……乗れたらお膝乗る?


エルヴィン : 乗る-!


ST : ん、公子の隠れ家でいい?


エルヴィ
 : 公子様の隠れ家興味ある!


フィオナ : こちらの車にパディを乗せて、公子の隠れ家への道を聞きます


ST : 隠れ家に行くなら、彼の車が先導するよ。全員が車に乗ったことを確かめると、彼はゆるやかに車を発進させる。


フィオナ : では今のうちに教団に電話を掛けて、彼らの無事を確認しておきます。隠れ家についてからだと、いろいろと難しそうなので。


ST : 教団には無事に電話がつながる。あなたの無事を喜ぶ声のあと、周囲に監視の目があるため教団内で守りを固めているが、全員無事であることが報告される。


フィオナ : 「よろしい。怪しい訪問者が来ても抵抗はしないこと。どのみち、教団内に探られて困るものはないのだ」 と簡単に指示を出し、引き続き警戒は続けるよう言っておきます。

 (これで教団の無事も確認できた。夢の中での出来事は、どうやらこちらには影響していないようだ)


ST : 車は路地を抜け、街のはずれへ向かう。何度か遠回りをしたあと、彼は車を降りる。


フィオナ : では、こちらも運転手に車を止めさせ、そこで降ります。


ST : 徒歩で先導され向かうのは、ひどく古く見える、煉瓦造りの建物の廃墟だ。崩れた内装で足元がごちゃついているが、入り口の奥に見える扉はまだ生きている。

 「私が、今の位置につく前の隠れ家です。……まだ、生きていてよかった」

 辺りは静まり返り、よからぬ人間や血族の幼な子たちの気配もない。彼は重厚な扉に、金色の鍵を取り出して差し込む。
 案内された部屋に窓はなく、外装が崩れていることもない。内部はやはり崩落しているが、彼が使うためだろうか、古びた敷物が敷かれている。

 「快適な場所ではありませんが、どうか我慢して下さい」


エルヴィン : 「わぁ……おじゃまします」 緊張した面持ち。


フィオナ : 「我慢などとんでもない。お招きいただいたこと、深く感謝いたします」


ヴィクター : 「邪魔するぜ」 窓がないと安心できるけど逆に怖いね。


ST : 「崩れてるけど、元は結構お大尽な場所だね」 窓のない部屋に、レナがちょっと落ち着かない顔をしながら言う。自分の上着を脱ぎ、リズンナのために地面に敷く。

 全員が部屋に入ると、傍らに置かれた白熱電球のランタンを手にとり、フランヴァールが明かりをつける。
 そして、壁を背に陣取ると、口を開く。

 「あなたたちの働きに感謝します。まず、一つだけ確認を」
 「神託は、なされたのですね?」



フィオナ : 「はい、閣下。神託はなされました」


ST : 「……ああ、」 彼は、大きく息を吐く。

 「あなたがたの働きに、深く感謝致します。……朝を越えたら、話をしましょう。これまでの、そして、これからの」

 ひどく人間臭いその仕草を見たところで、本日は以上。
 お疲れさまでした!


ヴィクター : お疲れ様でした~!







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