>> 黄金の風、白金の風




 風が、吹き付ける音がした。
 やたら乾いた風はこぅこぅと吹きつけ、耳の中を擽る。

 目は……開かない。
 粗暴そうな女が黙らせる為にと、強かに顔を打ち付けたからだ。

 きっとこの顔は最後に鏡を見た時と比べて何倍にも腫れ上がっているのだろう。
 周囲の風景を見る事も、助けを呼ぶために声をあげる事さえも出来なかった。

 最も仮に声をあげる事が出来ても、こんな荒野のど真ん中だ。
 誰も助けにはこないのだろう。

 さっきまで傍で揺れていた炎の痕跡も、もう感じられない。

 「スタンド」が解除されたからだろう。
 傍に「ロッズ」の気配もない。

 さっきまで聞こえていた音も、少しずつ遠くなっていった。

 あぁこのまま緩やかに意識を失っていくのだろうか。
 ……だがそれでも心地よささえ覚えていたのは、俺があの人の「望むべき事」を仕遂げた自信があるからだろう。

 あの人は、救われなかった俺に最後、ほんの少しだけ手を差し伸べてくれた。
 僅かだけれども俺に、生きる覚悟と死ぬ覚悟をさせてくれた。

 ……ほんの少しだけ、何をしていいかわからないまま路頭を彷徨うクズではなく、「DIOの息子」として自分の生きる意味を見いだしてくれたのだ。

 自分は誰なのか。
 何をすべきなのかわからず、得体の知れない病気をかかえたまま、虚空を抱えて生き、老いさらばえていくくらいなら、こうして志を抱き、土へと帰す事は不思議と怖くなかった。

 ほとんど見えなくなった目を閉じて、大地に身体を預ける。
 世界が暖かいのか冷たいのかも、ほとんど分からなくなってきた。

 ……その時。


 「ゴールド・エクスペリエンス……」


 誰かの声が、聞こえた気がした。

 同時に、頬を撫でる乾いた風の感覚が蘇る。
 こぅこぅと吹き付ける音も、焼け付くように暑い感覚もだ。


 「っ……んぅ……」


 僅かに呻きながら声をあげ、目を開ければ……そこには荒涼とした風景が、広がっていた。

 自分の目が見えなくなる前とかわりない寂しげな風景だ。
 いや、かわっている所もある。
 もうすでにあの娘たちがいなかった事と……。


 「……大丈夫だったかい?」


 見知らぬ男が跪いている事だった。

 東洋人のような顔立ちだが、美しい金色の髪をしている。
 見た目は若いが、歳はきっと、俺より2つか3つ年上だろう……そして恐らく、なかなか苦労をする仕事をしているに違いない。

 まだ年若い彼は見た目の若さとは裏腹に、随分と落ち着いた物腰をしていた。

 俺は、どうして自分の傷がこんなに早く治ったのか。
 そして彼は誰なのか……わからないまま、ただ呆然と頷きながら、自然と距離をとっていた。

 相手が誰だかわからない以上、近づくのは危険だ。
 幼い頃から虐げられていた自分の本能は、そう告げたのだ。


 「あぁ……まぁそうだよな。突然現れて……傍にいたら、警戒する。仕方ない……でも安心していい。キミに危害を加えるつもりはないさ」


 男はそう言いながら、大型のバイクを軽く叩いた。


  「旅行中なんだ。少し、自分の仕事から離れてみたくなってね……誰もぼくを知らないアメリカに来てみた……広い道をバイクで走ってみたいと思ってさ。でも うっかり道を間違えたようだ…………湿地帯に入ったと思って、タイヤもとられて思うように進まなくてね。そうして途方に暮れながらバイクをふかしていたら……」

 「……俺が、倒れてた?」
 「そういう事だ」


 男は穏やかな語調で自分の境遇を説明する。
 落ち着き払った言葉は「何かを隠している」気配はしたが、偽りは感じられない。

 ……旅行というのも、恐らく本当だろう。
 バイクにつまれた荷物は数日分の着替えや食料が入っているのが見てとれた。


 「それにしても非道くやられてたね……このバイクキミのかい? ガソリン抜かれてるみたいで……キミ自身も火傷がひどい。というより……スゴイ病気かかえたまま旅行してたのかい? ……まぁ、一通り『治して』おいたけど……」


 男は到底医者にはみえない。
 だが「治して」といった……そして、たしかに男の言う通り、身体はさっきよりずっと軽くなってる。

 ロッズで自分の身体から神経の感覚まで遮断し……痛みをほとんど麻痺させていた。
 だが今は、身体が痛む。

 手が、足が……折れた骨が軋むような感覚さえあり、それが鈍痛となって俺の身体におそいかかった。

 生きている。
 その実感はかなりの苦痛となって俺の身体に現れた。


  「……ぼくのは応急処置だ。キミの不健康な部分をリセットして健康な部品にいれかえただけ……馴染む間は相応の痛みがあると思うから、あとでちゃんと病院 に行った方がいいよ……しかし、どうしてこんな所にいたんだキミは。バイクもほとんど壊れて……誰かに騙されて誘い出されて、金でも巻き上げられたのかい?」


 どうしてこんな所にいるんだ……。
 それは、こっちが聞きたいくらいだった。

 いくら「迷った」とはいえ、ここはもう地図にものってない程道から外れている。
 俺は何となくあの娘の居場所がわかる。だからここまでこれたのだが、普通だったらこんな荒野に迷ってもやってこないだろう。

 ここまでくる前に、引き返しているはずだ。

 ……いや、あるいは。
 あるいはこの男も、その「気配」でここまで来たのではないだろうか。

 だとしたら……。


 「……ひょっとして、あんたは……DIOの、息子……なのか?」


 考えついた結論は、無意識に唇から零れていた。
 その瞬間、男の表情が険しくなり俺から一歩、距離をとる。

 同時に奇妙な「影」が男の背後に現れた。
 鉄面を被ったような、肩に小さな羽を持つ「影」だ。

 これはあの娘の背後にも現れていた。
 あの娘は、サングラスのようなメガネをかけ……無数の糸を寄り合わせたような能力をもっていたが、恐らくこれが彼の「スタンド能力」に違いない。

 俺のスタンド能力は、人の形をしていない。
 腕時計のように小さく、リモコンのようにロッズを操るだけ……スタンドをつかって自分の身体を防御するコトは到底出来ないのだが、どうやらスタンドの形というのは、彼のように人の姿をとるコトの方が多いようだ。

 突然現れた「スタンド」に思わず目をやり息を呑む。
 その仕草で、相手はもう俺が「スタンド使い」である事を見抜いたようだった。


 「……なるほど、どうやら……キミにはこのスタンドが見えるようだね」


 同時に、焼けるような殺意が俺の身体に突き刺さる。
 この男は……いつでも、覚悟が出来る男だと、俺は瞬時に悟った。

 今まで何度も修羅場をくぐり抜けていたオーラだ。
 必要とあればいつだって人を殺せる、そんな焼けるような覚悟を感じる……。


 「まって、まってくれ!」


 どうしたらいい?
 説得? どうやって? 俺に敵意がないといって、信頼してくれるのか?


 「おれっ、すたんど……ロッズ操るだけで! ……っぁ、はぁっ……もうロッズはそばにいないから……戦えないから。敵意はないからっ……」


 それに、俺は不用意に口を滑らせたんじゃないのか?
 神父様はいっていた、オヤジは。DIOは特別な存在だと。
 敵も多かったんじゃないか?

 この男にとって「DIOの息子」というのが隠したい秘密だったとしたら?
 俺は、消されるのか? 今生き返ったばかりなのに?

 様々な思いが渦巻き、そして……。


 「はぁっ……ぁっ! はぁっ……はぁっ……」


 「発作」がおきた。
 ……瞼がおちるのも痙攣もロッズのせいだとばかり思っていたが、どうやらこの「発作」は俺が生まれ持っている「性質」のようなモノらしい。

 パニックになるとダメだ。
 思うように言葉が出ない……。


 「はぁっ……はぁっ……」


 何とか自分の心を押し沈めようと手の甲を噛み落ち着く努力するが、そうすればするほど、呼吸が荒くなっていく。

 話さないといけないのに、言葉が出ない。
 やはり俺はダメなのか……一歩踏み出したつもりだったが、持って生まれた性質には逆らえないのか……。


 「……キミは、病気なのか?」


 男の問いに、辛うじて頷く。
 すると男は、「そうか」と小声で呟き、スタンドを消し去ると俺の前に跪いた。


 「キミはどうやら過呼吸をもってるみたいだね……不安な時に、呼吸が苦しくなる?」


 コクリ。
 俺はただ頷くだけでこたえる。


 「過呼吸は酸素をとりすぎて呼吸困難になる……おちついて、呼吸を整えるんだ……いいね? ……キミがぼくに攻撃をしないと、そう誓うなら。ぼくもキミに危害は加えないと約束する……だから、落ち着いて……」


 今まで俺の発作がおきた時は、周囲は同情の目ばかり向けていた。
 「あぁ、また発作だ可哀想」という目。だけど「自分じゃなくてよかった」という見下すような目だ。

 だが彼の視線はただ、優しく暖かかった。
 まるで自分を心から心配してくれているように、俺の身体を抱き留める。

 俺は発作のせいで零れる涙を必死になっておさえながら、ただその言葉に頷いていた。

 男の敵意がなくなった事。
 そして、彼自身がかなり俺を気遣ってくれた事が、俺の心を軽くする。

 程なくして発作は収まり、呼吸の乱れもなくなっていった。


 「……落ち着いたね?」


 優しい言葉に促され、俺はただ頷くだけでこたえる。


 「だったら少し、聞かせてくれないか。どうして、ぼくがDIOの息子だって知っているのか……SPW財団の関係者か何かかい? それとも……それに、キミの名前は? スタンド使いなら、その能力は……?」


 そうして男は俺が落ち着くのを見ると、矢継ぎ早に質問をはじめた。


 「……いや、先にぼくから名乗るのが礼儀かな。ぼくは……ジョルノ・ジョバーナ。イタリアである事業に携わっているものだ。見ての通り、スタンドを持っている……小さい頃からつかえた能力だ。キミは……」
 「リキエル……」


 俺はやっとの思いで名前を言うと、以前神父様がいっていた言葉……身体に浮き出る「星形の痣」について思い出し、上着のボタンを外して彼の前へと肌を晒した。


 「……その痣は」


 やはり彼も……ジョルノにもこの「痣」はあるらしい。
 俺はこの痣に触れながら、ひゅうひゅうと漏れる呼吸とともに告げた。


 「……俺も……DIOの、息子……だよ……」
 「何だって、まさか……」

 「俺たちは引き寄せられたんだ、運命に……でも、俺たちは選ばれなかった。今、ここにいていいのは俺たちじゃないんだ……俺は、俺たちは……」


 脳裏に神父様の姿が過ぎる。
 せっかくあの人に助けてもらったのに、俺の運命は選ばれなかった。

 俺はまた、虚空に戻ってしまった。
 そんな、気がしたから。


 「っ、ぁ……うぁっ……うぁぁぁぁぁぁ……」


 俺はそのまま膝から崩れるようにして泣いていた。
 助かった喜びよりその時は、運命から零れた自分のその未熟さを呪った。

 そんな俺を、その人は……。
 ジョルノはただ黙って傍で、抱いてくれていた。

 そうする事しか、出来ないでいた。


 ・
 ・
 ・


 冷たい水がのどを潤す。


 「落ち着いたかい、リキエル」


 ジョルノは心配そうに俺の方を見つめていた。


 「ん……あぁ、もう大丈夫だ……ゴメンな……俺、すげぇ取り乱して……」
 「いや、いいんだ……」


 泣きながら俺は、これまであった事を概ね、ジョルノに……腹違いの兄であるこの男に告げていた。

 バイク事故で病院に担ぎ込まれた事。
 そしてそこで出会った神父様に、自分の道を指し示してもらった事。

 ……神父様の為に戦った事。そして。
 俺が、運命に選ばれなかった事……。


 「プッチ神父か……」


 ジョルノは興味深そうに、そう呟く。
 整った顔立ちに威厳のある佇まい……俺とそれほど年齢はかわらないだろうが、俺よりずっと立派に見える。

 きっと俺のオヤジ、DIOはこういうタイプの男だったんだろうな。
 俺は漠然と、そう思っていた。


 「……多分、追いかけても無駄だよ。俺たちは、引き寄せられなかったんだ……神父様の言う事は、頭じゃよく理解できないけど……俺は、何となくわかるんだ。あの人は自分の目的にかなう存在だけが、傍にくる事だけを望んでいる」
 「天国にいく方法……」

 「……そう。俺は……天国なんてよくわからない。だけど……神父様がそれを求めていたんなら」


 命をかけた事に、後悔はない。
 そういいかけた俺の唇を、ジョルノが留めた。


 「……でももうその神父、とやらはいないんだろう」


 そうだ、もう神父様はいない。
 ……おそらく、この世界にも……いなくなる。

 天国に行く方法……それがどんなものだったか、今となってはわからない。
 ただ、何となく俺はわかっていた。

 神父さまも……引き寄せられたあの娘も……。
 多分もうこの世界からは「欠落」した。

 そしてこの「世界」と俺たちが残されたのだ。
 天国から零れた世界……特異点を迎えず残された世界、それがきっとこの場所だ。

 ……あの人を失って。
 これからどうしたらいいんだろう、これから……。


 「……もしよかったら、リキエル。キミ……ぼくといっしょに、こないか?」
 「えっ」

 「ぼくは、イタリアで事業をしているっていったよね……けっこう大規模な事業なんだ。イタリアで二番目に税金を納めている仕事さ……イタリア語は、難しいかもしれないけど、キミがぼくの弟だっていうなら、ぼくはキミを歓迎したいと思ってるんだ。よかったら……一緒に、イタリアに来てみないか?」


 出会ったばかりの。
 それも異母兄弟である自分に平然とそう言ってのける……何て度胸のある人だと思う。

 だけどこの人はそれだけ「自分の目」を信じているのだろう。
 きっとこの人は気付いてくれたのだ。

 俺の中はまだ完全に「からっぽ」じゃない事に。
 神父様が俺に「精神の成長」その炎を灯してくれた事に……。


 「ジョルノ……さん」


 それに、ジョルノにも考える事があるんだろう。

 彼は「イタリアで二番目に税金を治める仕事」といった。
 イタリアでは二番目にマフィアが税金を納めている……なんてジョークがあるが、つまり「そういう事」なのだろう。

 彼はきっと……マフィアか、それに関わる仕事をしているはずだ。
 それは彼のまとう気配……礼儀正しい反面、どう見てもカタギではない気配が物語っていた。

 マフィアといえば危険がともない、弱点はなるべく少ない方がいい。
 そんな彼にとって、異母兄弟とはいえ……スタンド能力に目覚めたばかりの半端物の弟がいる、というのは心配材料の一つになり得た。

 それに彼は「SPW財団」の話もしていた。
 世界的に有名なあの財団は、今回の件にも多く絡んでいるという。

 スタンド事件に関しても、かなり踏み込んだ調査をしているんだろう。
 ……恐らく、ジョルノ自身も何かしらの形で監視されているのだ。

 マフィアのボスとして、そしてDIOの息子として。
 俺も同じように監視され、スタンド使いたちに付け狙われ……そうして秘密裏に始末されないか、そういう心配してくれているに違いない。

 ……頭が回る人だな、と思った。
 そして、優しい人だとも。

 彼についていけばきっと、神父様が俺を導いてくれたのと同様、きっと俺を正しい道へ導いてくれるだろう。
 そんな確信があった。

 だけど。それでも……。


 「ありがとう、ジョルノさん……でも、俺……今はもう少し一人で、やってみようと思うんだ」


 だけどそれでも、俺は……その人の手をとることをやめた。


 「……ずっとロッズのせいで病気だと思ってたし。いや、実際に俺は病気だよ。もう性質として……パニックになると発作が出る。そういう風になってンだ……でも、俺はさ……もうそういう事を理由にしてしたい事をしてこなかった自分ってのは、やめようと思ってんだ」


 瞼を閉じれば、色々な思いが廻る。


 「バイクで旅行とかしてみてぇなって思うんだ……ずっと急に瞼がおちて事故ってばっかりだったから、遠出はほとんどしなくてな……それと、ちゃんと勉強し てみてぇんだよ。進級試験で瞼がおちて痙攣しちまって、それから学校にほとんど通えなくなったけど、今ならちゃんと学校いけるだろうし……そうやって、 俺……自分が本当にやりたかった事を、見つけようと……そう思ってるんだよ」


 俺は、笑っていた。
 ほとんど無意識に……こうやって心の底から笑えるのは、いったい何時以来だろう……。


 「だからごめん。俺、ジョルノさんと一緒にいけない」
 「そう、そうか……」

 「それに、俺のスタンドは……ロッズって生き物を操るんだ。イタリアまでロッズをつれていくのは……あいつらにも悪いもんな」


 ジョルノは少し残念そうに……だが安心したように呟くと、ぽんぽんと俺の頭を撫でた。


 「……まぁ、キミがそうしたいというならそうすればいいさ。ぼくも……血は半分しか繋がっていなくても、兄なんだ。何か協力できる事があったらいってくれ」
 「だ、だったら……だったらさ! ジョルノ……兄さん、って、呼んでいいかい?」

 「えっ?」
 「俺、ずっと家族なんていないと思ってたから……あんたみたいな立派な兄さんがいるの、すげぇ嬉しいんだよ。ずっと兄弟とかあこがれてて……なぁ、いいだろ? ……だめ?」


 俺の提案にジョルノは少し驚いたようだったが、やがて彼らしくなく、照れたように頬を赤らめると。


 「……仕方ないな。いいよ」


 そういって、俺の頭を撫でてくれた。


 「やった! ……ジョルノ兄さん」
 「……何だい?」

 「俺、旅行したら写真とかメールするから……メールアドレス教えておいてくれよ!」
 「わかった……でも、きみ携帯電話は?」

 「……あいつらに盗まれちまったけど、パソコンのアドレスあるから! そしたらメールするから……お返事、くれる?」
 「ん……あ、あぁ……時間があったらね」

 「それと……イタリア旅行とかする時は、兄さんに会いに行くから!」
 「わ、わかったわかった……もう、やめてくれ急に甘えるのは……何だかぼくも、急にこんな大きい弟が出来て……何だかくすぐったいよ」


 ジョルノはそう言いながら、でもまんざらではないといった様子で歩き出す。

 兄弟というものが出来た事を、彼も喜んでいるのだろうか。
 だとしたら、俺も嬉しいのだけれども……。


 「じゃぁ、そろそろいこうか……キミのバイクはもうダメみたいだから、ぼくが街までおくっていくよ。バイクの後ろにのって……街までの道は、わかるかい? 出来たら案内してほしいんだけど……」
 「もちろん!」

 「……じゃあ、行こう。リキエル」
 「わかった……ジョルノ兄さん」


 先に進むジョルノの後を、俺は慌ててついていく。


 長く、長く遠回りをしたけれども……。
 俺はやっと大事なものを、手に入れる事が出来た気がした。

 そう。
 自分の存在意義と……家族と、いうものを。






 <戻るよ>  / To be continued.