感涙の放屁
待ちに待った瞬間である。
ようやく看護婦さんがバルーンカテーテルを外しに来てくれた。
まさに女神様である。
病院とは
SMの女王様と優しい女神様
が共存する不思議なところだ。
待ってました!とばかりに布団をめくる。
しかし、いざ、バルーンカテーテルを抜かれようとすると、
ちょっと心配になることがひとつだけあった。
これまで24時間もこんな物を入れていたので、
ひょっとしたら、筋肉が緩んで
失禁してしまわないか?ということだ。
心配は大当たりだった。
チューブが抜けた瞬間、
股間にチョロッと生温かい感触があった。
やっちまった…。
若い女性の前で失禁するとは…。
しかし後でよく考えてみると、なんのことはない、
チューブに溜まっていた尿が
逆流しただけではなかったのか?
まぁ、そんなことはどうでも良かった。
とにかく立ってオシッコをしてみたかったので、
いやいや、そういう意味じゃない。
看護婦さんにお願いして尿瓶(しびん)を持って来てもらった。
カーテンを閉め直して、
さぁションベン出すぞ!という時である。
ぶひひぃぃぃ!
ばひっ!
ぶひゅひゅ…ばひゅ。
なんと!
私の小象が放屁をかましたのである。
しかも最後は尻すぼみ。
当然のことだが、
生まれてこのかたチン○ンで屁をかましたことはない。
予想外の出来事に、思わず
ひゃっひゃっと独りで笑いながら
束の間の放尿を楽しんだ。