スキンヘッド
いよいよ手術が明日に迫った。
もうビビリまくりである。
手術にビビっているのではない。
その後の数日間の寝たきりの苦痛にビビっているのだ。
手術は麻酔があるのであまり心配はしていない。
手術に先駆けて、2回目の剃毛の時が来た。
今回の担当の看護婦は香Zさん。
「私、すぐそこのH小学校2年1組の担任なんです」
などと言われたら信じ込んでしまいそうなほど、
小学校の生真面目な女先生の雰囲気がある。
もし私が香Z先生の生徒だったら、
確実に1回は香Z先生を泣かしてしまいそうだ。
私は小学生の頃、実にいらんことしぃだった。
ある日、イタズラで
担任の先生が座ろうとした椅子を引いて尻もちをつかしてしまい、
大学卒業仕立てだったそのニキビ顔の新米先生を泣かしてしまって、
授業をボイコットされたことがある。
香Zさんはその時のI川Y子先生に雰囲気がヒジョーに良く似ているのだ。
まったく関係ないが、
イタズラと書くと
やんちゃな小学生を想像し、
悪戯と漢字で書くと
官能小説の見出しのような印象を受け、
いたずらと書くと
破廉恥教師の不祥事
を思い浮かべてしまうのは私だけだろうか?
話が逸れた。
剃毛はこれまで散々K西女王様に鍛えられているので、
今度はまったく恥ずかしくない。
堂々とベッドに横たわり、ズボンとパンツを
男らしくズリおろす。
小さいながらも我が小象も誇らしげだ。
しかーし!
しかしである。
あんまりにも真剣に香Zさんが私の股間を至近距離で見ながら
ソリソリと作業するので、
やっぱり恥ずかしくなってきた。
今更隠すこともできない。
どこまで行っても私は小心者。
虚勢をはっても長くは続かないのだ。
手際良く作業は進められ、あっという間に剃毛は完了した。
見事なスキンヘッドであった。