ネギパニック
これは、前の会社の後輩・チムボリ亜紀さんから
あげはら宛に送られたバカメールです。
そう、あれは3年前の出来事でした…。
2月2日午後9時。
友達ん家で、仲良く鍋パーティーを開くことになり、みんなで準備をしていました。
今日のメニューは、キムチ鍋!
キムチとぉ〜、豆腐とぉ〜、白菜とぉ〜、お肉とぉ〜、その他いろいろとぉ〜…。
あれれ?何か足りないぞぉ〜??
Oh!なんてこと?!
ネギがないわっ!ネギが!
鍋にネギがないなんて!!
考えられない!
(結構ネギ好きのワタシ。25歳独身)
そんなこんなで、みんなは「別にいいよぉ〜」と言っているにもかかわらず、
ネギを買いに行くことに。
この時、出掛けなければ、あんな悲劇は起こらなかったのに…。
「じゃ、行ってきま〜す!」
近くのスーパーまでお買い物に。
(最近のスーパーって、夜遅くまで開いてるのよね)
無事に到着し、ネギをつかみレジへ。
お金を払ってレシートもらって、ビニールにネギ突っ込んで、
みんなが待ってるパーティー会場へいっそげ〜!
友達ん家までの帰路は、大っきい道路を一個渡らなければならない。
信号が青になり、ちょっと小走りで渡る私。
半分まで渡ったその時、左側に車のライト発見!
「まぁまぁ、停止線ずいぶん越えちゃってるわよ。
危ないわねぇ〜。
まったく最近のヒトって交通ルールっちゅうもんを知ってるのかしら?」
と思うが先か、
車が突っ込んで来るのが先か…。
どんっっ?!
チムボリ亜紀(仮名・当時22歳・今も独身)
車に勝負を挑みました。
いやぁ〜ん。
こんなの、は・じ・め・て♪
気が付いたら、見事完敗!!
横断歩道のはずれで寝てました。
でも、本人は何が起きたのか全然わかっておらず、
何?何?何が起こったん?
何で私こんなとこで寝とん??
チョーはずかしー。
そんなことを考えながら、起き上がろうにもなぜか起き上がれん。
そうこうしていたら、一人のおっさんが私の方へと駆け寄って来て、
「だっ、大丈夫ですかぁぁ??」
・・・・誰が???
ちゃんと信号守って止まってた一台の車の運転手さんが、
「轢いた車、止まらんと逃げたけぇの〜、
今からワシが追っかけちゃるけぇ〜」
…ほぉ〜、そりゃ悪いやつじゃ。
で、轢かれた??
誰が??
手を見たら、手首と指から血!
轢かれたんワタシじゃん!
私を轢いた車はホントに逃げてて、
追っかけてくれた車に止められて観念したらしい。
一方私はと言えば、轢かれたという事実を知り、
頭はパニック状態。
身体の左側面が車との接触で打撲したために立ち上がれない…。
何人かのおっさんに担がれ、道路わきに移動。
まさに道路で轢かれた、かわいそうな犬のホトケサマ処理の図。
おっさんA「大丈夫か?頭打っとらんか?意識はあるか?」
私「うん。うん。たぶん大丈夫」
(必要以上に声(大))
おっさんB「良かったのぉ〜、顔は無事で。
こんなべっぴんさん、顔に傷がいったらたいへんじゃぁ。
すぐ救急車呼んじゃるけぇの」
べっぴんさん?
べっぴんさん?
べっぴんさん?
べっぴんさん?
きゃぁ〜っっ♪
このヒト、ワタシのこと、べっぴんさん言うちゃった〜!
…しばし、ニヤける。
そんなことはどうでもいい?
B「今救急車呼んだけぇの。すぐ来るけぇの。しっかりせぇよ」
…何?
救急車??
そんなもん呼ばんでもええ。
みんなが私のネギを待っとる。
(別に待ってない)
私「いいです。大丈夫です。ワタシ帰ります!ほんとに大丈夫ですから」
おっさんC「大丈夫じゃなかろーが?(訳:大丈夫じゃないでしょ?)」
私「ほんとに大丈夫です。ご心配をおかけしました。
でも、みんなが待ってるんです。
(別に待ってない)
ワタシ、ほんとにネギ持って帰らなきゃいけないんです。
あ、じゃ、こうしましょう。
いったんネギ持って帰って、またここに来ます。
それならいいでしょ?」
何を言ってるんだか…。
案の定、
ギャラリーのみなさん「・・・・・・・・・・?」
(やっぱ頭打っとる?疑いの面持ち)
ネギの安否を心配しつつ、持っていた右手に目をやると、
そこにはしっかりビニール袋が握り締められている。
ホッ。良かった。無事だ♪
しかし、その先に目をやると…。
取っ手しかないじゃん!
(滝汗)
愛しのネギは見事に取っ手から引きちぎられ、
道路で粉々に散乱。
私が帰って来ないコトを心配していた友人Aが、
救急車のサイレンを聞いて駆けつけてくれ、一言。
友人A「亜紀ちゃん、何しよるん??」
私「あー、なんか轢かれたみたい…」
A「大丈夫?」
私「うん。でもネギがね…」
後から聞いた話だが、
その後、パーティーは続行されたらしい。
友情ってなんなのかな…?
救急車が到着し、「ワタシ帰ります!!」などとほざいていたにもかかわらず、
結局立ち上がることが不可能だったへちょいワタシ。
担架にのせられ、初めて救急車に乗った。
救急車に乗ってからも私の興奮はおさまらず、
「どういう状況で轢かれたか覚えてますか?」の質問に
私「はい。覚えてます!車が左側に見えて、
止まるんかなーと思ってたら突っ込んで来て、
車の右前の部分と接触して、
そのまま右側の後ろタイヤでおなかを踏まれました!」
救急車の方「ええっ??踏まれたんですか?大丈夫ですか?
おなか痛くないですか?ココ痛くないですか?」
― おなかを押さえられる
―
ワタシ「大丈夫です。痛くないです」
救「え?フツー、タイヤで踏まれたら、
内臓破裂とかしてるんですケド。
ほんとに踏まれたんですか?」
私「あれ?ウソかも…」
結局、負傷したのは左側面の打撲と左手首に2センチくらいの切り傷。
(今も後が残ってて、自殺未遂っぽい)
そしてイチバンひどかったのは左手の中指・薬指・小指骨折!!
救急車の中で指がヘンな方向に曲がってるのに気付き、
そこで初めて気絶しそうになった。
結局外傷だけで、入院はしなかった。
次の日は休みだったけど、
その次の日から私の仕事の相方が出張だったので、やむを得ず出勤。
その後も会社は休むことなく、ぼったくりに失敗した。
現場検証とかで警察にも行った。
護送車(っていうの?捕まったヒトが乗せられる窓に鉄網はってるやつ)にも乗った。
信号待ちで止まっている時、歩道にいる人たちの目が冷たかった。
何にも悪いコトしてないのに…。
私を轢いたヒトは当時40過ぎのおっさんで、
飲酒運転+信号無視+前方不注意っちゅうワケで、
見事、免許取り消しになった。
そりゃ当たり前じゃ。
もちろん「10:0」で私の勝利!
その後、ほぼ完治しているにもかかわらず、
リハビリに長いこと通い続けて
海外旅行に行くことが出来ました。
轢いてくれて、ありがとう!
おっさん♪