怒涛の尿道プレイ
噂には聞いていた。
それは相当痛いらしい。
検査のためにベッドから動くことができず、
一日中オシッコに行けない私のために、
チン○ンの先から
バルーンカテーテルというチューブを入れるのである。
さらっと書いているが、
チン○ンの先やぞ、
チン○ンの先!
そこは本来、オシッコなんかを出すところであって、
チューブを入れる場所ではない。
「なんか、って何や!」
それは自分で考えよう。
もしかして、モノの大小によっては入れ難かったりするんやろか?
ヤバイな。自信がない。
「あげはらさん、ちょっと申し上げ難いんですけど…、
あんまりにも小さいもんですから、
カテーテルが入らないんですよねぇ」
などと言われたら目も当てられない。
勝手にいろんなことを想像していたら落ち着かなくなってきた。
しかし、
世にも恥ずかしい浣腸プレイをすでに経験したばかりの私にとって
恐いものなど何もない!
今度は羞恥心だってカケラもないぞ。
別名小悪魔こと、K西女王様の調教のお蔭だ。
ところが、N谷先生の手にある噂のバルーンカテーテルの太さを見て
チビリそうになった。
もっと細いのを想像しとったのに、
チューブは割り箸の先くらいの太さがある。
どエライことだ。
検査のためとは言え、これはツライ。
これがホンマにオレのに入るんかいな?
看護婦のN田さんも、私を挟んで先生と向かい合って、
にこやかに見守ってくれている。
そのにこやかさが一層私の恐怖心を掻き立てる。
N谷先生は私より若いであろう20歳代後半の、
病院ドラマに出てきそうな小顔の正統派美人である。
N田さんは看護婦の鏡的な存在の、
これまたベッピンさんである。
もう、この東病棟3階はどっちを向いても美人揃いである。
N田さんはとにかく明るくてかわいい。
いつ見てもニッコニコである。
N田さんは背も高く、中学校の体育の先生にピッタリだ。
担当科目は誰が何と言おうと体育である。
部活はバレーボール部か水泳部の顧問。
特に水泳部の顧問のイメージである。
白のポロシャツに紺のジャージでホイッスルを首からぶらさげて、
プールサイドから、
「ホラ、そこーっ!もっと足をしっかりぃ!」みたいな…。
普段は優しいのに競技会が近くなると鬼になる。
そんな感じだ。
先生「ハイ。じゃぁ、あげはらさん、口を開けてくださ〜い」
私「それって力を抜いとけってことですよね?」
先「そうですよ〜」
恐怖のあまり無意味な質問をしてしまう。
彼女らには至極ありふれた処置なんだろうが、
私は浣腸以上の恐怖を覚えた。
どんな痛みか想像する間もなく、
N谷先生にチン○ンを指で軽くつかまれたかと思うと、
カテーテルを一気に膀胱まで突っ込まれた。
あ、あふっ!
くっ!
うひゃっ!
予期せぬ感触に、思わずアラレもない声を出してしまった。
無事に挿入後、膀胱の中のカテーテルの先にあるバルーンに水らしきものを注入される。
膀胱の中でそれが膨らむため、めちゃめちゃオシッコを漏らしそうだ。
しかし、漏らさないためにカテーテルを入れているのだからと思い、
そぉ〜っと力を抜いてみる。
大丈夫らしい。
それにしても気持ち悪い。
違和感がある、などというレベルではない。
胃カメラを胃に入れたままにしたような感じ?
…違う。
魚の骨がノドに引っ掛かった感じ?
…似ているが違う。
思い出した!
この感触は…。
肛門から座薬を入れる時の、
クスリが肛門に入るか入らないかの
微妙な感じ!
指で押さえていないと
ポンと外に飛び出してしまうし、
かと言って
グッと押し込む勇気がなくて、
ちょっとためらっているような状態。
まさにそれであった。
その宙ぶらりんな感触のまま、今から24時間を過ごさなくてはならない。
まして、手術の時は数日間である。
気が遠くなってしまう。
検査は何のことなくあっという間に終了した。
が、これからが闘いである。
表現が難しいが、
ノドでいうところのゴックンをやると、
イタ気持ち悪い。
気持ち悪いのに何度も何度も繰り返してしまう。
まるで歯を治療したばかりの時に
舌先でチロチロとやってしまうように…。
本文とはあまり関係ないが、
立つと痛い。