手術当日

さて、当日の朝である。

 

 

 

何の緊張感もない。

 

ただ、手術後の痛みだけが嫌だ。

 

 

 

 

すぐにその時間が来た。

 

 

ストレッチャーに乗せられ、手術室前に連れて行かれて、ちょっと時間待ち。

 

 

 

 

 

 

 

 

あ。

 

 

 

 

 

 

 

そう言えば横浜の大学病院で

 

患者を取り違えて手術してしもうたマヌケな事件があったよな。

 

 

 

 

 

 

しもた!

 

 

 

 

他の患者と取り違えられんよう、オデコに

 

肝臓のあげはら

 

って書くのを忘れとった。

 

 

 

仕方がないので看護婦さんに、

 

「他の人と間違えんでくださいね」と念を押す。

 

 

 

私は本当に失礼なヤツだ。

 

 

 

 

手術をする患者は何人かいるらしく、次々と手術室へ順番に流されていく。

 

 

 

 

やがて私も手術室(?)に入った。

 

大勢の人が待ち構えている。

 

 

そこら中でプシューとかパシュン!という音が響いており、

 

まるで遊園地のアトラクション。

 

 

 

すぐに麻酔の注射を施されるが、意外と痛くない。

 

背骨の神経に管を入れると聞いていたので覚悟はしていたのだが、

 

何が何だかわからないうちに終わってしまった。

 

 

 

いよいよ全身麻酔をかける時が来た。

 

麻酔開始からいくつ数を数えられるか、興味のあるところだった。

 

 

 

「じゃあげはらさん、今から麻酔を開始しますよー」

 

 

 

その直後、目の前は一瞬にして真っ暗となり、

 

 

次の瞬間には、

 

 

「あげはらさぁ〜ん!わかりますかー?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手術は無事に終わりましたよー」

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと!?

 

もう終わったとな!

 

 

 

 

 

数を数えるどころか、

 

手術は一瞬目を閉じただけ。

 

 

 

 

 

目が覚めた瞬間、ノドに違和感を感じ、鳴咽した。

 

肺までチューブが入っていたらしい。

 

コレが一番キツかった。

 

 

そして、またウトウトしてしまい、そのまま病室に運び込まれた。

 

開始からすでに6時間くらいは経過していたようだ。

 

手術は、やられる方は実に呆気ないものだった。

 

 

 

さぁ、これからが勝負である。