松任谷由Ｍ
ライブというものは、
やはりナマ歌とナマ演奏を聴くために
高いチケットを買って会場へ足を運ぶ。
しかし、Ｊニーズが口パクということは周知の事実であり、
それに関してファンは何も言わない。
例えば、楽器の演奏にしても、
男闘呼組（懐かしい！）のライブの時、
ステージ裏の暗い所で
サポートメンバーが演奏しているのは序の口である。
ホントにステージで弾いていたのはギターだけ。
いつの時代もなぜかユーミＮは、特に女性に大人気である。
ユーミＮのコンサートの日は、
そらもう大変である。
ユーミＮはツアー期間中、
ダイエットか何かのために、生ハムなど
決まったメニューしか口にしないのである。
お前はコアラか？
ま、そんなことはどうでも良いとして…。
ユーミＮのコンサートの当日。
私は宿泊先のホテルの前で、
ユーミＮが出て来るのを待っていた。
ユーミＮのために予約していたベンツのハイヤーにご案内するためだ。
ユーミＮはそこらへんのアイドル歌手とは格が違う。
私ごときがワゴン車で運転手を務めている場合ではない。
予定の時間。
ユーミＮはまだ出て来ない。
と、そこへホテルからバスケットを持ったおばさんが出て来て、
私に愛想笑いをしたかと思うと、
そのままベンツに乗り込んでしまったのである。
えらいこっちゃ！
今のおばさんはきっとメイクさんか何かに違いない。
自分用の車と勘違いして乗ってしまったのだ。
まったくもう！
有名人の付き人は自分まで偉くなったと勘違いしてしまうことはよくあるが、
こともあろうに自分のご主人様に用意されたベンツに乗って走り去ってしまうとは
とんでもないババアだ！
私は大慌てでプロモーターのＡ山さんに電話連絡をとった。
私「す、す、す、すんませぇーん！
私がボンヤリしとる間に、
バスケット持ったメイクのおばさんが
ベンツに乗って行ってしまいましたぁ！」
Ａ山「え？メイクさんなんていないよ。
バスケット持ってたんでしょ？
それ、間違いなくユーミＮ本人だよ」
どっしぇー！
いくら芸能人の顔を知らない私と言えども、
ユーミＮがわからないとは…。
追いかけるように私もコンサート会場へ向かった。
Ａ山「おう、お帰り。
俺も今、ユーミＮの楽屋に挨拶しに行って来たよ。
あれじゃわかんないよな、スッピンだもん」
そうか。そうだったのか。
若い女の子の心を自在に操るユーミＮでさえ、
自分の顔までは操れなかったのだ。
コンサートが始まった。
会場内は熱気ムンムンである。
正面ではユーミＮが歌って踊って、
それはそれは派手なステージだ。
しかし、しかしである。
冷静にユーミＮのコンサートを観てみよう。
あの歳のおばさんがステージを走りまわりながら、
本当にあれだけの息切れで済むと思うか？
事前に息遣いまで含めて歌を録音したテープか何かを
会場で再生しているとは考えられないだろうか？
演奏はナマでも、歌は録音かも知れないのだ。
ボーカルだけ録音されたテープに合わせて演奏することなど、
プロミュージシャンにすれば朝メシ前である。
だが、ユーミＮが口パクかもしれないとは誰も疑っていない。
口パクかも知れないだけならまだいい。
ステージで仮面を付けて踊っているのは
本当にユーミＮだろうか？
同じスタイルに同じ衣装。
同じ髪型で、同じダンス。
しかし、顔の大半が隠れる仮面を付けているのだ。
仮面のユーミＮがステージの右に消える。
すると、一瞬の間をおいてステージの左から別の衣装を着て、
さっきのユーミＮと同じ仮面を付けたユーミＮが登場し、
パッと仮面を外して客席に投げ込む。
ファンの目には衣装の早変わりにしか思えない。
さすがユーミＮ！マジックみたいでカッコいい！
などと思っていたら大間違い。
アナタは確実に騙されているかも知れないのだ。
ひょっとしたら、
実はステージで見ず知らずのダンサーが仮面を付け、
マイクを持って歌っているフリをしながら踊っているのを、
アナタはユーミＮと思い込み、
必死に声援をおくってはいなかったか？
その時、ユーミＮは楽屋で着替えを済ませて
ひと息ついているかも知れないのである。
今後、ユーミＮのコンサートを観る機会があったらよーく観察して欲しい。
そのつもりで観たら怪しいところがボロボロ出て来るに違いない。
見分け方は、ア・カペラ。
ユーミＮがコンサートで本当にナマで歌っているのは、
ア･カペラの１、２曲だけかも知れないのである。
コンサート会場は音響設備がバリバリで、
客席からステージを観ても口パクかどうかは絶対に判断できない。
しかし、
ア･カペラになると突然歌が下手になる。
ユーミＮはめちゃめちゃ歌が下手なのだ。
さぁ、それでもアナタは高いチケットを買いますか？
